ニュージーランドの人気観光地テカポと言うと満開のルピナスや満天の星、善き羊飼いの教会を想像するかと思います。しかし、ネットや旅行雑誌、パンフレットで使われているテカポの写真のほとんどは、過去に撮影されたもので、現在とは別物だと言う事を知る人は少ないかと思います。写真映えするテカポのルピナスの絶景は存在しません、過去の話です。
先週から今週にかけてニュージーランドの南島を旅行してきた際に、テカポを訪れたので、現地旅行会社が決して語らない残念な現状(2020年11月下旬)をレポートしたいと思います。コロナの終息後に、ニュージーランド旅行を検討中の方に参考になれば幸いです。
善き羊飼いの教会を囲む柵
テカポの善き羊飼いの教会に観光客が殺到しすぎた為に、柵が設置されたことをご存じの方は多いかと思います。苦肉の策として設置された柵ですが、やはり写真映えする教会の景観を損ねている感は否めません。
ゲート開閉時間の制限
基本的に一般観光客はゲートが開いている時間帯であれば、柵の中に入って写真を撮ることができますが、それ以外の時間帯は柵外からしか撮影できなくなります。
朝夕などのマジックアワーや星景写真を撮影したい場合は、冬時間の夕方以外は教会のゲートが閉まっている時間なので、柵外からが基本となります。
柵外からの撮影の難しさ
柵が写りこまないようにどう撮るか、もしくは柵を入れつつどう撮るかが非常に難しいところです。
柵の高さは1メートル以上はあるので、柵の上から撮影するとなるとそれなりの高さのある三脚でないと厳しいかと思います。また、柵と歩道の間に植物が植えられている箇所もある為、柵に近づいての撮影ができない場所も多く存在します。
星景写真となると広角レンズが基本なので、撮影できる場所もかなり限られてきそうです。季節によって天の川の見える方角が変わり、場所によっては教会から距離が離れているので広角レンズでは不向きな場合もあります。テカポの善き羊飼いの教会の星景写真は過去のものになりつつあるようです。
教会を含めた風景写真の場合は、ズームレンズを利用して、柵が出来るだけ入らないように構図を工夫することも可能ですが、やはり場所が限られ自由度は低くなってしまいます。
柵の上から撮影しても、別の柵が写り込む場合もあるので難しいです。
まだ整備途中っぽい箇所があったので、更に景観を損ねている感じがしました。土がむき出しの部分に植物が植えられ、ポールが外されれば、見た目は現在より改善されるかと思いますが…。
テカポから消えたルピナス
満開のルピナスはテカポの象徴とされていた感がありますが、実はルピナスはニュージーランドでは外来種のため駆除対象となり、ニュージーランド自然保護局 (Department of Conservation)により2年ほど前から本格的に駆除され始め、テカポの善き羊飼いの教会周辺も例外ではありません。
駆除される以前は、春の時期(11月下旬から12月上旬)には善き羊飼いの教会周辺やテカポ湖畔は、密集した状態で一面が鮮やかなルピナスの花で覆われていて、多くの観光客を魅了していました。
しかし、現在の善き羊飼いの教会周辺は写真映えするような量のルピナスは生えておらず、まばらに生えているルピナスが少し咲いているといった感じです。
柵内にもルピナスの花は咲いていましたが、中途半端な量で、なぜ駆除しないの?といった感じです。
教会近くのテカポ湖畔にもルピナスの花を見ることはできますが、密集して生えていないので広角レンズで撮るとスカスカ感が出てしまいます。
以前は、足元にある石や砂利が見えない位、一面にルピナスで覆いつくされていたのですが、現在は石や砂利ばかり。
テカポ周辺以外のマウントクックやクイーンズタウンなど、南島のカンタベリー地方やオタゴ地方にも多くのルピナスが生えていた印象がありますが、今回はルピナスを目にする機会が少なく、確実に駆除され量が減っていると実感しました。
NZ政府観光局の写真にはルピナスが!
ニュージーランド政府観光局のウェブサイトで使われているテカポの写真には、いまだにルピナスが写っていると言う大きな矛盾。ルピナスがあったほうが写真映えし、観光客を引き付ける要素の一つになっているのは確実ですが、真実を伝えていないような気がして、まるで詐欺のようです。せめて、ニュージーランド政府観光局であれば、ルピナスの写っている写真は使わない方が良いのではないかと思います。
まとめ
テカポの現状を知らずに過去の綺麗な写真だけを見て、実際のテカポを訪れると、詐欺にあったかのような思いでガッカリされるのでは無いでしょうか?
ネット上では色々な情報が簡単に手に入りますが、本当の情報かの判断は難しい部分もあります。旅行系ウェブサイトの中には、実際に現地に行ったことのないインチキ記者が、ネット上の情報を元に記事にしている場合があるので注意してください。そう言ったウェブサイトの多くは、自分で撮影した写真を使っておらず、寄せ集めの写真を使い、間違った情報や写真を載せいているケースがあります。また、現地旅行会社もそういったネガティブな実情を語ろうとはしません。