ソニーNP-FW50用の容量偽装の中国製互換バッテリーを買ってみた

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ソニーNP-FW50の互換バッテリーをAliexpressで買ってみた 便利グッズ

ソニーの一眼カメラZV-E10は動画撮影するとバッテリーの持ちが悪く、予備バッテリーはあった方が安心ですが、ソニー純正のNP-FW50バッテリーは容量の割に高価なので、互換バッテリーで対応を考える人は多いかと思います。

そこで、ソニーZV-E10用のNP-FW50の互換バッテリーが日本国内で売っていなかったので、中国の通販サイトAliexpressでBATMAXと言うメーカーの中国製のNP-FW50互換バッテリーと充電器を購入し、実際の電池の持ちを純正品と比較実験した結果をレビューしたいと思います。

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NP-FW50の互換バッテリーが売っていない理由

カメラの互換バッテリーは数年前まではAmazonで良く売られていたのですが、最近めっきり少なくなったような気がします。完全になくなったわけではなく、一部のカメラの互換バッテリーは今も普通に販売されていますが、NP-FW50やNP-FZ100など含むソニーの一眼カメラ向けの互換バッテリーは、日本国内ではほぼ販売されていないのが現状です。

PSEマークの表示の義務化

互換バッテリーが減少した理由を調べてみたら、どうやら『PSEマーク』の表示の義務化が一部関係しているようです。2019年2月以降、日本国内でPSE表示の無いリチウムイオンバッテリーは販売する事が出来なくなり、互換バッテリーがその規制対象に含まれていて、違反すると罰金や罰則が科せられる為に販売業者が減少したのではないかと推測されます。

基本的に、今現在日本国内で販売されている互換バッテリーにはPSEマークの表示があるはずですが、PSEマークの表示があったとしても、あまり聞いたことのないメーカーは偽の表示をしている可能性もあるので要注意です。

偽のPSEマーク表示の見分け方は、PSEマークの直ぐ近くに事業者の表示が義務付けられているので、無ければ確実に偽の表示という事になり、PSEに適合しないバッテリーをPSE合格品として販売している悪質業者と言えます。性能だけでなく、安全性に関しても信用できないので、購入は控えた方が良いかと思います。

ソニー純正のバッテリーのPSEマーク

ソニー純正のバッテリーのPSEマーク

ソニーαシリーズの警告表示

ソニーのαシリーズの一部製品でNP-FZ100の互換バッテリーを使用するとこのバッテリーの動作及び安全性は保証できません。ご使用を続けますか?と言う警告が表示されるようになった事も一つの原因かと思われます。以前は警告が出てなかったのにファームウェアをアップデートしたら、警告が表示されるようになったとの話もあります。ちなみにNP-FW50の機種で警告が表示されるという事は、今の所ないようです。

使用上問題がなくても将来的に警告表示が出てしまうと、互換バッテリーメーカーにとっては商売あがったりで、撤退せざるを得ない状況となり、販売中止や停止で激減したのではないかと思われます。

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AliexpressでNP-FW50の互換バッテリーを購入

純正バッテリーなら間違いないのですが、割高感は否めません。カメラがソニーのZV-E10という事もあって、そこそこ使えれば良いという考えなので互換バッテリーという選択に至りました。

互換バッテリーであっても、ある程度名の知れたROWAジャパンやRAVPOWER、Powerextraと言ったメーカーなら問題なく使用できるので、いろいろ探してみたのですが、今現在それらのメーカーではNP-FW50の互換バッテリーは日本国内では販売していないようです。

最後の手段という事で、中国の通販サイトAliexpressでNP-FW50の互換バッテリーを探してみた所、無数にありました。相場は、送料込みで1個1500円位、2個で2500円位で純正品の1/5程度とかなりお手頃価格ですが、不安がよぎります。

しかも純正のNP-FW50は容量が1020mAhですが、Aliexpressで売っている殆どの互換バッテリーは約2倍の2000mAhです。かなり怪しい…、と言うかほぼ容量偽装。安くて大容量の方が売れるのは理解できますが、2倍は流石に無理があるのでは?

純正の容量2倍の中国製互換バッテリー

結局、数ある中からBATMAXと言う中国メーカーのNP-FW50の互換バッテリー2個とUSB式の充電器のセットを約2600円(送料込み)で購入しました。BATMAXは互換バッテリーを主に展開しているメーカーで、一応1年間の保証を謳っています。購入先はBATMAXのオフィシャルストアで、出店してから6年以上が経過していて、店舗の評価、販売実績やレビューを確認する限りでは大きな問題はなさそうです。(あくまで購入前の個人的見解です)

購入したBATMAXの互換バッテリーの容量は、恐らく偽装表示で期待してませんが純正の約2倍の2000mAhです。重さもサイズもほぼ同じで容量2倍って、リチウムイオンバッテリーであり得るのか?


