有名な観光スポットや絶景の風景写真を撮っても、その時の迫力や感動が伝わるような写真に仕上がらないと言った失敗はありませんか? 風景写真の撮り方は基本的な4つのコツを掴んでしまえば、だれでも簡単に写真のクオリティを劇的に向上させることができます。今回は一眼レフカメラ初心者の方でも実践できる風景写真の撮り方テクニックをご紹介します。
迫力を出すコツ
肉眼と広角レンズとの差を理解する
風景写真で一番多いありがちな失敗として、主題となるランドマークなどが思ってたよりも小さく写っていて「実際に見た時より迫力がない」というものではないでしょうか。
失敗する理由は広角レンズで撮影すると主題となる被写体が小さく写るからです。肉眼で見た時に近い画角が50mm前後と言われていて、それよりも画角が広角になればなるほど被写体が小さく写ります。
風景写真=広角レンズと言う図式が頭の中にあると、いつでも広角で風景を撮影しがちですが、肉眼と同じ迫力で撮りたいなら50mmの画角かそれ以上の望遠よりの画角で撮るのがコツです。
望遠の圧縮効果を利用する
望遠と聞くと遠くにある小さい被写体を大きく拡大するイメージが強いかもしれませんが、風景を望遠で撮影することで圧縮効果が生まれ迫力ある風景写真にすることができます。遠くの被写体と近くの被写体を同時に画角に入れることで、肉眼では見ることのできない風景写真に仕上がります。
遠近感を出すコツ
近くの被写体も一緒に入れる
広い範囲で撮影できる広角レンズの特性を生かし、遠くの景色と一緒に近くの物を入れる事で近くの物は大きく遠くのものは小さく写り、より遠近感や奥行き感のある風景写真に仕上がります。
絶景だからと言って遠くの景色だけを撮影すると遠近感が伝わらず、迫力や臨場感のない風景写真になりがちです。
パースを利用する
広角レンズのパースを上手く利用すると海岸線、柵、雲などでもグッと奥行き感が生まれ遠近感を強調することができます。
スケール感を出すコツ
大きさを比較できる物を入れる
実際は迫力のある壮大な場所なのに写真で見ると大きさが伝わらず一般的な風景写真になってしまいますが、大きさを比較できるものを一緒に入れる事でスケール感を伝える事ができます。
ドラマチック感を出すコツ
朝夕のゴールデンアワーやマジックアワーを狙う
太陽が真上にある昼間に風景写真を撮影しても影に立体感がなくなってしまい、誰が撮っても同じような写真になりがちです。しかし朝夕の陽が傾き始めると影に立体感が生まれ奥行きのある風景写真を撮ることができます。
一般的に言われているゴールデンアワーやマジックアワーという時間帯を狙うのがおすすめです。見慣れた風景でも朝夕のゴールデンアワーやマジックアワーの時間帯だと空の色が日によって変化して、いつもとは違うドラマチックな表情へと変化します。
ゴールデンアワーの時間帯は、その名の通り陽の光が黄色っぽくなり風景を黄金に輝かせてくれます。そして陽が地平線日被くにつれて赤みを帯びてオレンジから赤へ変化します。特にゴールデンアワーの時間帯の空の色は雲の状況が大きく影響し、運が良ければ空一面が真っ赤に染まる事もあります。
陽が地平線よりも下にある時間帯(日没直後や日出直前)のマジックアワーでは、ピンク色や紫がかった青色などに変化します。
快晴は避けて雲が多めの時を狙う
ドラマチックな風景写真を撮るなら、雲は多いけど時々太陽も顔を覗かせるよう天気の変わりやすい時がチャンスです。今にも雨が降りそうな瞬間、晴れと雨の境界、虹、雲の隙間から陽の光が漏れる「天使のはしご」など、空の表情が豊かでシャッターチャンスが広がります。
逆に雲一つない快晴は避けた方が無難です。空に変化がなく表情が生まれないためです。また、空一面雲に覆われて陽が全く見えない曇りは、空が真っ白に写ってしまうのでNGです。
まとめ
今回ご紹介した風景写真の撮り方のコツを意識して実践していけば自然と失敗写真が少なくなると思います。風景写真と一言で言っても、広角だけじゃなく標準や望遠の画角で撮ることで違った写真になり、撮る時間帯を変えるだけでも雰囲気が劇的に変わってきますので是非チャレンジしてみてください。