ニコン50mm f1.8レンズで天の川を綺麗に天体撮影できるか実験してみた

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ニコン50mm f1.8レンズで天の川撮影する方法 星空・天の川

ニコンの撒き餌レンズと言われる単焦点AF-S NIKKOR 50mm f/1.8Gを使い、赤道儀なしで天の川がどれだけ綺麗に撮れるのか実験してみました。海外のあるウェブサイトに赤道儀を使わずにディープスカイ(深宇宙)、いわゆる天体撮影する方法が紹介されていたので試してみました。

天体撮影には興味があるけど赤道儀などの機材は持っていないという人は、手持ちの明るめの50mm等の単焦点レンズを使って挑戦してみると面白いかと思います。

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赤道儀なしで天体撮影する方法

天体撮影と聞くと難しそうなイメージはありますが、特別な機材も必要なく、通常の星景や天の川の撮影方法を知っていれば誰でも簡単に行うことができます。

撮影のポイントとして、赤道儀を使わずに星を点として撮影する為に出来るだけシャッタースピードを短く撮影します。また、ノイズの少ない綺麗な画質にする為に複数枚撮影(100枚以上)し、現像過程で加算平均合成(スタック)させます。

必要な一眼カメラ

ISO感度を通常よりは高めにして撮影するので、常用ISO感度が高ければ高いほど有利で、ISO6400以上あれば大丈夫です。新しめの一眼カメラであれば、入門機でも常用ISO感度が比較的高いので問題ないかと思います。

また、一定間隔で連続して撮影するので、インターバル撮影機能が必要になってきますので、無い場合は別売りのインターバル撮影機能付きのリモコンを用意します。

明るめの単焦点50mm~中望遠レンズ

出来るだけ迫力のある天の川や天体を撮影するので、標準50mm~中望遠の100mm前後で、f2.8以下のF値の少ない明るめのレンズがおすすめです。各メーカーの撒き餌レンズとして安価に手に入る50mm f1.8の単焦点レンズで十分です

焦点距離が長くなればなるほど星が線状になりやすいので、中望遠レンズを使う場合は、常用ISO感度の高いカメラとの組み合わせが必須となります。

カメラの設定

まずは星を点として撮影する為に、出来るだけシャッタースピードを短くする必要があります。一般的な星景撮影では『500ルール』に合わせた露出時間でほぼ大丈夫ですが、実際、拡大すると若干結構線状になっているので、赤道儀なしの場合は出来る限りシャッタースピードを短くするのが重要です

シャッタースピードを短くすると言うことは、露出アンダーにならないように、その分ISO感度を上げなければいけなくなります。

50mmレンズの場合

レンズにもよりますが、絞り開放で撮影すると、周辺減光やコマ収差などの影響が出るため、若干絞り気味に設定するのがポイントです。

露出アンダーにならないように、絞りに合わせてISO感度を調整します。現像時にノイズ除去処理を行うのでISO感度は常用感度の範囲内であれば、高めに設定した方が良いです。それよりも、いかに星を点で撮影できるかの方が仕上がりに影響します。

絞り:f2~3.5
シャッタースピード:3~4秒
ISO:6,400~12,800

※中望遠レンズの場合は、星を点で撮影する為にシャッタースピードを1~2秒にする必要があります。

その他、基本的な星空撮影方法は以下のページでご確認ください。

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インターバルタイマーで撮影

撮影枚数が多いのでインターバルタイマーを使って撮影します。インターバルタイマーの設定で必要な枚数を指定しておけば、必要以上の量を撮影する事なく自動的に止まってくれます。

撮影間隔の設定

【撮影間隔】は、シャッタースピード+1秒に設定します。
例)シャッタースピード4秒+1秒=5秒

撮影枚数の設定

【撮影回数×1回のコマ数】は、100枚なら、100×1に設定します。

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撒き餌レンズ50mmで天体撮影した結果

今回はニコンD750とAF-S NIKKOR 50mm f/1.8Gの組み合わせで天の川の中心部分を撮影してみました。
設定は、f2.2、シャッタースピード4秒、ISO12,800で100枚。

四隅の周辺減光とコマ収差

AF-S NIKKOR 50mm f/1.8Gなので予想はできていたのですが、絞りをf2.2で撮影した為、四隅の周辺減光とコマ収差が発生しています。周辺減光は補正すればある程度は修正可能ですが、コマ収差はどうにもならないので、もう少し絞って、f2.8~f3.5位まで絞っても良かったかもしれません。

四隅の周辺減光とコマ収差

AF-S NIKKOR 50mm f/1.8Gで絞りf2.2の設定で撮影した場合の四隅のコマ収差

星の流れ具合

今回の設定では4秒に設定したのですが、中心付近はギリギリ『点』に近い状態ですが、中心から離れるにつれて、特に小さな星は線状になってしまいます。もう少し性能の良い50mmレンズでも、星を点に写すなら3秒以下が理想かもしれません。

星の流れ具合

シャッタースピード4秒にした場合の星の流れ具合。中心から外れると若干細長く伸びてしまう。

ISO感度

ISO感度を12,800で撮影したのでノイズ量は想定内で、最終的には100枚スタックさせるのであまり気にはならない程度です。

星本来の色を出すなら、ヒストグラムで確認して白飛びしないようISO感度を抑え気味に設定した方が良いです。

画像のスタックでノイズ除去

Lightroomでは、ホワイトバランスとレンズ補正で微調整した程度は、それ以外は何もせずに、tifに書き出してから、画像をスタックしノイズを除去しました。

最初はSequatorを使って合成してみたのですが、イマイチ精度が良くなく四隅がブレた感じの仕上がりだったので、Photoshopを使ってスタックさせました。

コマ収差の影響で四隅が少し線状になりブレた感じになていますが、Sequatorよりは全然綺麗に仕上がり、ノイズも消え滑らかな画質になりました。

Photoshopで加算平均合成

Photoshopで100枚を加算平均合成した結果

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最終的にPhotoshopやCamera Rawで補正して完成!

スタックさせただけでは、地味な天の川写真なので、本来持っている色情報を引き出す為にPhotoshopとCamera Rawを駆使して、限りなくディープスカイ(深宇宙)に近づけてみました。

不自然にならない限界ギリギリの補正をかけてます。普段は絶対しない位の適用量です。

100枚スタックさせてるのでノイズも少なく、思い切った補正をかけても、それほど画質に影響が出ないところが凄いです。

ニコン50mm f1.8レンズで撮影した天の川

NIKON D750 (50mm, f/2.2, 4 sec, ISO12800)
AF-S NIKKOR 50mm f/1.8Gで撮影した天の川の中心部分の最終的な仕上がり

フラット補正して、星を少なくして綺麗に現像してみました。

Nikon 50mmの撒き餌さレンズで撮影した天の川

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まとめ

今回は50mmのレンズを使いましたが、おそらく中望遠の100mm前後のレンズと高感度カメラを使って同様に撮影すれば、もっと迫力のあるディープスカイ(深宇宙)を再現出来るかもしれません。

撮影時間も10分位しかかからないので、比較的気軽に挑戦できるかと思います。