超コンパクトな親指サイズのアクションカメラInsta360 GO 3の進化版のGO 3Sが2024年6月13日に発売されました。Insta360 GO 3Sは4K動画対応だけでなく、その他多くの機能も追加されGO 3の使い勝手の悪かった箇所が改善されています。
今回は、アクションカメラのInsta360 GO 3Sの進化した機能を中心に詳しくレビューしたいと思います。
GO 3SとGO 3の主要スペックの違い
Insta360 GO 3SとGO 3の外観や寸法は一緒ですが、新たなレンズやプロセッサーなど内部的な違いがあり、よりハイスペックなアクションカメラに進化しています。GO 3Sは4K動画に対応した事で消費電力が増え、連続撮影時間が少し短くなってしまっているのは残念な点です。
Insta360 GO 3SとGO 3の値段の違いはわずか1000円程度ですが、性能面ではかなり進化しているので圧倒的にGO 3Sの方がおすすめです。
【Insta360公式ウェブサイト】 ⇒ Insta360 Go 3Sの詳細ページ
GO 3S | GO 3 | |
---|---|---|
絞り | f2.8 | f2.2 |
35mm判換算焦点距離 | 16mm | 11.24mm |
最大動画解像度 | 4K30fps(3840×2160) | 2.7K30fps(2720×1536) |
最大写真解像度 | 4000×2250 (16:9) | 2560×1440 (16:9) |
スローモーション | 1080p@200fps | 1080p@120fps |
最大動画ビットレート | 120Mbps | 80Mbps |
メガ広角 FOV | ● | |
Apple Find My 対応 | ● | |
インターバル動画 | ● | |
簡単切り替え | ● | |
ジェスチャー操作 | ● | |
日本語音声操作 | ● | |
クラリティズーム | ● | |
FlowState 手ブレ補正 | ● | ● |
防水(本体) | 10m | 5m |
連続録画時間 | 本体:38分 本体+アクションポッド:140分 |
本体:45分 本体+アクションポッド:170分 |
重さ(本体) | 39.1g | 35.5g |
価格 | 64GB: 61,800円 128GB: 65,800円 |
64GB: 60,500円 128GB: 64,800円 |
Insta360 GO 3のスペックは以下の記事からご確認頂けます。
Insta360 GO 3Sで進化した特徴
4K30fps動画に対応
Insta360 GO 3Sは4K動画対応になり、通常動画だけでなく、編集時にアスペクト比が変更可能なFreeFrame動画、タイムラプスやタイムシフトでも4K30fpsで撮影することができるようになりました。
今までのGO 3は最大2.7Kと解像度に物足りなさがあり、他のカメラで撮影した4K動画の素材として使う事が難しかったのですが、4K動画対応になったGO 3Sであれば、積極的に取り入れる事ができるので映像の幅が広がりそうです。
親指サイズの超小型カメラでありながらも十分に光のある明るい場所では、かなり綺麗な画質の4K動画の撮影が可能なのは驚きです!
4K動画撮影はカメラに負荷がかかり熱が発生しやすく、夏の様な高温の環境だと熱停止する可能性が高くなります。4K動画撮影時は、できるだけ熱がこもらないような工夫、風通しの良い場所での撮影、長時間の連続撮影は避けるようにした方が良さそうです。
またイメージセンサーのサイズが小さい為、暗所ではノイズが目立ちやすくなるといった弱点もあるので、できるだけ明るい場所で使用するのが良いかと思います。
メガ広角FOV
Insta360 GO 3Sは新しいレンズに変更され、広い画角でありながら歪みが少なく、より直線的でリアルな見た目を実現するメガ広角FOVが追加されました。従来通り、アクション広角やウルトラ広角なども選択することが可能なので、シーンによって使い分けるのが良さそうです。
メガ広角とアクション広角を比べてみると歪みの違いが一目瞭然で、メガ広角の方が直線的でありながら画角が広いのが確認できます。
また、デワープ広角と比較してみると、デワープ広角も直線的ですが、中心から離れた両端になるにつれて像が不自然に横に伸びてしまうのに対して、メガ広角は自然な仕上がりになっています。
1080pで最大200fpsのスローモーション
Insta360 GO 3Sは1080pで最大200fps、2.7Kで最大100fpsと非常に滑らかなスローモーション映像が可能になりました。今までのGO 3のスローモーションは1080pで最大120fpsまでで、しかも、なぜかカメラが横位置だと縦長のアスペクト比で撮れてしまう謎の仕様だったので、GO 3Sの進化で非常に使い易くなりました。
クラリティズーム
