フレアやゴーストは逆光や半逆光の光源が強い環境で撮影した場合に写真全体が白っぽくなったり、光の輪や玉状のものが写ったりする現象です。フレアやゴーストの原因を理解しておけば、意図的にコントロールすることで味のある写真に仕上げることも可能なので是非覚えておくと良いかもしれません。
フレアとは?
写真に写りこむフレアとは、強い光がレンズやカメラ内部で反射してカブリやムラが出てしまい写真全体が白っぽくなる現象の事を言います。フレアを起こした写真は、シャープさがなくなり柔らかい雰囲気になります。
ゴーストとは?
写真に写りこむゴーストとは、レンズ内で反射した光が玉状や絞りの形状になって写りこむ現象のことです。レタッチでゴーストを除去するのは難しいので、出来るだけ撮影時に出さないようにするのがベストです。
フレアやゴーストの発生する原因
フレアやゴーストが発生する原因は、逆光や半逆光などで撮影した時に強い光がフィルターやレンズ、カメラ内部に反射することで起こります。
レンズ性能も左右する
レンズ表面には出来るだけ光が反射しないようにコーティングが施されているのですが、高級なレンズ程、反射率を抑えフレアやゴーストを軽減するように設計されています。ニコンならナノクリスタルコートを施したレンズがフレアやゴーストに強いと言われています。
しかし、高級なレンズの場合でも逆光や半逆光の状況ではフレアやゴーストを完全に無くすことはできず、あくまで発生しにくくなると理解しておきましょう。
フィルターの反射
レンズと同様にフィルターも光を反射するため、フレアやゴースト発生の原因の要素となります。
フィルターにも出来るだけ反射しないようにコーティングが施されているのですが、反射率が高いフィルターの場合、フレアが増し白っぽくなりがちでゴーストの発生率も高くなるので、無駄な反射をしない透過率の良いフィルターがおすすめです。
各メーカーから発売されている超低反射フィルターの目安は反射率0.3%以下が主流で値段も同じような感じです。
レンズやフィルターの汚れ
せっかく低反射のレンズやフィルターを使っていても、指紋や埃などが付着して汚れていると乱反射を起こしフレアやゴーストの原因になってしまいます。逆光や半逆光で撮影する時は出来るだけレンズやフィルターの汚れを落とすように気を配りましょう。
フレアやゴーストの防止対策
レンズフードを装着する
ゴーストを防ぐにはレンズフードを装着することで余計な光がレンズに入り込まないようになります。基本中の基本なので、まずはレンズフードを装着してゴースト対策をしてみてください。
レンズフードが邪魔だと思って付けていない方もいるのですが、無駄な光を遮ったり、レンズ保護の役目もあるので、常時付けることをおすすめします。
ハレ切りする
レンズフードを付けても光が直接レンズに入ってきてフレアやゴーストが発生する場合は、『ハレ切り』と言うテクニックを使います。手や黒い紙などを使って、レンズに入ってくる強い光を遮断させるのですが、その時、画面に手や紙が写りこまないように注意しましょう。
順光で撮影する
順光で撮影すれば、直接レンズに強い光が入ってこないので、フレアやゴーストが発生することはありません。
どうしてもその構図で撮影したいのであれば、逆光にならない時間帯に撮影することで解決できます。撮影する場所の方角や太陽の光の当たる角度などを事前に調べておくと失敗が少なくなります。
絞りを開放気味にする
絞ることでゴーストが発生しやすくなるので、絞り開放でF値を小さくすることでゴーストの発生を軽減させることができます。ただし、写真全体のシャープさがなくなるので、風景写真で全体をシャープにさせたい場合はあまり良い解決方法とは言えません。
レンズ保護フィルターを外してみる
レンズ保護フィルターがフレアやゴーストの原因となっている場合が意外と多いので、一度外してみると良いと思います。ガラスが一枚多くなる分、意図しない反射が起こりフレアやゴーストが発生しやすくなるというのも否めません。
レンズの性能を最大限に引き出すなら、レンズ保護フィルターは外しましょう!
フレアやゴーストを活かした写真も全然アリ!
表現方法として意図的にフレアやゴーストを活用すれば味のある写真に仕上げる事もできます。特にポートレート撮影などでは、逆光や半逆光にすることでフレアが発生して全体的に柔らかい雰囲気の写真になるので好まれて使われます。
フレアやゴーストをわざと出す方法は逆光や半逆光で撮影するだけなので簡単です。あとは構図を考え被写体とフレアやゴーストの位置を調整すればOKです。
Photoshopでフレアやゴーストを加える
Photoshopの逆光フィルターを使えば、普通の写真にフレアやゴーストを簡単に付け加えることができます。
メニューから、フィルター > 描画 > 逆光を選択し、光源を任意の場所に移動させて、光の強さを調整するだけでOKです。
以下に逆光フィルターを施した写真を作ってみました。コツとしては、背景の色が濃い方がゴーストの効果が出しやすく、逆光または半逆光の写真であればより自然に仕上がります。
まとめ
フレアやゴーストが一概に悪いわけではなく、場合によっては表現方法の一つとして上手に活用すれば、写真をより魅力的にしたり、被写体を引き立てたりするもします。フレアやゴーストを理解しコントロールすることで表現できる写真の幅が更に広がると思います。