一眼カメラのレンズのゴム部分が白くなる原因が経年劣化だと思って諦めてませんか?ほとんどの場合、ゴムが劣化しているわけではなく、汚れが付着しているだけなので、綺麗に除去すれば黒く復活させることができます。
今回は、レンズの白くなったゴム部分を黒く復活させるメンテナンス方法をご紹介します。
レンズのゴム部分が白くなる原因
どうしてレンズのゴム部分が白くなるのか色々調べてみたのですが、確証できる原因はわかりませんでした。ただ、一つの原因として考えられるのがゴムの白化と言われるブルーミング(ブルーム現象)です。ゴムを生成してから時間が経つとゴムの表面にうっすらと白っぽい粉が吹いたようになる現象で、レンズのゴム部分のギザギザの隙間にブルーミングが発生して白い粉が溜まっている状態のように見えます。
幸いにもブルーミングはゴムの性能上に問題は無く劣化しているわけではないので、対処法としては拭き取ると言った比較的簡単なメンテナンスで問題ありません。
ちなみに、ゴムの表面がベタベタになるのは、加水分解という現象でゴムが劣化している状態です。加水分解は水と反応して起こる現象なので、濡れたままであったり、湿気の多い場所で保管するのは避けた方が良さそうです。
レンズの白くなったゴムを黒くする方法と手順
準備する物
レンズの白くなったゴムを黒くする為に必要なものは以下になります。
- お掃除シート or ウェットティッシュ
- 爪楊枝(なくてもOK)
- 車内用艶出し保護剤(できればあった方が良い)
- 綿棒
- クリーニングクロス or 乾いた布
ゴム部分の汚れを落とす
レンズのピントリングやズームリングの白くなったゴム部分をよく見ると、ギザギザの凹凸になっている凸は黒いままですが、凹は白くなっているので、溝の奥を綺麗にすることが重要なポイントとなります。
レンズのゴム部分の白っぽい汚れを落とすのに使用するのがお掃除シートやウェットティッシュです。製品によって成分は多少異なりますが、皮脂汚れを落とせるものであれば何でもOKかと思います。ただし、漂白剤の次亜塩素酸が含まれる製品はゴムを劣化させる可能性があるので、成分を必ず確認しましょう。
今回使用したのは、ダイソーの『アルカリ電解水+重曹配合おそうじシート25枚 落ち落ちV』という多用途のお掃除シートです。成分は、水、エタノール、アルカリ電解水、pH安定剤、除菌剤、重曹で、ゴムには悪影響がなさそうなので選んでみました。
シートタイプなので別途で布を用意する必要はありません。ゴムのギザギザ部分は少し面倒ですが、溝の凹みを爪もしくは爪楊枝を使って一本一本丁寧に汚れを落とします。溝の凹みの汚れをいかに綺麗に落とせるかで仕上がりに差が出るので根気よくやりましょう。
以下が実際のレンズの白い汚れの除去前と除去後の比較です。半分だけお掃除シートで綺麗にふき取って、2、3日後の状態です。数日経って乾いても白く戻ることはなく、黒く綺麗な状態を保っています。お掃除シートでレンズのゴム部分の汚れを丁寧に落とすことで、ある程度黒く復活させる効果を確認する事ができました。
ギザギザ部分が面倒な場合は、食器用洗剤と歯ブラシを使って洗うと効率的に汚れを落とすことができます。ただし、レンズ内に水が浸入する危険性があるので、ゴム部分をレンズから外してから行うようにしてください。
ピントリングやズームリングのゴムの外し方は、レンズ本体とゴムの境目に爪楊枝の尖った部分を差し込むと隙間ができるので、ゴムを摘まんで引っ張りながら、徐々に爪楊枝をスライドさせていくと外れます。
以下がゴム部分をレンズから外した状態です。ゴムの裏側はブルーミングと言われる白っぽい粉が沢山付着していました。
車用艶出し剤で黒くして保護する
レンズのゴム部分の汚れを除去した後は、車の内装用艶出し保護剤で仕上げるのがおすすめです。黒々とした艶を出すだけでなく、ゴムの劣化を防ぐ保護剤も含まれているので一石二鳥です。ただし、油分や有機溶剤を含んでいる艶出し剤はゴムを劣化させる可能性があるので避けた方が良いです。
スプレータイプの艶出し剤の場合は、布や綿棒に液体を付けてからレンズのゴム部分のギザギザの隙間まで丁寧に塗り広げて、仕上げにクリーニングクロスや乾いた布で拭き取ればOKです。製品によっては20~30分ほど放置する必要があったりするので、それぞれの適切な使用方法を確認して下さい。
車の内装用艶出し保護剤の多くは、艶出しの他にも汚れを落とす効果もあるので、お掃除シートで汚れを落とさなくても、艶出し保護剤だけでも作業が完結できるかもしれません。
私が車用に所有していたプロスタッフのCCグロスゴールドという艶出し剤をレンズのゴム部分に使ってみましたが、ノンシリコンタイプの艶出し剤なので艶感は控えめで、違いが出るほどの黒い艶は出ませんでした。ただ、コーティング効果もあり、シリコン配合特有のベタ付きやツルツル感は一切ないのも良いです。
シリコン配合の艶出し保護剤なら艶が期待できそうです。ただし、シリコン配合特有のツルツルとした手触りになる可能性があります。
まとめ
白くなったゴムは劣化して元に戻らないと諦めがちですが、汚れを落とすだけでもかなり黒く復活させることができます。カメラのレンズだけでなく、カメラ本体や三脚のゴム部分も同様の方法で綺麗な状態を保つことができるので、是非メンテナンスしてみてはいかがでしょうか?