何となくピントが甘くねむい写真は、レタッチソフトを使えば、簡単に写真をシャープにすることができます。写真をシャープにするレタッチ方法には色々ありますが、その中でもPhotoshopのハイパスというフィルターを使うとシャープにする度合いを自分でコントロールし易くなる以外にも、メリットがあるので使い方を覚えておくと便利です。
今回はPhotoshopのハイパスフィルターの使い方を実例と共に詳しく解説します。
Photoshopのハイパスフィルターとは?
Adobe公式サイトのPhotoshopマニュアルによると、Photoshopのハイパスフィルターとは
カラーが極端に変化している部分で指定した半径内のエッジのディテールを保持し、それ以外の部分についてはエッジのディテールを抑えます。
– Adobe公式サイトより引用 –
との事ですが、ちょっと分かりにくい…。
『色が極端に変化している部分の輪郭のディテールはそのまま残し、色の変化が少ない部分の輪郭は抑える。』と言う事で、結果的に写真の輪郭(エッジ)にメリハリがつきシャープに仕上がります。
Photoshopのハイパスフィルターの使用方法
Photoshopのハイパスフィルターの使い方は非常に簡単です!
レイヤーを複製する
まずはレタッチする写真を開き、レイヤーを複製(コピー)します。
※Photoshopのショートカット『Ctrl+J』で簡単にレイヤー複製できます。
ハイパスフィルターを適用
先ほど複製したレイヤーにハイパスフィルターを適用します。
上部メニューから、【フィルター】>【その他】>【ハイパス】を選択し、半径のピクセルサイズを指定します。
半径のピクセルサイズの設定は、数値が大きいほど適用度が大きくなるので、画像サイズが6000×4000ピクセル程度であれば4~5ピクセル、それよりも小さい画像であれば、半径のピクセルを更に小さく設定します。
プレビューで見ながら適用度が確認できるので、適当な値でOKします。
レイヤーの描画モードをオーバーレイに変更
ハイパスフィルターを適用したレイヤーはグレーになっていますが、レイヤーの描画モードを【オーバーレイ】に変更すると、元画像のレイヤーと重なり輪郭が強調されシャープな写真に仕上がります。
シャープさを少し弱めにしたい時は描画モードを【ソフトライト】にしたり、逆に少し強めにしたい時は【ハードライト】を選ぶと簡単に変化させることが可能です。
完成!
今回は違いが分かりやすいように、描画モードを【ハードライト】にしましたが、目的に応じてシャープさを調整するといいと思います。
ハイパスフィルターを使うメリット
Photoshopのフィルターのシャープやアンシャープなどでも同様に写真を簡単にシャープにすることもできますが、あえてハイパスフィルターを使う理由はいくつかあります。
微調整しやすい
ハイパスフィルターを適用させる時に、シャープさの強弱をピクセル指定できますが、適用後でもレイヤーの不透明度を調整すれば、更にシャープさの微調整が可能になります。
通常のアンシャープフィルターの場合は、一度フィルターをかけてしまうと微調整ができないので、再度フィルターをかけなおす必要があります。
部分的にシャープにできる
ハイパスフィルターを使ってシャープにした画像は、マスク機能と一緒に使えば部分的にシャープにすることもできます。
後からやり直しができる
ハイパスフィルターなら元画像のレイヤーとは別のレイヤーに対して適用するので、ハイパスのレイヤーを残しておけば、後からやり直すことができて非常に便利です。
通常のアンシャープフィルターを適用してしまうと、後から元に戻したり調整しなおそうと思っても、基本的にはできないので不便です。
※レイヤーをスマートオブジェクトに変換するとやり直しが可能ですがファイル容量が大きくなります。
まとめ
Photoshopのハイパスフィルターを使って写真をシャープにする方法をご紹介しましたが、こだわったレタッチをする場合には非常に有効なテクニックだと思います。ただし、ハイパスフィルターのメリットを感じなければ、通常のシャープフィルターのアンシャープマスクでも十分だと思います。
Photoshopには、他にもノイズを増やさずシャープにするスマートシャープなどもあるので、色々と試して仕上がりの違いを比較して使い分けするといいのではないでしょうか?