H&YフィルターのREVORING SWIFTシステムは、カメラフィルターの脱着が劇的に簡単になるマグネット機構が画期的で秀逸です。豊富な種類のフィルターを柔軟に組み合わせる事で様々な撮影スタイルに対応できるので、多くの写真家から支持を得ています。
今回はH&Y Filters Japan様よりお借りしたREVORING SWIFTシステムの特徴や使い勝手などをレビューします。
H&YフィルターのREVORING SWIFTシステムとは?
H&YフィルターのREVORING SWIFTシステムは、様々なフィルターの組み合わせを柔軟にカスタマイズできるようになるマグネット式のフィルターシステムで、『ベース』+『ブリッジ』+『アクセサリー』の3つで構成されています。円形フィルターや角型フィルターなどを組み合わせて自由にフィルターを拡張することが可能になり、様々な撮影で使用する事ができます。
ベース
ベースは、REVORING SWIFTシステムをレンズに取り付ける為の基礎となるアダプターです。それぞれのレンズ径専用のネジ式アダプターはもちろんですが、複数のレンズ径に適応するREVORING SWIFTマグネティック可変式アダプターが画期的で非常に便利です。

ベース
可変式アダプターは回転させると径のサイズが変化するので、径ごとのアダプターリングが不要になります。

通常時

回転させると径のサイズが可変する
私が主に使っているレンズは、レンズ径が77mm、67mm、58mmなので、REVORING SWIFT マグネティック可変式アダプターの58-77mmがピッタリです。他にも46-62mm、67-82mm、82-95mmと絶妙なサイズをカバーしているので困ることはないと思います。
ブリッジ
ブリッジは、フィルターを装着する為のパーツで、ベースとアクセサリーの間に取り付けます。ブリッジはマグネット式なので瞬時に取り付ける事ができます。ブリッジには凹凸があり、強力な磁力でベースやアクセサリーとジャストフィットするようになっているので、装着ミスや不意に外れるような心配はありません。

ブリッジ
ドロップイン式円形フィルターもブリッジとして分類されていて、CPL、ND、ソフトフィルターなどが含まれます。ただし、ドロップイン式円形フィルター単体では取り付ける事ができないので、『Swiftマグネティックドロップインフィルターラック』というブリッジが別途必要になります。この辺りが少し分かりにくいので、製品を選ぶ際は迷うかもしれません。
アクセサリー
アクセサリーは、角型フィルターやレンズフード、レンズキャップなどです。角型フィルター単体では取り付けできないので、『Swift マグネティック フィルターホルダー』が別途必要になります。
角型フィルターもマグネット式のフレームが付いているので脱着が非常に簡単なのが特徴です。磁力は強力なので通常の撮影では外れる事はほぼ無いと思いますが、ネジでも固定できるようになっているので落下の心配もなく安心して使用できます。

アクセサリー:マグネット式のフィルターホルダーと角型フィルター
H&YフィルターのREVORING SWIFTの特徴
脱着がマグネット式で簡単
H&YのREVORING SWIFTシステムは、ベースさえレンズに取り付けてしまえば、あとは基本的にブリッジもアクセサリーもマグネット式なのでフィルターの脱着や交換が瞬時に行え効率的な撮影が可能になります。マグネット式の円形フィルターは他社でもありますが、システム全体がマグネット式というのはH&YのREVORING SWIFTシステムだけではないでしょうか。
一般的な角型フィルターは準備やフィルター交換するのに時間がかかりがちですが、REVORING SWIFTシステムのマグネット式の角型フィルターだと脱着が爆速になります。マグネット式だと不意に外れそうですが、実際使用してみると磁力が強力なので通常の撮影では外れる可能性はかなり低いと思います。

