一眼カメラで夜景やイルミネーションを背景に撮影した写真はキラキラとしたボケが特徴的ですが、そのボケを個性的なハートや星型など自分のオリジナルの形にすることができます。クリスマスやハロウィーン、バレンタインなど季節やイベントに合わせた、オリジナルのボケの形にすることで雰囲気を一層引き立たせお洒落な写真に仕上げてくれます。
今回は、オリジナルのボケの形にする自作フィルターの作り方をご紹介します。少し厚めの紙があれば誰でも簡単に作れるので、是非DIYに挑戦してみてはいかがでしょうか?
自作ボケフィルターに必要なもの
良くボケる標準や望遠レンズ
もちろんの事ですが、オリジナルのボケを撮影するには良くボケるレンズが必要になります。広角や標準ズームレンズの場合は、自作ボケフィルターを使うとケラレが発生しやすくなるので、単焦点でF値の少なく明るいレンズ、出来ればf2前後かそれ以下で、焦点距離は標準から望遠がおすすめです。
各メーカーの撒き餌レンズでも十分に背景をボカすことができます。
少し厚めの紙
光を通さない少し厚めの紙(名刺程度の厚さ)で、艶消しの黒色が写りに影響が少なくおすすめですが、正直どんな色でも極端な影響は出ないので、手持ちの紙で十分かと思います。
紙が薄いと加工はしやすいのですが光を通してしまい、逆に紙が厚いと光は通しにくいのですが細かい形に加工するのが難しくなってしまうので、程よい厚さの紙を選ぶのがコツです。
自作ボケフィルターの作り方
自作ボケフィルターの構造はいたって単純で、レンズの前にオリジナルの型を当てるだけです。
ボケフィルターの作り方は色々ありますが、一番手軽で簡単な作り方は、レンズプロテクターに好きな形にくり抜いた紙を張り付けるやり方です。そんなにキッチリと作る必要はなく、結構大雑把でもそれほど問題ないので気軽に作れます。
レンズのフィルター径のサイズの円を作る
レンズプロテクターに丁度はまるように厚紙を円形にカットするので、まずはレンズプロテクターを紙の上に置き、鉛筆などで線を引き型取りします。この方法だとフィルター径よりも大きくなるので、切る時に線の少し内側を切る必要があります。
最初から綺麗なサイズにしたい場合は、コンパスやコンパスカッターを使うと良いかもしれません。
中心部に模様を描き、切り抜く
一番手間のかかるのがボケの型作りで、きれいな形のボケになるかどうかは、模様のサイズが重要になってきます。
ボケとなる模様の目安のサイズは2~2.5センチ程度の大きさです。今回使用したレンズはNikonの撒き餌レンズ50mm f1.8(フィルター径58mm)、タムロン90mm f2.8(フィルター径55mm)で、ほぼ綺麗なボケが出来ました。ただし、レンズによって大きさを微調整する必要があります。
- 形が小さすぎるとケラレが発生
四隅付近が暗くなります。模様によってはケラレが目立つ場合もあります。 - 形が大きすぎると模様の形が不完全
模様の四隅が切れた状態で、不完全な形のボケになってしまいます。
模様部分を作るには、一度普通の紙にプリントアウトしたものを切り取って、型紙にするのが一番失敗が少ないかと思います。
直線はカッターを使うと簡単ですが、曲線や細かい部分などは、眉毛用の小さいハサミが切りやすいかもしれません。もし、サイズが合えば、子供が使う星やハートの型付きの定規や、穴を開けるクラフトパンチなどを使うと比較的簡単かもしれません。
フリーハンドで模様を描ける人は、手描きでも良いと思います。写真によっては、きっちりした感じではなく、手作り感のある柔らかい雰囲気にしたい場合は、手書き模様のボケの方が効果的です。
今回、55mm&58mmのボケフィルター用に自分で作成した印刷テンプレートを無料配布しますので、自由にダウンロードしてご活用ください。※レンズによってはケラレなどで上手く写らない場合もありますので、あらかじめご了承ください。
【模様:①星、②ハート、③音符、④ハロウィーンお化け、⑤かぼちゃ、⑥クリスマスツリー、⑦桜、⑧もみじ】
自作ボケフィルターを使った撮影方法とコツ
- 絞りは出来るだけ開放
- キラキラの背景を選ぶ
- ボケの大きさを調整する
- マニュアルフォーカス
- 三脚使用 or ISOを高めにする
絞り開放でボケやすくする
背景をボケやすくする為に、カメラの設定は絞り開放でF値をできるだけ低く設定し、被写体と背景との距離をできるだけ離すようにします。
キラキラの背景のある場所を選ぶ
背景はイルミネーションのLEDなどできるだけ細かいキラキラする光源がある場所を選ぶのがコツです。室内で撮影する場合は、クリスマスツリーなどのデコレーション用LEDなどを背景に配置すると簡単にボケを作ることが出来ます。
ボケのサイズで雰囲気が変わる
自作のボケフィルターを使うと背景にも個性が出る為、ボケのサイズによってはかなり目立ってしまう可能性もあります。主題や副題を意識して、ボケのサイズをコントロールすることも重要です。
ピントを合わせる被写体とカメラの距離によってボケのサイズが変化します。
- ピント位置が近い=ボケが大きい
- ピント位置が遠い=ボケが小さい
ピントはマニュアルフォーカス
暗い場所で撮影する場合は、オートフォーカス(AF)だとピントが合いにくく、意図しない場所にピントがあったりするので、マニュアルフォーカスでしっかりと被写体にピントを合わせます。
ブレに注意!
ボケフィルターを装着すると通常よりもイメージセンサーまでに届く光の量が減るので、シャッタースピードが遅くなりブレやすくなります。その為、三脚を使うか、ISO感度を上げてブレを抑えるようにする必要があります。
まとめ
オリジナルの形をしたボケフィルターを使うと、アイデア次第では、雰囲気を強調したり、印象的な写真に仕上げることができます。丸ボケだけでは飽きた!という方は、基本的には紙さえあれば出来るので、是非オリジナルの自作ボケフィルターを作ってみてはいかがでしょうか?
角型フィルターを使えば円形に切り抜く必要もなく、中心付近を四角に切取り、模様の部分だけをテープで張り替えれば、使い回しが可能で、模様や大きさ違いなどたくさんの種類を作るのも比較的簡単かもしれません。
自分で作るのは面倒という方は、種類は少ないですがレンズキャップ型の既製品もあるようです。