滝や波など水の流れが滑らかな糸状になってる幻想的な写真の撮影方法をご存知ですか? 基本的な撮り方のコツを掴めば、初心者でもプロ顔負けの美しい滝の写真が撮影できるようになります。
水の流れを滑らかに撮影するコツ
滝や波などの水の流れを滑らかな糸状または線状で撮影するにはシャッタースピードを遅くすることで表現できます。普通のシャッタースピードで滝や海などを撮影した場合は、水が止まった感じになるのですが、スローシャッターで露出時間が長くなることで水の軌道が白い糸状になって写し出されます。
目安のシャッタースピード
糸状にしたい場合の目安のシャッタースピードは、水の流れが早めの場所なら1秒、流れの遅い場所なら3秒位のシャッタースピードにすると滑らかな感じに仕上がります。水の流れの速さによって仕上がりに違いがでますので、目安の1秒を基準にしてシャッタースピードを微調整すると大体上手く撮れます。
NDフィルターを使ってスローシャッターにする
昼間や明るい場所ではシャッタースピードを遅くしようと絞りだけで調整しても限界があり、思ったようにスローシャッターでは撮影できません。薄暗い所ならCPLフィルターでも若干シャッタースピードを落とすことが出来ますが、理想のスピードにできないことも良くあります。
そんな場合は、光の量を減らす為のND(減光)フィルターを使うことでシャッタースピードを遅くすることが出来ます。
NDフィルターには番号が付いていますが、数字が大きいほどシャッタースピードを遅くすることが出来ます。ND2、ND4位だとあまりシャッタースピードを遅く出来ないので、ND8かND16が無難な選択です。
可変式NDフィルターなら1つのNDフィルターで数値を変更できます。ただし、濃さにムラが発生する場合があるので注意が必要です。
スローシャッターには三脚は必須!
スローシャッターで滝など水の流れを撮影するには三脚は必須です。手持ちで撮った場合、カメラの小さなモニターで確認するとブレてないように見えても、家に帰ってパソコンの大きな画面で画像を確認するとブレてる事がほとんどです。面倒くさがらずに三脚を使うようにしましょう。
また、三脚を使ってもシャッターボタンを押す際にブレるので、レリーズやリモコンを使う事をおすすめします。持ってない場合は2秒タイマーでも大丈夫ですが、出来るだけ優しくシャッターを押すようにします。
滝や波を撮影する時のカメラ設定と手順
- 絞り優先モードまたはマニュアルモード
- 絞りf8~f11
- ISO100(一番低いベース感度)
- NDフィルター8または16
- 朝夕の光が弱い時間帯
絞り優先モードでf8にしてピントを合わせる
絞り優先モードにして絞り値をf8に設定してピントを合わせます。NDフィルター16くらいまでなら装着した状態でもピント合わせができると思います。
もし、暗くてピント合わせが出来ない場合は、NDフィルターを装着しないでピント合わせをした後、マニュアルモードに切り替えます。その後、NDフィルターを装着して、シャッタースピードを設定します。設定方法は、元のシャッタースピード×NDフィルターの番号になります。
シャッタースピードを確認する
撮影する前にシャッタースピードが1秒前後か確認して、もしシャッタースピードが速すぎる場合は、絞り値を少し上げて微調整します。レンズにもよりますがf値を上げすぎると回折現象(小絞りボケ)で画質が悪くなるので注意が必要です。
何度か撮影して微調整する
実際に撮影してみて水の流れが思い通りの雰囲気になってるか確認して、絞りを変えてシャッタースピードを調整します。滝の撮影では、水の部分や空が白とびしやすいので、ヒストグラムを確認して、必要に応じて露出補正も行います。
波を糸状にするコツは、波が引き始めるタイミングでシャッターを切ると比較的綺麗に仕上がりますが、妥協せずに納得がいくまで何度も撮影するのがポイントです。
もっと長いシャッタースピードで撮る方法
海や湖など波のある場所で長時間露光で撮影すると雲のようになったり、波が穏やかだと滑らかな水面の様な表現も可能です。
日中に10秒以上の長いシャッタースピードで撮影したい場合は、NDフィルターの400以上が必要になります。また、ファインダーから光がカメラの内部に入り込むことがあるので、アイピースカバーを付けるか、ファインダー部分にテープを張るなどの対策が必要です。
まとめ
今回は水の流れが滑らかな糸状になる撮影方法を解説しましたが、もちろん場合によっては速いシャッタースピードで水が止まっている表現の仕方もありかと思います。
シャッタースピードによる滝、波、海、川などの水の流れの違いが表現できるようになると写真が一層楽しくなるのではないでしょうか?是非いろいろな撮影にチャレンジしてみてください。