システム全体がマグネット式で脱着が簡単
拡張性が高い
一般的には円形フィルターを重ね付けするには限界がありケラレが発生しやすくなるのですが、REVORING SWIFTシステムなら円形フィルター+角型フィルターの色々な組み合わせが可能で、超広角レンズを除けば、ケラレの心配は殆どなく快適に使えます。
円形フィルターには、CPL、ND、可変ND、NDとCPLの2つが統合したもの、ソフトフィルター、光害カット、クロスフィルターなどあり、角型フィルターにはGND、リバースGND、センターGND、ND、光害カットなど、それぞれ豊富なラインナップがあるので柔軟な組み合わせで様々な撮影に対応しています。
組み合わせとしては、以下が可能になります。
- 円形フィルター×2、角型フィルター×2
- 円形フィルター×2、角型フィルター×1
- 円形フィルター×1、角型フィルター×2
- 円形フィルター×1、角型フィルター×1
- 円形フィルター×2
- 円形フィルター×1
- 角型フィルター×2
- 角型フィルター×1
風景写真であれば、円形フィルター×1と角型フィルター×1 or 2の組み合わせで、ほとんどの撮影に対応できます。
自分の撮影スタイルに合わせたベース+ブリッジ+アクセサリーの組み合わせは、どれを選んでいいのか難しいので、まずはH&Yの公式ページの「おすすめの組み合わせ」を参考にするのが良いかと思います。

H&YフィルターのREVORING SWIFTシステムの注意点
組み合わせによっては超広角でケラレが発生
どのメーカーの角型フィルターも同様に、超広角レンズだとケラレが発生する場合があり、REVORING SWIFTシステムも組み合わせによっては、ケラレが発生しやすくなるので注意が必要です。
特にREVORING SWIFTマグネティック可変式アダプターは、やや厚みがあり超広角レンズと組み合わせるとケラレが発生しやすくなるので、ケラレる場合は広角レンズ向けの薄枠アダプター『SWIFTマグネティックアダプター』が別途必要になります。
ちなみにTAMRON 17-28mm F/2.8 Di III RXDの17mmで試してみたところ、可変アダプターとドロップイン円形フィルターと角型フィルター2枚付で四隅にケラレが発生しました。また角型フィルターの角度が少し斜めになると角型フィルターのフレームも若干写り込んでしまう事もありました。ただし、薄型アダプターを使用すればケラレは回避できました。
- 【レンズ】
TAMRON 17-28mm F/2.8 Di III RXD - 【ベース】
REVORING SWIFT マグネティック可変式アダプター - 【ブリッジ】
SWIFTマグネティックドロップインフィルターラック - 【アクセサリー】
SWIFT マグネティック 100mmフィルターホルダー
角型フィルター1枚
REVORING SWIFTのマグネティック可変式アダプターが固い
マグネティック可変式アダプターは強力なバネのおかげでレンズにしっかりと固定できるのですが、結構指に力を入れないと回りません。慣れたら全く問題ないのですが、最初は不良品かな?と思ってしまう程固くて戸惑うかもしれません。

マグネティック可変式アダプターが固い
総評
H&YのREVORING SWIFTシステムは、様々なフィルターの組み合わせを可能にしてくれる画期的なシステムで、脱着が非常に簡単なマグネット機構は他社を圧倒する便利さです。一つのフィルターシステムで幅広い機材に対応できると言う点は非常に良いのですが、その分システムが若干複雑になるので、初心者向けと言うよりは、ハイエンドユーザーやプロ向けと言った印象です。
複数枚のフィルターを重ね付けしたり、複数台で撮影したり、頻繁にレンズを変えて撮影したり、写真だけでなく動画を撮影するような人には、H&YのREVORING SWIFTシステムは非常におすすめです。特にREVORING SWIFTマグネティック可変式アダプターと組み合わせれば、ステップアップリングが不要になり、フィルターの付け替えが劇的に簡単になるので導入する価値はあるかと思います。
一度、H&Yのマグネット式の快適さを知ってしまうと、他社のフィルターには戻れなくなるかもしれません。興味のある方はH&Y REVORING SWIFT専用サイトをチェックしてみて下さい。

少ない機材で撮影する人には少しオーバースペックな感じがするので、荷物にならないシンプルなフィルターの組み合わせでも十分かと思います。初心者からミドルユーザー向けの導入しやすい円形フィルターや角型フィルターなどの製品も数多く取り揃えているので、H&Yの公式ウェブサイトをチェックしてみてはいかがでしょうか?
【H&Y Amazon店】
