星空・天の川の撮影方法&カメラ設定!カメラ初心者でも撮れる

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星空・天の川の撮影方法&カメラ設定 カメラ基礎知識

星空や天の川の撮影は一眼カメラ初心者にとって少し難しい印象がありますが、最低限の機材と基本的な撮影方法とカメラ設定をすれば意外と簡単に撮影できます。今回は一眼レフカメラ初心者の方のために星空や天の川の撮影方法やカメラ設定を詳しく解説します。

せっかく一眼カメラを持っているなら星景撮影に挑戦してみてはいかがでしょうか?

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星空&天の川撮影に必要な機材

一眼カメラ

星空を撮影するにはマニュアル設定のできるカメラは必須です。種類は一眼レフでもミラーレスでもOKで、最新式で高価なカメラ程、ISO感度を上げてもノイズが少なく綺麗に撮れるので、できれば一眼カメラのフルサイズが望ましいですが、APS-Cやマイクロフォーサーズなどのエントリーモデルでも天の川は十分撮影できます。

私の場合、初めて天の川・星空を撮影したのがニコンD7100でしたが、ノイズの少ないもっと高性能なフルサイズ機が欲しくなり、ニコンの一眼レフD750にステップアップしました。

広角レンズ

星空や天の川撮影には、24mm以下(35mm換算)の広角でF値の少ない明るいレンズが適しています。付属のキットレンズでも大丈夫ですが、できればF値が3.5以下が望ましいです。

レンズは広角であればあるほど、シャッターを長く開けていても星が線状になりにくいという特性があり、更に広い星空を撮影できるというメリットもあります。24mmの場合は、15秒位までなら星を点として撮影が可能です。

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また、F値の少ない明るいレンズのほうが、よりたくさんの光を取り込めるので、同じ露出時間でもISOを上げる必要がなく高感度ノイズを軽減できるメリットがあります。

初心者向けおすすめ星空撮影レンズ

星景写真初心者には、海外でも人気で定評のあるお手頃価格のSAMYANGの広角単焦点レンズがおすすめです。主要メーカーのニコン、キヤノン、ソニー、ペンタックス用がラインナップされています。

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三脚

星空や天の川を撮影するには20~30秒程度の長時間露光になるので、三脚は必須です。風がふいていてもグラつかない頑丈な三脚の方が良いかと思います。また錘をつけれるフック付きの三脚の方が便利で安定します。

ヘッドライト、懐中電灯

天の川撮影する場所は、真っ暗な場所がほとんどなのでカメラの設定をするには両手が使えるヘッドライトがあると便利です。また、撮影現場まで行くのに広範囲を照らせる懐中電灯があると心強いです。

あれば便利、なくても大丈夫な物

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星空撮影に最適な場所と時期

星空や天の川撮影の場所選びで重要なのは、光害が少ない暗さと方角です。いくら暗い場所でも天の川の見える方角を知らなければ撮影することはできません。

光害の少ない暗い場所

ハッキリとした天の川を撮影するには、近くに大きな街があると街灯や家の明かりで空が明るくなり星が見えにくくなってしまうので、出来るだけ光害の少ない暗い場所を選ぶ必要があります。肉眼で天の川が薄っすら見える場所であれば、カメラで撮影するとハッキリとした天の川になります。

どんなに良いカメラを使っても、空が明るすぎるとハッキリとした天の川を撮影することはできないので、まずは場所選びが重要になってきます。

全世界の光害を調べられるウェブサイト ⇒ Light Pollution map

新月前後の時期がベスト

空が明るい原因は街灯などの光害だけではなく、月明かりは予想以上に明るく星空撮影に大きな影響を与えるので事前に、月の満ち欠けや時間帯を把握しておく必要があります。

新月の前後は月明かりの照度が低く、星空や天の川撮影にはベストの時期になります。逆に満月の前後は月明かりで空が明るすぎる為、星空や天の川撮影には不向きです。

満月時の星空と天の川

NIKON D750 (14mm, f/2.8, 25 sec, ISO4000)
満月時に撮影した天の川。昼間のような明るさに薄っすらと星が見える不思議な写真になります。

月の方角と天の川の方角を確認

星空だけならあまり気にしなくてもいいのですが、天の川を撮影したいのであれば、天の川が見える方角や位置を確認しておくことが大切です。場所や時期、時間帯によって天の川の見える方角や高さ、角度が変わってきますので、スマホアプリなどを使用して確認するのが簡単です。

また、天の川と月が同じ方角にあると月が明るすぎて、天の川が見えにくくなってしまうので、できるだけその時期は避けるのがポイントです。

星空・天の川や月の位置が分かるアプリ(デスクトップ版は無料)⇒ Stellarium

風景&星景撮影に便利なカメラマン向け神アプリ『PhotoPills』
風景や星景写真を撮影する際に便利な機能が満載のアプリ『PhotoPills』は、日時を指定すれば、太陽や月、天の川の位置を把握することができ、AR機能で実際にどのように写真が撮れるか簡単にシュミレーションすることが可能です。今回は、日本ではあまり知られていない風景・星景撮影におすすめアプリ『PhotoPills』をご紹介します。
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星空&天の川撮影のカメラ設定方法