Insta360 GO 3Sのクラリティーズームは、画質を損なうことなく最大2倍に拡大できる機能です。Insta360 Ace Proにも備わっている機能で、一般的なデジタルズームとは全くの別物で画質が良いのが大きな特徴です。
クラリティーズームしたい場合は、画面右下の【1x】をタップすると【2x】に切り替わり、元に戻したい場合は再度タップすればOKです。また、【1x】を長押しするとダイヤル式のUIが表示されズーム倍率を微調整する事ができます。
以下がクラリティーズームのサンプル動画です。一般的なカメラの光学ズームの様に滑らかに操作するのは難しいですが、動画撮影中もズームすることができます。
縦横アスペクト比の簡単切替
今まではカメラの設定でアスペクト比を変更していたのですが、Insta360 GO 3Sはカメラの向きを縦横に位置を変えるだけで、アスペクト比を瞬時に切り替えることが可能になりました。通常の横長動画を撮影したい場合はカメラを横に、縦長動画を撮影したい場合はカメラを縦にすればOKです。
ただし、カメラの設定では縦横のアスペクト比が変更できないので、縦横の位置の切り替えが出来ないマウントの場合は、逆に不便かもしれません。個人的には、今まで通りカメラの設定でも変更できた方が使い勝手が良いかと思います。
FreeFrame動画モードで撮影すれば編集時にアスペクト比の変更ができるので、それほど不便ではないのかもしれません。変更可能なアスペクト比は、1:1、9:16、16:9、3:4、4:3の5種類で、スマホ向けの縦長動画にも対応しているのが特徴です。
日本語音声制御やジェスチャー操作が可能
Insta360 Ace ProやX4ではお馴染みの音声制御での日本語対応やジェスチャー操作などがInsta360 GO 3Sでも可能になりました。
音声制御は、日本語で「写真撮影」「録画開始」「録画停止」「マークする」「電源オフ」の操作が可能です。ジェスチャー操作は「手のひら」をかざすと録画開始/停止、「ピースサイン」をすると写真撮影できます。わざわざボタンを押す手間が省けるので非常に便利です!
録画キャンセル機能
録画キャンセル機能は、動画撮影中に録画ボタンを長押しすると瞬時にその動画を削除できる使用頻度の高い便利な機能です。内部ストレージのみでmicroSDカードが使えないInsta360 GO 3Sには録画キャンセル機能は重宝する機能かと思います。上手く使えば失敗動画を無駄に貯める事がなくなるので内部ストレージの容量を節約できます。
Apple Find Myをサポート
GO 3Sは親指サイズで非常に小さいカメラなので紛失してしまうリスクがありますが、iPhoneユーザーならApple Find Myアプリに対応しているので万が一なくした場合でも場所を特定することが可能です。残念ながらAndroidには非対応の機能です。
インターバル動画
Insta360 GO 3Sのインターバル動画は、撮影頻度と各クリップの長さを設定しておくと自動的に電源が入り、一連のクリップを撮影する機能です。アイデア次第では面白い動画が撮影できるかもしれません。
便利なアクセサリー
クイックリーダー
GO 3やGO 3Sの弱点となる容量不足を解決する為のアクセサリー「クイックリーダー」が新たに追加されました。クイックリーダーにmicroSDを装着して、GO 3やGO 3Sに接続するとカメラ内のファイルをクイックリーダーのmicroSDに転送することができます。また、ファイルが保存されたクイックリーダーをPCやスマホに接続すれば、直接編集する事もできます。
Insta360 GO 3Sで撮影したサンプル動画
Insta360 GO 3Sで撮影した動画をInsta360のスマホアプリの自動編集機能を使って作成したサンプル動画です。編集が苦手な人でもそれっぽい動画が簡単に作れます。
総評
Insta360 GO 3発売からわずか7カ月程で、更に進化したInsta360 GO 3Sをリリースするという開発スピードの速さに驚かされました。見た目の変化は殆どありませんが、性能は大きく進化していて、確実に使い勝手が向上している印象です。Insta360 GO 3Sの強みである、どこにでもマウントできる親指サイズでありながら、4K動画対応になった点は非常の大きなメリットで、様々な撮影が可能なサブカメラとして使えそうです。
Insta360 GO 3の購入を検討しているならば、迷わずGO 3Sがおすすめです。GO 3Sの容量は64GBと128GBの2種類ですが、4K動画対応になったことでファイルサイズが大きくなるので、値段は少し高くなっても128GBの方を購入した方が後悔しないと思います。また、ボディカラーは白もと黒の2種類から選ぶことができますが、4K撮影で高温になりやすい事を考慮すると夏場の炎天下で使用する機会が多いのであれば、白を選んだ方が良いかもしれません。