普段流れ星を撮影しようと思ってもタイミングよく撮ることは至難の業です。いつどこに出現するか予測できない流れ星を上手く撮影するには流星群の時期を狙うのがポイントです。特に三大流星群の時期なら多くの流星が出現するので撮影できる確率がアップします。今回は流れ星の撮影方法と三大流星群の時期を解説します。
三大流星群とは?
流れ星は年間を通して見ることができますが、毎年特定の時期にたくさんの流れ星が出現する「しぶんぎ座流星群」、「ペルセウス座流星群」、「ふたご座流星群」を三大流星群と言います。三大流星群の中でも最も多くの流れ星が見られるのが12月の「ふたご座流星群」です。
三大流星群は毎年決まった時期なのですが、その年の月齢によって観測条件が大きく変わってきます。満月に近い時期と重なると空が明る過ぎて見える流れ星が少なくなってしまい、逆に新月に近くて空が暗い時期と重なるとより多くの流れ星を見ることが出来ます。
極大(ピーク) | 流れ星の数 | |
---|---|---|
しぶんぎ座流星群 | 1月2日夜~3日未明 | 毎時20個位 |
ペルセウス座流星群 | 8月12日夜~13日未明 | 毎時30個位 |
ふたご座流星群 | 12月13日夜~14日未明 | 毎時50個位 |
※極大(ピーク)の時期や流れ星の見れる数はその年によって前後する場合があります。
流れ星の撮影方法
流れ星や流星群の撮影方法は基本的には通常の星空や天の川撮影と同じです。
星空撮影の基本設定
カメラはマニュアルモードにして以下の設定をしておけば星空や天の川を撮影できます。空の明るさなど状況によってISOを微調整すると良いでしょう。
- 絞りのF値を小さく F2.8前後
- ISOを3200~6400
- シャッタースピードを15~25秒
レンズの焦点距離にもよりますが広角レンズなら大体この範囲でOK。
もっと詳しい星空撮影の方法は以下の記事をチェックしてください。
流れ星撮影の必須機材
明るい広角または超広角レンズ
一度に広い範囲を写せるレンズの方が当然流れ星を捉える確率が高くなるので広角の24mmか、それよりも広域を写せる超広角がおすすめです。またF値の少ない明るいレンズ程、光を多く取り入れることが出来るので多くの星を撮影することが可能になります。
インターバル機能付きレリーズ
インターバル撮影は上位機種や最新機器種の一眼カメラならが最初から機能が備わっている事が多いのですが、無い場合は、インターバル撮影機能付きのレリーズがおすすめです。
予備バッテリー
流れ星の長時間撮影には予備バッテリーは必需品です。せっかくのシャッターチャンスを逃さないように必ず予備バッテリーを用意しておきましょう。
USB給電が可能な機種であれば、モバイルバッテリーと繋げながら撮影するのも一つの手です。
レンズヒーター
レンズが曇りやすい寒い時期の撮影は、モバイルバッテリーにUSB接続できるレンズヒーターが必須です。暗い場所だとレンズが曇っているのに気付かず、そのまま撮影してしまうと全てが失敗してしまう危険性があるので注意が必要です。
光害のない暗い場所を選ぶ
流れ星を撮影するには出来るだけ光害のない真っ暗な場所を選ぶのが最も重要なポイントです。流星群の時期だからと言っても空の明るい都市部では観ることはできません。
空が明るいと星の見える数も減少し、流れ星を撮影できる確率もグッと下がってしまいます。まずは事前に撮影スポットを調べて計画を立てておきましょう。
光害を調べられるウェブサイト ⇒ Light Pollution Map
流星群の方角
流星群の放射点は、流星が放射状に飛び出してくるように見える天球上の1点のことで、輻射点(ふくしゃてん)とも言われていますが、放射点の方向だけに流星が多く見られる訳ではなく、空全体どこにでも出現するので、天の川の入る方角や絶景を撮影スポットにすると良いと思います。
根気よく撮り続ける
1時間に30個の流れ星が見える場合、平均すると2分に1回の計算になりますが、カメラを向けいている方向に現れるとは限らないので根気強く写真を撮り続けることがポイントです。
流れ星が見えた瞬間にシャッターを押しても遅すぎるので、インターバル撮影にしておけば一定の間、自動的に撮り続けることができるので流れ星を捉えるチャンスも増えます。
流れ星は見えても中々写らない
一瞬で消えてしまう流れ星は肉眼で見えたとしても、写真に写すことは至難の業です。実は写真に写っている線は、流れ星ではなくて人工衛星であることがほとんどです。
通常、星空を撮影する場合は、通常の星は動きがほとんどなく一定の位置なのでシャッタースピードを長くすることで暗い星でも写ります。しかし、動いている一瞬しか見えない流れ星はどうでしょうか?例えば、1秒程度で消えてしまう流れ星なら、1秒のシャッタースピードでも写るくらいの明るさがないと写真に写らないということです。
2024年の三大流星群
2024年1月 しぶんぎ座流星群
2024年のしぶんぎ座流星群の極大(ピーク)は1月4日午後4時頃になるので、見頃は1月4日夜~5日未明になります。ただし、1月4日は半月となり月明かりの影響があるので、撮影するにはあまり良いコンデイションとは言えません。
参照:しぶんぎ座流星群が極大(2024年1月) | 国立天文台(NAOJ)
2024年8月 ペルセウス座流星群
2024年のペルセウス座流星群の極大(ピーク)は8月12日午後11時頃になるので、見頃は8月12日夜~13日未明になります。8月12日は半月ですが極大の23時頃には月は沈んでいて、月明かりの影響がないので絶好の撮影チャンスです。
参照:ペルセウス座流星群が極大(2024年8月)| 国立天文台(NAOJ)
2024年12月 ふたご座流星群
2024年のふたご座流星群の極大(ピーク)は12月14日午前10時頃になるので、見頃は12月14日夜~15日未明になります。ただし、12月15日が満月で月明かりの影響があるので、撮影するにはあまり良いコンデイションとは言えません。
参照:ふたご座流星群が極大(2023年12月) | 国立天文台(NAOJ)
まとめ
結局流れ星を撮影するには根気と運が必要で、流れ星が多く出現する三大流星群の時期を選べばその確率もグッとアップすると言う事です。普段では中々撮ることの難しい流れ星ですが、三大流星群の時期にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?