一眼カメラの手ブレ補正機能は日々進化していますが、それでも手ブレは起こってしまいます。渾身の一枚を撮影したつもりがPCのモニターで拡大表示したら手ブレていた!何て経験はありませんか?手ブレ対策には三脚を使うのが最善の策ですが、有名観光地などでは三脚や一脚が使用禁止の場合も多く、手持ちでいかに手ブレしないように撮影するかが重要になってきます。
今回は、三脚や一脚が使えない状況でもシャープに写す為の手ブレ対策をご紹介します。
手ブレの原因
カメラを手持ちで撮影した場合の手ブレの原因は、シャッターが開いている間にカメラが動いてしまうからです。シャッターボタンを押すとほとんどの人はカメラが微妙に上下に動いてしまい、更にシャッタースピードが遅い事で手ブレを起こしてしまいます。
また、手ブレが起きやすい条件としては、朝夕の薄暗い時間帯、夜景、室内など、光が少ない場所で、絞り優先モードで撮影すると、シャッタースピードが遅くなりがちで、手ブレが起きやすくなります。
カメラの手ブレ対策
シャッタースピードを速くする
絞り優先モードで撮影していると十分な明るさのある所ではシャッタースピードが速いので、手ブレは起こりにくいのですが、明るさが足りない場所ではどうしてもシャッタースピードが遅くなり手ブレが発生しやすくなってしまいます。
また、焦点距離が長くなればなるほどブレやすくなるので、手ブレにくいシャッタースピードに設定することが重要です。
例:50mmの焦点距離なら1/50秒
シャッタースピードを速くするには、ISO感度を上げるのが基本です。ISOを手動で変更している時間がない場合は、ISOをオートに設定しておけばシャッターチャンスを逃すような失敗がなくなります。
どうしてもノイズ量が気になってISO感度をあげたくない場合は、絞り値を小さくすることでシャッタースピードは速くなりますが、被写界深度やボケ具合など写りに影響が出るので、おすすめな対処法ではありません。
構え方で安定させる
両脇を閉める
両脇が出来るだけ開かないように肘を身体に密着させて、シャッターを切るとカメラが安定して手ブレしにくくなります。肘や膝などの大きな関節を固定して構えると身体が揺れずに安定します。また、息を吸ったり吐いたりしている時は身体が動きやすいので、出来るだけ息を止めた状態でシャッターボタンを押すのが良いかと思います。
物に寄り掛かる
足元が不安定な場所や強風で体が安定せず、上下左右に動いてしまう場合は、壁や手すり、木など、物に寄り掛かると身体が固定されブレにくくなります。
膝や肘を使う
しゃがんだ時は、片膝を立てた状態にして、その上に肘を乗せて構えると上下のブレを抑えることができます。チルト式やバリアングル式の液晶モニターであれば、膝の上にカメラを乗せてライブビューを見ながら撮影すると上下のブレが無くなります。
イルコさんの肘の上にカメラを乗せる構え方も結構安定していておすすめです。
物や小道具を使う
ストラップをピンと張る
カメラを首から下げ、両手を前に突き出してストラップをピンと張ると、カメラが固定され手ブレが軽減されます。ストラップをピンと張った状態だとファインダーは覗けないので、ライビュモードにしてカメラの液晶画面で構図やピント位置を確認しながら撮影します。
カメラを物に乗せる
カメラを手摺やベンチ、岩など、物の上に乗せたり、押し当てながらシャッターを切ればブレを抑えることができます。安定している物の上なら、カメラから手を放して2秒タイマーなどを使えば、手ブレは発生しませんが、構図が限定されてしまい、好きな構図で撮影するのが難しいというデメリットがあります。
紐やワイヤーを使う
いわゆる紐三脚または紐一脚といわれるもので、カメラの三脚穴に紐やワイヤーを繋げ、紐を足で踏んでピンと張った状態にすることでカメラが固定され手ブレを抑えることができます。雲台のクイックプレートに紐をつなげばDIYで簡単に作ることができます。『String tripod』で検索すれば、海外のサイトですが、作り方や使い方などの解説したページが簡単に見つかります。
数は少ないですが既製品の専用グッズも手に入ります。
まとめ
手ブレしてしまった写真はPhotoshopを使っても、きれいに修復する事が出来ないので、手ブレする位なら高感度ノイズが多少あったほうがマシです。最近のカメラはISOの高感度耐性が向上していて、ISO感度を上げてもノイズがあまり目立たなくなってきているので、シャッタースピードを速くしたいときは積極的にISOを高くすることをおすすめします。
また、カメラの構え方を変えるだけでもブレが軽減される場合があるので、再確認してみてはいかがでしょうか?