DxO社の写真レタッチ用高機能プラグインNik Collection 7が2024年5月6日に発売されました。Nik Collectionは、写真編集ソフトPhotoshopやLightroom Classicと連携させるレタッチ用プラグインで、様々なエフェクトを直感的な簡単操作で平凡な写真を劇的に変化させることができる神ソフトウェアです。
今回はアップデートされた写真レタッチプラグインDxO Nik Collection 7の新機能や主な特徴を作例と共にレビューします。
Nik Collectionとは?
Nik Collectionとは、DxO社から発売している写真レタッチ用の7種類のプラグインがセットになったソフトウェアでスタンドアローンで使用できますが、基本的にはPhotoshopやLightroom、DxO PhotoLabと連携させるプラグインとして使用します。
Nik Collectionは、Photoshopを駆使して行う複雑なエフェクトを、直感的なスライダーを調整するだけの簡単操作で、誰でもプロ並みの写真に仕上げる事ができる高機能な写真編集に特化したプラグイン集です。プリセットも多数用意されているので、ワンクリックで瞬時に写真の雰囲気を変化させることができます。
7種類のプラグインは以下になります。
- Nik Color Efex【写真レタッチ】
- Nik Silver Efex【モノクロ加工】
- Nik Analog Efex【アナログ風加工】
- Nik Viveza【色調補正】
- Nik Dfine【ノイズ軽減】
- Nik Sharpener【シャープネス】
- Nik HDR Efex【HDR加工】
個人的にはNik Color Efexの使用頻度が高く、写真レタッチには無くてはならない存在で長年愛用しています。
【DxO公式ウェブサイト】Nik Collection 7の詳細
Nik Collection 7の主な新機能
Nik Collection 7から追加された新機能をまとめてみました。
部分調整が大幅に進化
ポリゴンツール
今までの部分調整(コントロールポイント)は、円形もしくは線形ツールのみでしたが、Nik Collection 7から新たにポリゴンツールが追加され、任意の場所を部分的に選択できるようになりました。ポリゴンツールの使い方は非常に簡単で、選択したい場所を点と点で囲んでいくだけです。直線的なオブジェクトを選択するのに適しています。
一度ポリゴンツールで選択した範囲は、後から点の位置を変更したり、点の追加や削除も自由に行えます。
輝度マスク
輝度マスクは、シャドーからハイライトの明るさを基準にして選択できる機能で、形状で選択するよりも自然な仕上がりになります。
輝度マスクの使い方も直感的な操作で非常に簡単に行えます。写真内の適当な箇所をクリックしてから、明るさの違うところにドラッグすると、適用範囲がプレビューで確認できます。また、右側のパネル内で輝度の範囲を広げたり、階調を緩やかにしたり、微調整することも可能です。
円形コントロールポイントが楕円に変形可能
今までの円形コントロールポイントは正円しかできず少し不便でしたが、Nik Collection 7からは楕円に変形したり、回転させて角度を変更することが可能になり使い勝手が向上しました。
プラグイン間の切り替えが簡単
Nik Collection 7では、別のプラグインへの切り替えがプルダウンから選択するだけでできるようになりました。以前は、Nik Collectionのプラグインを使用していた場合は一旦適用してプラグインを閉じてから、別のプラグインを起動させる必要があったので、Nik Collection 7はかなり時短になり効率的な作業が可能になりました。
Nik Collection 7に含まれる各プラグインの特徴と作例
Nik Collection 7に含まれる7種類の写真レタッチプラグインのそれぞれの特徴を作例と共にご紹介します。
Nik Color Efex
Nik Collectionの中で一番使用頻度の高いプラグインがNik Color Efexです。Nik Color Efexは、写真に様々なエフェクトやフィルター効果を直感的に加えることができるプラグインで、PhotoshopやLightroomでは難しい調整も、Nik Color Efexならスライダーを動かすだけの簡単操作で編集できます。ある程度の色調補正をLightroomで行った後、仕上げにColor Efexを使うと言うようなワークフローになります。
50種類以上のエフェクト(フィルター効果)やそれらを組み合わせた30種類以上のプリセットが用意されていて、色々なエフェクトを組み合わせることで独創的な写真に仕上げる事ができます。エフェクトは写真全体もしくは部分的に適用する事が可能です。
