Lightroomを使って写真をシャープに仕上げるには何種類かの方法がありますが、最大限に使いこなしていない人が意外と多いようです。Lightroomでも全体だけでなく部分的にシャープ補正が出来たり、用途に合わせて出力時にシャープにしたりと便利な機能があります。
今回はLightroomの写真をシャープにする補正の種類とその使い方を解説します。
写真にシャープ補正をする、しないは微妙な違いですが、見た感じの印象は明らかな差が出るので、写真現像の仕上げの一手間として非常に重要な作業の一つです。
Lightroomで写真全体をシャープにする方法
まずは等倍表示
Lightroomでシャープ補正の作業を行う場合、縮小したままの全体表示だと実際にどれだけシャープさが適用されているのか確認しにくいので、写真を等倍(100%)表示するのがおすすめです。
ディテールパネルのシャープ補正
Lightroomで写真をシャープにするには、画面右側の中間位にある【ディテール】の【シャープ】で補正を行います。
小窓
画像全体を等倍表示しなくても、指定した箇所を小窓内に等倍表示で確認することができます。ただし、一部分しか表示できないので、全体を等倍表示したほうが作業はしやすいです。
適用量
適用量は、数値が多いほどシャープになります。ただし、シャープの量とノイズの量は比例しているので、シャープを強くかけるとその副作用としてノイズが目立ってしまうので注意が必要です。
半径
半径は、コントラストが適用されるエッジの太さを調整します。半径の値が小さいほどエッジは細くなり、値が大きいほどエッジは太くなりシャープ感が強くなります。
ディテール
ディテールは、細かい部分のシャープ量を調整します。ディテールの値が少ないとより大きなエッジがシャープになり、値が大きいと細かい部分のディテールもシャープが適用されます。その為、数値を上げすぎると細かな部分(空や水面など)にもシャープが適用されノイズが目立つようになってしまいます。
マスク
マスクは、シャープ効果が適用される範囲を調整する機能です。マスクの数値が0だとシャープ効果は写真全体に適用され、スライダーを右に動かし数値が大きくなる程、強いエッジだけに適用され細かな部分には適用されなくなります。
わかりやすく言うと、マスクの数値を上げることで、空や海面などの細かい部分は除外されシャープ補正により発生したノイズを抑える事ができます。
マスク領域を表示させるには、Alt(Windows)またはOption(Mac)キーを押しながらマスクのスライダーを動かすと、写真が白黒に切り替わります。白い部分がシャープ効果が適用され、黒い部分は適用外の領域になります。マスク領域を確認する場合は、拡大表示ではなく、全体表示に切り替えると使いやすいかと思います。
Lightroomで部分的にシャープにする方法
Lightroomで写真を部分的にシャープにしたい場合は補正ブラシを使用します。今回は補正ブラシを使いますが、円形フィルターや段階フィルターでも同様に部分的にシャープにすることができます。
【ディテール】にある【シャープ】の場合は、基本的には写真全体をシャープにすることはできますが、意図した場所にピンポイントで部分的に適用することができません。
補正ブラシを選択
画面右上にある補正ブラシを選択します。
シャープにしたい個所を塗りつぶす
シャープにしたい部分を塗りつぶします。
補正ブラシで塗りつぶしたマスク範囲を表示させるには、【O】キーを押すか、画面下付近にある【選択したマスクオーバーレイを表示】にチェックを入れます。
場合によっては、範囲マスクを輝度に切り替えることでより繊細なコントロールが可能になります。
補正項目のシャープで調整
あとは補正ブラシで調整可能な項目にある【シャープ】のスライダーを動かせば、塗りつぶした部分だけにシャープが適用されます。
書き出し時のシャープ出力とは?
Lightroomで写真を書き出す際の【シャープ出力】という項目がありますが、書き出す写真の用途に合わせたシャープ設定になります。
現像段階でシャープ補正を施しても、書き出し時に元画像よりも小さいサイズにしてしまうとピクセル数が減るので本来のシャープ感を失う場合があり、それを回避するための処理になります。
リサイズを行なわず元画像の大きさのまま書き出す場合、Photoshopなど他のツールでシャープ補正を行う場合などはシャープ出力の設定は不要です。
用途で選ぶ
SNSやブログ、ホームページなどウェブ用に書き出す場合は、【シャープ対象】にチェックを入れ、【スクリーン】を選択します。
印刷目的の場合は、紙に合わせて【マット紙】か【光沢紙】を選ぶと良いと思います。
適用量の違い
適用量は、【弱】、【標準】、【強】の3つから選択できます。
適用量の違いは、弱だとほとんどわからない程度のシャープネスで、強にしても悪影響が出るほどのシャープネスにはならないので、写真の雰囲気に合わせて使い分けるのが良いかと思います。
やわらかい雰囲気の写真であれば【弱】か【標準】、キリッとした雰囲気の風景写真なら【強】、一般的な写真なら【標準】で良いと思います。
動画で見る
Lightroomのシャープ補正の使い方を動画にしてYouTubeにアップしました。
まとめ
Lightroomのシャープ補正だけでも最大限に使いこなせば、十分満足のいく仕上がりになるかと思います。Photoshopに比べると柔軟性は低いですが、Lightroomだけでシャープ補正の作業が完結できるメリットは大きいのではないでしょうか?