BATMAX NP-FW50 2000mAh Battery

Aliexpressの最大の難点は、配送に時間がかかる事です。早くて10日位で届く時もありますが、大抵は3週間から4週間、たまに2カ月近くかかる時もあるので、急ぎの時は購入しない方が良いです。

今回のBATMAXの互換バッテリーは、注文時の発送予定は追跡なしで約2カ月となっていたのですが、実際はトラッキングありで約3週間で届きました

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BATMAXのNP-FW50互換バッテリーを検証

予想はしていましたが、一番外側のパッケージの一部が潰れていました。中身は問題ないですがパッケージが潰れて届くのはAliexpressのあるあるなので、神経質な人は止めた方が良いかと思います。

BATMAXの箱潰れ

パッケージの箱潰れはAliexpressではあるある

BATMAXのNP-FW50の互換バッテリー2個とUSB式の充電器のセット

BATMAXのNP-FW50の互換バッテリー2個とUSB式の充電器のセット

BATMAXの互換バッテリーは日本向けではないのでPSE表記はありませんが、EU向けの安全基準を満たしていることを証明するCEマーク、イギリス向けのUKCAマークが表記されています。

BATMAXの互換バッテリー

BATMAXの互換バッテリーはPSEマークなし

まずは届いて直ぐの状態でBATMAXのNP-FW50互換バッテリーをソニーZV-E10に入れてみると、特に警告表示もなく、カメラも正常に機能します。バッテリー残量は、一つが78%、もう一つが72%となっていました。

USB-C対応の充電器

BATMAXのNP-FW50用充電器は、2個同時に充電可能なダブルスロットで、Micro USBだけでなくUSB-Cにも対応しています。充電器本体にUSBケーブルが付いているので、別途でケーブルを持ち歩かなくても使う事ができるので外出先では便利かもしれません。

ソニーZV-E10には充電器が付属していないので、カメラにケーブルを直接繋いで充電するしかなく、結構面倒なのですが、充電器があればかなり楽になります。

充電中は、バッテリーアイコンが点滅して、大まかにどれだけ充電したのか判断できるようになってる程度で、残量のパーセント表示はなく、比較的シンプルな充電器です。

BATMAXのバッテリー充電器

BATMAXのバッテリー充電器

点滅していると充電中で、点灯に変わると充電完了で、充電が完了してもバッテリーアイコンは点灯したままで消える事はありません。充電器本体にはCEマークの表示もあり、過充電や過電流、過圧電などの保護回路は備わっているようなので、充電中はバッテリーが発熱して熱くなることも殆どありません。

充電が完了した互換バッテリーをカメラに入れてみると、しっかりと100%と表示され、充電は問題なさそうです。

充電速度は、ソニーZV-E10のカメラ本体とほぼ同じ速度かと思います。BATMAXの充電器もUSB充電なので充電速度は期待しない方が良いかと思います。

純正 VS 中国製互換バッテリーの持ちを実験比較

NP-FW50の純正品は容量が1020mAh、一方のBATMAXの互換バッテリーは純正の約2倍の容量2000mAhと表記されています。単純に計算してもバッテリーの持ちがかなり良くなるはずですが、実際はどうなのか、動画を連続撮影して電池の持ちを比較してみました。

実験内容

実験内容は、各バッテリーを100%に満充電した直後にソニーZV-E10で動画を連続撮影し5分ごとのバッテリー残量を比較すると言うものです。室内の温度を一定にし壁だけを撮影し続け、限りなく同じ条件の下で行いました。

  • XAVC S 4K 24fps
  • 液晶画面は常時ON

実験結果

まずはソニー純正のNP-FW50を使って45分まで連続撮影してみました。バッテリーの残量は5分で約5%強ずつ減っていくのが確認でき、45分後には半分ほどになりました。

一方のBATMAXの互換バッテリーは、最初の5分は5%程度の減りですが、その後はバッテリーの残量が5分で約8~9%ずつ減っていくのが確認でき、45分後に35%と32%ほどになりました。

純正
NP-FW50
BATMAX①
互換NP-FW50
BATMAX②
互換NP-FW50
5分 95% 96% 95%
10分 89% 88% 86%
15分 84% 79% 77%
20分 79% 70% 68%
25分 73% 61% 59%
30分 68% 53% 50%
35分 62% 46% 41%
40分 57% 40% 36%
45分 51% 35% 32%

実験結果は、見ての通りソニー純正のNP-FW50の方が圧倒的にバッテリーの持ちが良いと言う事が分かりました。純正のほぼ2倍の容量が表記されているBATMAXの互換バッテリーは、性能的には純正バッテリーの6~7割程度にとどまっているので、容量2000mAhというのはほぼ確実に偽装表示という事が分かります。

また、今回はBATMAXのバッテリーを2個購入したので、それぞれ同様の実験を行ったのですが、個体にバラツキがあり性能に差があるように感じました。

試しにBATMAXの互換バッテリーで、電池切れになるまで撮影を続行してみたのですが、70分の時点で残量が13%あったので、計算上ではあと10分位は大丈夫かと思いきや、74分位で残量がゼロになり停止しました。

