コスパ最強の星景レンズ!Samyang AF 35mm F1.8 FEレビュー

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コスパ最強の星景レンズ!Samyang AF 35mm F1.8 FEレビュー カメラ・機材

星景写真用のレンズとしては24mmが人気ですが、天の川がより大きく写り迫力が増す35mmもおすすめです。明るめの35mm単焦点レンズは種類が豊富ですが、お手頃価格のSamyang AF 35mm f1.8 FEを購入してみました。

今回は、広角単焦点レンズSamyang AF 35mm f1.8 FEを、星景撮影用としての目線で実例と共にレビューしたいと思います。

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超小型&軽量の35mm単焦点レンズ

Samyangから発売されているTinyシリーズのAF 35mm f1.8 FEは、その名の通りコンパクトなオートフォーカスの単焦点レンズです。大きさは重さ235gで、フィルター径は58mm、全長63.5mmと手のひらサイズの非常に小型のレンズです。レンズの鏡筒がプラスチック製なので若干の安っぽさは否めませんが、その分軽量になっています。

Samyangの同シリーズの24mmと比較するとフィルター径は58mmで同じですが、若干35mmの方が高さが短い程度で、それ以外はほぼ同じサイズ感です。常時携帯していもて苦にならない大きさです。

24mmと35mmの大きさ比較

24mmと35mmの大きさ比較

Samyang35mmは手のひらサイズで小さい

Samyang35mmは手のひらサイズでコンパクト

また、ソニー純正の35mm f1.8と比較すると、ソニー製もコンパクトですが、更にSamyang AF 35mm F1.8 FEの方が小さく、価格の面でもよりお手頃感があり購入しやすいかと思います。

Samyang AF 35mm f1.8 Sony FE 35mm F1.8
重量 235g 280g
全長 63.5mm 73mm
フィルター径 58mm 55mm
実売価格 4万円前後 6万円前後

35mmの他の候補としては、f1.4のレンズもあったのですが、大きさ・値段・性能を考慮するとSamyang AF 35mm F1.8 FEに行きつきました。

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防塵・防滴対応

Samyang AF 35mm F1.8 FEは、防塵防滴対応のウェザーシーリングを施してあるので、水滴や埃からレンズを守ってくれます。撮影環境が比較的ハードな星景撮影では、防塵・防滴仕様かどうかは結構重要なポイントになります。

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操作感

Samyang AF 35mm F1.8 FEには、フォーカスリングとカスタムスイッチが付いていて、フォーカスリングのトルク感は、軽すぎず重すぎずの程よい感じです。

独自のカスタムスイッチは、モード1にするとフォーカスリングがフォーカスリングとして機能し、モード2にするとフォーカスリングが絞りリングに切り替わるようになっています。絞りはカメラ本体で簡単に操作できるので、カスタムスイッチの必要性はあまり無さそうです。

AF 24mm F1.8 FEにあるアストロフォーカスボタンが無いのが少し残念な所です。次回のバージョンアップ時には追加される可能性はあるかもしれません。

35mmレンズとしてはコマ収差は少なめ

ただ単に安いレンズはいくらでもありますが、やはり星景レンズとして使用するにはコマ収差がいかに少ないかが重要になってきます。超広角レンズに比べると一般的な35mmのレンズは、コマ収差が目立つ傾向にありますが、Samyang AF 35mm F1.8 FEもそれなりにコマ収差が発生します

ただし、他のレンズに比べるとコマ収差は比較的抑えられていて、許容範囲と言ったところです。f2.2かf2.5位まで絞るとコマ収が目立たなくなり始め、f2.8かf3.2まで絞ると気にならない程度まで抑えられます。

以前ニコンD750用に所有していたSIGMA 35mm F1.4 DG HSM Artは、絞り開放だと激しくコマ収差が発生していたのですが、Samyang AF 35mm F1.8 FEの方がコマ収差は少ない印象です。

f1.8の場合

まずはf1.8で撮影した全体像ですが、ネット上で見るサイズであればコマ収差は全く気にならないレベルです。

Samyang AF 35mm F1.8 FE

SONY ILCE-7RM4 (35mm, f/1.8, 8 sec, ISO3200)
Samyang AF 35mm F1.8でf1.8に設定して撮影した全体像

次に四隅を等倍(100%)サイズでトリミングした画像です。明るめの星はクリオネのような形をしたサジタルコマフレア(非点収差とコマ収差などの複合型の収差)が発生しています。また、暗めの星は尾を引くようなコマ収差も若干発生しています。明るめの星の縁に、青ハロと呼ばれる紫色のフリンジも発生していますが、許容範囲かと思います。

Samyang 35mm @ f1.8

Samyang 35mm @ f1.8 左上

Samyang 35mm @ f1.8

Samyang 35mm @ f1.8 右上

Samyang 35mm @ f1.8 左下

Samyang 35mm @ f1.8 左下

Samyang 35mm @ f1.8 右下

Samyang 35mm @ f1.8 右下

f2.8までの比較

今回は星が線状にならない様にシャッタースピードを8秒にして、絞りをf1.8から1/3段ごと、f1.8、f2、f2.2、f2.5、f2.8で撮影した画像で比較しました。サジタルコマフレアが一番目立った部分を等倍(100%)にトリミングしています。

f1.8とf2だとあまり変化がないようですが、f2.2からサジタルコマフレアが軽減し始め、f2.8まで絞るとサジタルコマフレアは抑えられ星がより点状になるのが確認できました。

大きめに印刷する場合は、ある程度絞って使う必要があるかと思いますが、ネット上で鑑賞する目的ならあまり気にする必要はないかと思います。

Samyang AF 35mm F1.8 FEの星景写真の作例

α7R IVにSamyang AF 35mm F1.8 FEを組み合わせた星景の作例です。

24mmと比べると天の川が大きく写るので迫力のある星景写真に仕上がります。

Samyang AF 35mm F1.8 FEの星景

SONY ILCE-7RM4 (35mm, f/2, 8 sec, ISO1600)
Samyang AF 35mm F1.8 FEの星景写真の作例

総評

35mmという焦点距離は24mmと比べると星景レンズとしてはやや扱いにくい部類のレンズで、使用頻度もそれほど高くない事を考えると、4万円前後で買えるSamyang AF 35mm f1.8は、そこそこ性能が良く、非常にコスパの優れたレンズかと思います。

その他のメーカーの35mm f1.4のスペックのレンズという選択肢もありますが、サイズが大きくなり値段も高めになる傾向があるにも関わらず、サジタルコマフレアは意外と抑えらていないレンズが多いという印象です。SamyangにもAF 35mm f1.4と言うスペックの単焦点レンズがありますが、サイズが大きく、防塵防滴のシーリングがなかったので、価格的にお手頃なf1.8を選びました。(※AF 35mm f1.4の第2世代のIIからは防塵防滴が有ります)

星景写真が目的であれば、コマ収差を抑える為にf1.4のレンズであっても、f1.8やf2位まで絞って使うので、結局はf1.8でも十分なスペックで、コマ収差が比較的抑えられているSamyang AF 35mm f1.8は大満足なレンズです。

資金に余裕のある方は、ソニーのFE 35mm F1.4 GMも選択肢としてはありかと思いますが、星景写真向けとして考えるとコマ収差が気になる所です。