ニコンの一眼レフカメラにはピクチャーコントロールという設定があり、写真の色合いや階調をそれぞれのシーンに合わせて自動的に調整してくれるというものです。これを「フラット」に設定すると色階調がが最大限になり白とびや黒つぶれしにくくなるという記事を目にしたことがあり、RAWデータにも影響があるのか少し気になっていました。
ニコンD750の出荷時のピクチャーコントロール設定は「スタンダード」になっていて、その他にニュートラル、ビビッド、モノクローム、ポートレート、風景、フラットと全部で7種類ありますが、実際に撮影してRAWデータに影響しているのか調べてみました。
カメラの液晶画面上では影響している
静止画撮影メニューの「ピクチャーコントロール」を選択して、7種類の設定でRAWデータ撮影していきます。ピクチャーコントロール以外のカメラの設定は全て同じにしています。
カメラの液晶画面プレビュー
スタンダード、ニュートラル、ビビッド、モノクローム、ポートレート、風景、フラットの順で撮影して、カメラの液晶画面のプレビューを見ると、RAWで撮影しているのですが、ピクチャーコントロールの影響が出ているようです。ビビッドとモノクロームで明らかに違いが出ているのが確認できます。
カメラの液晶画面のヒストグラム
更に、カメラの液晶画面でヒストグラムを確認してみると、それぞれ違ったヒストグラムが表示されます。左上スタンダード、右上ニュートラル、左下ビビッド、右下ポートレート。
カメラの液晶画面では、RAWデータにも関わらずピクチャーコントロールの影響が出ているようです。
Windowsのパソコン上のサムネールにも影響
次に7種類のピクチャーコントロール設定で撮影したRAWデータをWindows10のパソコンに取り込んでみると、フォルダ内のサムネール画像にも反映されています。
更にWindows10に標準でインストールされているソフト「フォト」でRAWファイルを開くと、やっぱりピクチャーコントロールが反映された状態になります。
Lightroom上ではRAWデータに影響なし
最後にLightroomでピクチャーコントロール設定された7種類のファイルを読み込んでみました。しかし、プレビュー用サムネールやヒストグラム全てが同じでした。モノクローム設定で撮影した写真もカラーとして読み込まれます。
やはりイメージセンサーで記録されたままの現像処理が施されていない未加工のデータのRAWはピクチャーコントロール設定の影響はないようです。
結論
実はRAWファイルだけで撮影しても、プレビュー用の小さなJpeg画像が自動生成される為に、そのプレビュー用画像にピクチャーコントロールが反映されるのが原因のようです。
画像ファイルにはピクチャーコントロールの情報を保持している為、デバイスによってはプレビューに影響が出てしまう事が分かりました。カメラの液晶画面上でも影響がでるので、RAWデータで撮影している場合は、設定を「スタンダード」にしておくのが良いのではないでしょうか。