パソコンの買い替えでLightroomを新しい環境に引越しさせるという状況は、いずれ誰もが通る難関かと思いますが、Lightroomのカタログと元写真ファイルをしっかりと管理できていれば、非常に簡単に移行することができます。
今回は、Lightroomを新しいパソコンへ引越しする方法と手順を詳しく解説します。
Lightroomの引越しで移行するデータ
Lightroomを新しいパソコンへ引越しするには、元写真ファイル、カタログ、プリセットの3つを移行します。基本的にはこの3つを新しい環境にも継承できれば、まったく同じ状態でLightroomを使うことができます。
元写真ファイル
元写真ファイルは、階層が変わらないように一番上の親フォルダごとコピーすることが重要です。この作業を間違わなければLightroomの引越しはほぼ成功です。
パソコン内に元写真ファイルを保存している場合は、外付けHDDへコピーしておきます。最初から外付けHDDで元写真ファイルを管理している場合は、何もしなくてもOKです。
元写真ファイルをLightroom専用のフォルダで管理していれば簡単ですが、フォルダがパソコン内であったり、もう一方は外付けHDDなど色々な場所から読み込ませてバラバラになっていると、移行が難しくなってしまいます。そういった場合は、移行する前に、元写真ファイルの読み込み先を1つにしてフォルダの整理しておくのが良いかと思います。
元写真ファイルやカタログ設定に関して不明な場合は、以下の記事で確認できます。
カタログ
Lightroomで最も重要なファイルがカタログです。カタログファイルがないと、今までの現像設定データが移行されなくなってしまいます。
例えば、Lightroomと言う名前のカタログの場合、以下のようなファイル構成になります。
- Lightroom
- Lightroom.lrcat
- Lightroom Previews.lrdata
- Lightroom Smart Previews.lrdata
- Lightroom Helper.lrdata
拡張子.lrcatというのがカタログファイルで引越しには必須ですが、Previews.lrdataやSmart Previews.lrdataと言うフォルダはプレビュー用のデータなので、無くても問題ありません。Helper.lrdataフォルダは、引越しには不要です。
パソコン内にカタログファイルを保存している場合は、外付けのSSDやHDDにコピーして保存しておきます。新しい環境に移行した際に、外付けSSDでカタログを管理したい場合は、Lightroom専用の外付けSSDに保存しておくと、新PC内にカタログをコピーして移行する必要がないので簡単です。(外付けHDDは処理速度が遅いのでカタログ管理には向いていません。)
プレビューフォルダは移行しなくてもOK
カタログの写真枚数が万単位になるとプレビュー用のファイル数が多くなり、コピーするのに非常に時間がかかってしまいます。カタログフォルダ内にあるPreviews.lrdataやSmart Previews.lrdataのプレビュー用データは、無理に移行しなくても特に問題はありません。
新しい環境でLightroomのカタログを開いた時、プレビューデータがなければ自動で生成されます。最初の起動でカタログ全部のプレビューデータが生成されるわけではなく、表示させた写真のみがその都度生成されるので、不要なプレビューデータでファイルが大きくなることはありません。
カタログの場所
カタログが保存されている場所は、初期設定のまま使っている人は、ピクチャフォルダ内の『Lightroom』フォルダにあります。
カタログの場所が分からない場合は、編集 > カタログ設定 > 一般タブ で確認できます。【表示】をクリックするとフォルダが開きます。
プリセット
Lightroomの有料・無料のプリセットをインストールしていたり、独自のプリセットを設定している場合は、プリセットファイルがあるフォルダを丸ごとコピーして移行します。
プリセットの場所
Lightroomのプリセットが入っているフォルダの場所は、以下になります。
『Lightroom』フォルダごとコピーして、外付けのSSDやHDD、USBなど別の場所に保存しておきます。
Lightroomの引越し手順
Lightroomの引越しと聞くと何となく難しそうなイメージですが、手順もシンプルで非常に簡単です!
元写真ファイルの移行
元写真ファイルを新しいパソコン内で管理する場合は、新しいパソコン内のSSDやHDDに写真ファイルをコピーし移行します。パソコン内蔵のSSDやHDDの容量が大きい場合は問題ありませんが、ノートPCなどストレージ容量が少ない場合やバックパップなどの安全性を考えると、元写真ファイルは外付けのHDDで管理するのがおすすめです。
外付けのSSDやHDDで元写真ファイルを管理する場合は、USB接続するだけでOKです。パソコン内へ移行する必要はありません。
カタログの移行
Lightroomのカタログを新しいパソコン内で管理する場合は、パソコン内蔵のSSDやHDDにカタログをコピーし移行します。パソコンのクラッシュや盗難など、万が一のことを考えるとカタログも外部SSDで管理するのがおすすめです。
外付けのSSDでLightroomのカタログを管理する場合は、USB接続するだけでOKです。パソコン内へ移行する必要はありません。
プリセットの移行
プリセットがある場合は、新しいパソコンの所定のフォルダへコピーし移行します。
Lightroomを起動し、元写真と再リンク指定
カタログファイル(拡張子.lrcatのファイル)をダブルクリックして、Lightroomを起動します。
新しい環境で起動するとカタログと元写真ファイルの位置関係が異なるので、ライブラリーモジュールのフォルダに「?」が表示されるようになります。この「?」はフォルダーのリンク切れで写真が見つからない事を示しています。
見つからないフォルダーを検索
リンク切れになっている写真フォルダを修復するには、最上位の親フォルダ上で右クリックして、【見つからないフォルダーを検索】を選択し、新しい環境(パソコン内もしくは外付けHDDやSSD)にある同じ階層の親フォルダを指定すればOKです。あとは自動的に下層フォルダのリンクも再接続されます。
念のため下の階層のフォルダ全て「?」が消えているか確認しましょう。もし一部に「?」が残っている場合は、元写真ファイルが存在しない、もしくはリンクに失敗している可能性があるので、「?」の表示があるフォルダ内に写真ファイルがあるか確認する必要があります。
Lightroomの引越し完了!
リンク切れの「?」が消えたら、過去に現像した写真を開いて、過去の現像設定が残っていれば、Lightroomの引越し作業は成功です!
まとめ
Lightroomの引越しは、日頃から外部ストレージでバックアップしていると意外と簡単に行うことができますが、Lightroomをデフォルト設定で何となく使い始めて、徐々に大量の写真が溜まってカタログが肥大化してしまうと、引越し作業が煩雑になってしまいます。
Lightroomの引越しを機に、写真ファイルやカタログのバックアップなどの管理方法を見直すのも良いかもしれません。