残量表示も疑わしいので、残量が少なくなってきたら早めに交換した方が良さそうです。

BATMAXに容量偽装表示をクレームしてみた

容量2000mAhと表示されているのに純正バッテリーより持ちが悪いので、販売元のBATMAXに実験結果の報告と2000mAhは偽装なのか、それとも不良品なのかを問い合わせてみました。

BATMAXの回答は、「数回使えば、パフォーマンスが回復する」との事。でも、どれくらい回復するのかは一切言及していないので、明確な数値を回答するように再度メールしました。

しかし、「純正バッテリーではない。」とだけで、明確な数値は答えようとしません。完全に明確な回答を避けているので、再度同じ質問をした所、「1時間半は持ちます。」との事。どういう状況での1時間半なのか分かりませんが、かなり曖昧な回答です。今回の実験結果から計算すると、純正の90%程度の持ちという事になります。純正の2倍の容量があるのに、純正ほどの性能はないとBATMAXが認めているようなものです。

もし、再度テストしてみて、改善しなかった場合の補償はどうするのか聞いてみた所、「製品を返品したら、返金する。」との事でした。

返金を求めてみた

とりあえず、容量偽装表示をしていたという事で返金を求めてみましたが、案の定、BATMAXは拒否してきました。両者で話し合いが付かないので、Aliexpressに仲裁を求めてみた所、「Please show us your test process of the capacity in a clear video(please do not use the IMAX B6 to test the capacity of batteries since it was not professional testing tool) 」。簡単に訳すと、「容量偽装表示を証明する明確な動画を送ってください。(プロの専門ツールではないIMAX B6を使って、バッテリー容量を測定しないでください。)」との事で、プロが使用する専門的なツールを使って証明しなけらば返金は受理されないっぽいです。

BATMAXとやり取りをしてみて、こちらの出方を伺ってハッキリとした事を言わず、全く誠意を感じませんでした。まぁ、面倒なので再度テストする気もないし、テストをしたって結果は同じだろうし、返品するにしても中国までの送料を考えると損をするのは自分なので、これ以上の事はしません。

素人が分解して中身を確認できないのをいい事に、容量偽装表示が当たり前になっている中国製互換バッテリーの現状を放置するAliexpress側にも責任の一端があるかと思いますが、中国が国として厳しい規制をしない限りは、悪徳業者は無くならないかと思います。

容量偽装表示が蔓延る中国製リチウムイオンバッテリーの闇はかなり深そうです。

海外製のリチウムイオンバッテリーの処分方法

日本国内向けのリチウムイオンバッテリーであれば販売店や販売メーカーで処分してくれたり、JBRC会員企業製のバッテリーであれば、家電量販店にある回収ボックスを利用して処分できますが、海外製だと受け付けてくれない場合がほとんどです。

海外製のリチウムイオンバッテリーの処分方法は、住んでいる自治体に問い合わせる必要があります。自治体によっては、ゴミ集積場に出すことが可能だったり、市役所の窓口に持ち込んだりと方法は様々ですが、海外製のリチウムイオンバッテリーでも比較的簡単に処分することが可能なので、あまり気にしなくても大丈夫かと思います。

くれぐれも、普通のゴミとして捨てない様に注意して下さい!

日本国内向けのバッテリーには、リサイクルマークの直ぐ下に「Li-ion」と言う文字が表記されますが、海外製はリサイクルマークのみになります。

日本国内向けのリサイクルマーク

日本国内向けのリチウムイオンバッテリーのリサイクルマーク

総評

BATMAXのNP-FW50互換バッテリーの性能は、純正の6~7割程度で、互換バッテリーとしては平均的だと思います。ただし、容量が純正の2倍で表記されているのが問題で、がっかり感や不信感が倍増してしまいました。せめて、容量の表記が純正と同じだったら、不信感は抱かずに済んだと思います。

バッテリーの持ちが純正の6~7割程度ですがそれ以外は正常に機能しているので、価格が1/5程度と考えるとBATMAXの互換バッテリーはそこまで悪くはないのかもしれません。これから長く使い続けた場合の耐久性やバッテリー性能に関しては、どうなるか未知数なので何とも言えませんが、予備バッテリーとして割り切って使うのであれば、一つの選択肢としてアリかと思いますが、強くはおすすめしません。

互換バッテリーが不安な方は、少し割高ですがソニーの純正バッテリーが良いかと思います。

安価な互換バッテリーは、粗悪品の可能性があり、最悪の場合、発火や爆発する危険性もあるので、購入する際は十分注意し自己責任でお願いします。Amazonでも格安の互換バッテリーが売られているようですが、あまり聞いたことのないメーカーでレビューが殆んど無いものは避けた方が無難です。保証があると謳っていても、実際は連絡が取れない悪質なメーカーも存在するので、信頼できるメーカーなのか購入前に必ず確認することをおすすめします。


BATMAX NP-FW50 2000mAh Battery