慣れないうちはプリセットを適用してから、それを元に微調整したり、別のエフェクトを追加するのがおすすめです。慣れてきたら頻繁に使用するエフェクトを独自プリセットとして保存して使い回すこともできます。
Nik Color Efexを使った作例。ディテールを強調したり、コントラストを強めたり、ソフトな雰囲気にしたり、Photoshopでは複雑な工程が必要な作業も、簡単なスライダーを動かすだけで平凡な印象の写真が激変します。
Nik Silver Efex
Nik Silver Efexは、モノクロ写真に加工するプラグインです。単に白黒にするだけでなく、様々なパラメーターの微調整が出来るのが特徴で、プリセットも多数用意されているので瞬時に好みのモノクロ写真に仕上げる事ができます。
Nik Analog Efex
Nik Analog Efexは、フィルムカメラやトイカメラで撮影したかのようなアナログ風写真に加工するプラグインです。色褪せた雰囲気にしたり、ザラザラした質感にしたり、擦り傷などを加えたりと色々な効果を簡単に追加することができます。
クオリティの高い様々な種類のプリセットが用意されているので、その中から選択するだけでもアナログ風写真に仕上がります。Photoshopを使ってアナログ風写真に加工するにはある程度の知識がないと難しいのですが、Nik Analog Efexなら誰でも簡単に扱えます。
写真の質感だけでなく、様々なフレームも用意されているのでビンテージ感たっぷりの紙焼き写真風に仕上げる事も簡単に行えます。
Nik Viveza
Nik Vivezaは色調を細かく調整するプラグインです。輝度、コントラスト、シャドー、彩度などの調整ができますが、基本的にはLightroomやCameraRAWに全て備わっているので、Nik Vivezaを使う必要性をあまり感じません。
Nik Dfine
Nik Dfineは写真のザラザラした高感度ノイズを軽減させるプラグインです。Nik Dfineは近年のAIを使ったノイズ除去ではないので、全体的にのっぺりとした仕上がりになってしまうので軽いノイズ除去に向いています。
本格的なAIによるノイズ除去を行う場合は、別ソフトのDxO PureRAWがおすすめです。
Nik Sharpener
Nik Sharpenerは、写真のシャープネスを細かく調整するプラグインです。PresharpenerはRAWファイル向け、Sharpener Outputはインクジェット用やモニター用など写真の用途に合わせて、最適なシャープネスに調整することができます。最後の仕上げにNik Sharpenerを使うと写真が引き締まり効果的です。
Nik HDR Efex
Nik HDR Efexは、露出ブラケット撮影した複数枚の写真をHDR合成したり、1枚撮りの写真をHDR風に加工する為のプラグインです。HDR合成はLightroomやPhotoshopでも可能なので、あえてNik HDR Efexを使用する理由はあまりないかと思いまが、一枚撮りの写真をHDR風に加工する場合は、多数のプリセットが用意されているNik HDR Efexは便利かと思います。
Nik Collection 7の価格
Nik Collection 7は買い切り型のみで、新規購入の価格は20,900円、前バージョンからのアップグレード版は、11,900円になります。一度購入すれば、追加料金なしで使い続ける事ができます。
新規ユーザー | 20,900円 |
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アップグレード | 11,900円 |
【DxO公式ウェブサイト】 Nik Collection 7の購入ページ
Nik Collection 7の無料お試しダウンロード
Nik Collectionを是非試してみたいと言う方は、機能制限なしの30日間無料版を是非ダウンロードしてみて下さい。Emailを登録するだけの簡単手続きでOKです。
【DxO公式ウェブサイト】 Nik Collection 7の無料お試しダウンロード
まとめ
Photoshopを駆使すれば様々なエフェクトを写真に施すことができますが、ある程度の知識がないと難しくハードルが高いのが難点です。しかし、Nik Collectionを使えば難しい写真レタッチ作業も、パラメーターのスライダーを動かすだけの直感的な簡単操作で出来てしまうので、プロの写真家だけでなくアマチュアカメラマンにとっても非常に便利なツールで、写真レタッチの幅を広げるのに役立ちます。
Nik Collectionにはプリセットが多数用意されているので、自分のテイストとは違った雰囲気の写真にするのも簡単です。写真のレタッチがワンパターンでいつも同じような仕上がりに悩んでいる方は、是非Nik Collectionを導入してみてはいかがでしょうか?