一眼カメラのレンズフィルターはネジ込み式が一般的ですが、近年は瞬時に脱着ができる画期的なマグネット式が各メーカーから発売されています。
今回は、K&F Concept様からご提供頂いたマグネット式の『磁気レンズフィルター』のND8、ND64、CPLの特徴や使い勝手をレビューしたいと思います。
K&F Conceptのマグネット式フィルターの特徴
今回ご提供頂いたのは、専用のアダプターリングとレンズキャップ、フィルターが3つセットになっているマグネット式のフィルターキットです。
フィルターの脱着が簡単
マグネット式フィルターの最大の特徴は、何といっても脱着が簡単という点です。マグネット式なら一瞬で脱着可能で、ズームやピントリングを触ってしまい構図がズレたり、取付に時間がかかりシャッターチャンスを逃したりといった悩みが解消できます。
薄型なのでケラレが発生しにくい
専用アダプターリングにフィルターを装着すると、一般的な薄型フィルターと同じ位の厚さになるので、重ねて使わないのであれば、ケラレの発生はほとんど心配ないかと思います。
2枚重ねも可能
NDフィルター同士をを2枚重ねしたり、ND+CPLの組み合わせで2枚重ねにする事も可能で、ネジ式の一般的なフィルターのような手間は不要で、脱着が瞬時に行えマグネット式の真価が発揮できます。
ただし、広角レンズの場合、ケラレが発生する可能性があるので注意が必要です。
撥水・防汚コーティング
ナノコーティングされたフィルターの表面は、撥水・撥油性があり、指紋などが付着しにくく、例え汚れても簡単に拭き取れるようになっています。実際に意図的に指紋を付けようとしたのですが、あまり指紋が付きませんでした。
野外での使用頻度が高いNDやCPLフィルターは、どうしても汚れが付きやすいので、撥水・防汚コーティングされているのは非常にありがたいです。撮影中や撮影後のメンテナンスが簡単です。
マグネット式フィルターの使い方
専用アダプターリングをレンズに装着
マグネット式フィルターを装着するには、ネジ式になっている専用アダプターリングをレンズに装着する必要があります。もし他社のレンズプロテクター等を装着している場合は、ケラレが発生する可能性があるので、K&F Conceptの専用アダプターリングに付け替えます。
フィルターを磁力で脱着
使用したいマグネット式フィルターをアダプターリングに近づけるだけで、簡単に装着できます。逆に取り外したい時は、引っ張れば簡単に外すことができます。
マグネット式フィルターはある程度の磁力があるので、通常の撮影で外れてしまうような事はなさそうです。
マグネット式の専用レンズキャップは普通にカメラをストラップで首や肩に掛けて、歩く程度なら外れることはないと思いますが、若干径の大きさに遊びがあるので激しい揺れや強い衝撃、接触があると外れてしまいそうなので、少し注意が必要かもしれません。
CPLフィルター
K&F Conceptの磁気式CPLは1枚の薄型設計で非常に軽量で、使い方は通常のCPLと同様に回転させるだけでOKです。
一般的なCPLはガラスが2枚の構造になっていて、そのうちの一枚を回転させているのですが、ネジ式の場合は使用中にネジが緩んできてしまう時がありますが、マグネット式ならその心配はありません。
作例
CPLフィルター
K&F Conceptのマグネット式のCPLあり・なしで撮影した写真の色調整など一切なしの比較サンプルです。CPLの効果は一目瞭然で、太陽光の反射で白くなった部分が軽減され、空や紅葉の木々の色が鮮やかになっています。特に色味が変わってしまうなどの問題も無さそうで、CPLとしての効果は十分かと思います。
NDフィルター
日中に川の流れを表現する為に、K&F Conceptのマグネット式のND64のみとND64+CPLを使用した撮影サンプルです。
曇天だったこともあり、ND64でちょうど良い位でした。また、CPLとの組み合わせにすることで、全体的に白っぽい反射した光が軽減され、雲や草木、石などの色がハッキリとなり、水面の反射も消え、水の綺麗さも写すことができました。違いは一目瞭然です。
改善してほしい点
実際にK&F Conceptのマグネット式のフィルターを使ってみて何点か改善してほしい点がありました。
NDフィルターを充実させてほしい
現在のNDフィルターのラインナップが、ND8、ND64、ND1000の3種類ですが、種類がもう少しあると使い勝手が良くなりそうです。個人的には、ND16とND200位もあると、色々な撮影で使えそうかと思います。
フィルター部分が単体で欲しい
現段階ではアダプターリングとレンズキャップとセットになって販売されていますが、アダプターリングとレンズキャップは基本的に1つあれば十分なので、フィルター部分が単体で販売されているとも少し購入しやすいかと思います。
一般的なレンズキャップが使えない
K&F Conceptのマグネット式フィルターは少し径が大きく、薄型の為、一般的なレンズキャップだと非常に外れやすく、使うことができません。
基本的に一般的なレンズキャップはスプリング式で脱着が簡単なので、マグネット式の専用である必要はないのかなぁという感じがします。構造上難しいのかもしれませんが…。
まとめ
脱着の頻度が多くなりがちなNDフィルターやCPLフィルターは、簡単に交換できるマグネット式フィルターの方が間違いなく便利だと感じました。瞬時にフィルターの脱着ができれば、シャッターチャンスを逃さすことはなさそうです。
ただし、専用アダプターリングがネジ式で通常のフィルターと同様に装着する手間が発生してしまうので、使用頻度の少ないフィルターの場合は、それ程メリットを感じないかもしれません。自分の撮影スタイルに合わせて購入をご検討されてはいかがでしょうか?