風景や星景写真を撮影する際に便利な機能が満載のオールインワンのカメラマン向け総合アプリ『PhotoPills』は、日時を指定すれば、太陽や月、天の川の位置を把握することができ、AR(拡張現実)機能を使えば実際にどのように写真が撮れるか簡単にシュミレーションすることが可能です。
今回は、日本ではあまり知られていない風景・星景撮影に絶対おすすめのアプリ『PhotoPills』をご紹介します。
PhotoPillsってどんなアプリ?
PhotoPillsは、風景写真や星景写真を撮影する為に必要な情報や機能が一つに集約されたカメラマン向けの総合アプリです。指定した日時での太陽、月、天の川の位置情報はもちろん、タイムラプスや星の軌道の自動計算、流星群情報、星景撮影時の露出時間計算、被写界深度やパンフォーカス位置など、撮影時に便利なツールが揃っています。
とにかくPhotoPillsさえあれば、他のカメラ用アプリは不要なほど機能が充実していて、特に風景や星景写真では重宝します。機能が多いので、初めは使いこなせるの?と不安になるかもしれませんが、最初から全部使う必要もなく、使いたい機能だけでも十分です。
PhotoPillsはUS$9.99(約1200円)の有料アプリですが、その分機能が充実していて、ユーザマニュアル(英語)や使い方の実例もウェブサイトにアップされていたり、アップデートも定期的に行われサポートもしっかりしているので安心して使うことができます。
PhotoPillsは日本語対応はしていないのですが、アプリで使われている英単語は見慣れた比較的簡単なカメラ用語がほとんどなので、問題ないかと思います。また、UI(ユーザーインターフェース)が分かりやすいので、何となく弄っていれば、直感的に理解できて使いこなせるようになります。
風景&星景撮影のプラン作りに便利
PhotoPillsの最大の特徴であるPlannerを使えば、太陽や月、天の川の位置がマップ上で把握でき、撮影プランをアプリに保存しておくことができます。じっくりと家で撮影プランを立てる時に便利です。
マップ上に撮影位置と被写体の位置の両方を設定すると、被写体までの距離や高度(高さ)等を簡単に計算でき、更に日時による太陽や月、天の川の角度(高さ)も把握できるので、緻密なプランを立てることができます。
月や太陽の場合は、マップを拡大すると被写体に対してどれ位の大きさで撮影できるかが一目でわかるようになっていて非常に便利です。
更に、カメラの機種、レンズの焦点距離、絞り値、横位置・縦位置なども一緒に設定すれば、ある程度の画角がわかるので、計画立ての段階でレンズ選びをすることができます。
星景撮影のプラン作りでは、天の川の角度や高度などの位置情報が数値だけでなく視覚的にも確認でき、月と同様にカメラやレンズ情報を設定すれば、ピントの合わせる距離や画角なども把握することができます。
AR(拡張現実)で太陽、月、天の川の位置が目視できる
PhotoPillsのもう一つの大きな特徴である拡張現実のAR機能が非常に便利です。AR機能は、実際の撮影現場で撮影したい方向にスマホをかざせば、指定した日時の太陽や月、天の川がどの位置に見えるかを実際の風景に重ねてシュミレーションすることができます。
AR機能を使えば、ロケハンで実際の撮影場所へ行って撮影スポットを探したり、Plannerで保存しておいた撮影プランを目視することができます。その為、今まで何となく決めていた撮影位置も、PhotoPillsを使って、細かな撮影位置や角度の調整ができ、より正確な撮影が実現できます。
PhotoPillsのおすすめ機能・ツール
PhotoPillsにある多くの機能やツールの中から、特に風景や星景撮影で便利で使いやすいと思ったものをご紹介します。
Exposure
Exposureは、絞り、シャッタースピード、ISOの3つの関係を自動で計算してくれるツールです。個人的にはNDフィルターを装着した時のシャッタースピードを算出する時に非常に役立つかと思います。
シャッタースピードの数値を知りたければ、シャッタースピード以外の『絞り値』、『ISO』、『減光フィルターの数値』を入力すれば、自動で算出されます。
もし、絞りをどれ位に設定すればいいのかを計算したい場合は、絞り以外の『シャッタースピード』、『ISO』、『減光フィルターの数値』を入力すると言った使い方になります。基本的にはシャッタースピードの算出以外ではあまり使わないかもしれません。
Spot Stars
Spot Starsは、星を点として撮影するための最大露出時間を自動的に計算してくれる星景撮影向けツールです。カメラの機種、レンズの焦点距離、絞り値などを選択すれば、NPFルールと500ルールの両方のシャッタースピードを表示してくれます。
PhotoPillsで表示されるNPFルールは、簡易バージョン(Default)と詳細バージョン(Accuracy)の選択が可能になっています。AR機能をONにしてスマホを撮影する方向にかざせば、方角やカメラの傾き(角度)などが反映され、NPFルールの詳細バージョンの露出時間を自動で算出してくれます。
Night AR
Night ARツールは、スマホを撮影方向に向けてかざすと、天の川や月の位置、月の軌道、星の動く方向や軌道が拡張現実でビジュアル化され、簡単に確認することができます。
Hyperfocal Table
風景写真の撮影で便利な過焦点距離を簡単に確認できる一覧表で、パンフォーカスするには、どの距離にピントを合わせればよいのかが簡単に分かります。
過焦点距離をタップで選択し、更に画面左下の【Visual】をタップすると画面が切り替わり、視覚的にピントを合わせる位置が確認できます。
【AR】をタップすると実際の過焦点距離の位置がスマホのカメラで確認できるので、ピント合わせに役立ちます。
Wedget
PhotoPillsはアプリだけでなく、その日の太陽、月、天の川の情報が表示可能なWedget(ウィジェット)も利用でき、非常に便利です。
PhotoPillsのウィジェットには、太陽の日の出・日の入りはもちろん、ゴールデンアワーやブルーアワーの時間帯、月の出・月の入り、月齢(月の照度)、天の川の中心部の見えている時間帯などが表示されるので、天気予報アプリなどを立ち上げる必要がありません。
まとめ
PhotoPillsは、日本ではまだあまり知られていないのですが、とにかく便利なのは確かで、特に風景や星景写真を撮影する人には絶対おすすめです。高機能なだけに使い込めば使い込むほど、その便利さに気付いて感動するかと思います。有料ですが、値段以上の価値は十分にあります。
PhotoPillsで使われている英単語はカメラ用語がほとんどなので、カメラの操作に慣れていれば問題なく扱えるので、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか?
PhotoPillsのダウンロード
料金:US$9.99(約1200円)