カメラはマニュアルモードが基本

星空&天の川撮影は全てマニュアルで設定するので、カメラの操作に慣れておくことが重要です。初心者にとってマニュアルモードは難しいと感じるかもしれませんが、基本させ掴めば簡単です。以下が星空撮影の基本設定になりますので、よく覚えておいてください。今回はニコンの一眼カメラで解説しますが、キヤノン、ソニー、フジ、パナソニック等でもほとんど設定は同じです。

カメラをマニュアルモードにする

カメラ本体をマニュアルモード(M)にする。下はタイマー

星空撮影用の基本設定

とりあえず、以下の設定をしておけば綺麗に星空や天の川を撮影できます。ISOとシャッタースピードは空の明るさなど状況によって調整すると良いでしょう。

  1. 絞りのF値を一番小さく
  2. ISOを3200~6400
  3. シャッタースピードを20~25秒
    レンズの焦点距離にもよりますが広角レンズなら大体この範囲でOK。
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  4. 2秒タイマーにする(レリーズが無い場合)
    シャッターを押した時のブレ防止
カメラ設定

絞りF2.8、ISO3200、シャッタースピード25秒

設定に自信のない方は、事前に明るい場所でカメラを設定しておくと安心です。

レンズをマニュアルに切り替え、星にピントを合わせる

オートフォーカス機能のあるレンズは、レンズとカメラ側にあるAF(オートフォーカス)をM(マニュアル)に切り替えて、更に手ぶれ補正もオフにします。手ぶれ補正がオンになっていると誤作動でブレの原因になる場合があります。

レンズをマニュアルに設定

レンズをマニュアルに切り替え、手ぶれ補正機能をオフ

星にピントを合わせる方法

星空撮影の最大の難関が星へのピント合わせです。初心者の方がよくする失敗の一つがピンボケで、家に帰ってPCで確認したら星空が全部ピンボケ!なんてことにならないように、時間をかけしっかりとピントを合わせましょう。

光学ファインダーを覗いても、暗すぎて星空は見えないので、カメラのライブビューで液晶画面を見ながらピントを合わせます

  1. レンズのピントを無限遠(∞)にしておきます
  2. レンズを一番明るい星に向ける
  3. カメラをライブビューにし、液晶画面で星を拡大表示させ最大までズーム
  4. レンズのフォーカスリングを回して星が一番小さく(シャープ)なるように微調整
  5. 試し撮りをして、ピンボケしていないか確認
    撮った写真をカメラの液晶画面で拡大表示
  6. ピントが合ったらフォーカスリングをテープで固定(ズレ防止の為)

※明るい星が見つからない場合は、50メートル程離れた街灯や家の灯り等にピントを合わせてもOKです。

画像付きの星空撮影のピント合わせ方法は以下のページで詳しく解説しています。

星空撮影のピント合わせ方法を徹底解説!コツを掴めば簡単
初めての星空撮影で一番の難関が星へのピント合わせです。真っ暗の環境ではオートフォーカスが作動しない為、マニュアルでピントを合わせる必要があります。コツを掴んでしまえば簡単に星へピントが合わせられるようになるので、是非マスターしたいものです。今回は星空撮影で必須スキルの星へのピント合わせ方法を詳しく解説します。

最後に構図を決めて撮影するだけ!

暗闇で構図を決めるのは難しいので、何度か試し撮りして微調整していきます。焦らず自分の納得のいく構図になるまで調整しましょう。

初めて行く場所は、明るいうちに方角などを確認して、あらかじめ構図を決めておくと簡単です。

ISOやシャッタースピードは微調整する

ISOやシャッタースピードを変えた状態で何枚か撮影し、ベストな設定を見つけるのも大事です。やや空が明るい時はISO3200位にしておかないと空が白っぽくなり星が白飛びするので、場合によってはISOを3200以下にしたり、シャッタースピードを10から15秒位にすると良いでしょう。

注意点

カメラの設定で、長秒時ノイズ低減(ニコンの場合)という機能がONになっているとシャッタースピードと同じ秒数だけ処理時間がかかるので、直ぐに撮影ができなくなります。連続で撮影したい場合は、長秒時ノイズ低減はOFFにしておいた方が良いかと思います。

まとめ

今回は初心者向けの必要最低限の星空&天の川撮影方法を紹介しました。撮影してみると、意外と簡単に天の川が撮れることに気付くと思います。

星空撮影はカメラをマニュアルモードにしなければいけないので、一眼カメラの機能を理解する良いきっかけにもなると思います。また、カメラの性能の限界を知る上でもいい機会になり、より高性能なフルサイズのカメラが欲しくなる方もいるのではないでしょうか。