風景写真や星景写真をレタッチしていると、明暗差のある空と地上との境目部分にハロと呼ばれる白っぽい滲みや縁が発生する場合があります。空や景色の明瞭度やコントラストを強めに補正することでハロが一緒に強調され目立ってしまい、レタッチし過ぎの残念な写真になりがちです。
今回は、Photoshopを使って風景写真のハロを簡単に除去するレタッチ方法をご紹介します。
写真の白い滲みのハロとは?
写真のハロ(Halo)とは、明暗差のある箇所に白っぽい縁やにじみが発生する現象で、その原因はレンズの球面収差によるもので、絞り開放で発生しやすくなり、絞ることでハロを抑えることができます。
レンズの球面収差によるハロは、それほど目立たないのですが、現像時のレタッチで明瞭度やコントラストなどを強めに補正すると、ハロも強調されてしまい、不自然な縁がハッキリと出てしまうことがよくあります。
薄暗い時間帯での風景写真や星景写真は、絞りを開放気味にすることでハロが発生しやすくなり、更に過度にレタッチすることでハロが目立ってしまう結果となります。
モニターで見てあまり気にならない程度のハロでも、印刷すると思った以上に目立ってしまう場合もあるので、出来るだけハロは除去しておきたいものです。
Photoshopを使用したハロを除去する方法
風景写真や星景写真に発生してしまったハロはPhotoshopのコピースタンプツールを使うと意外と簡単に除去することができます。
※サンプル画像は、わかりやすいようにコントラストを強めてハロをわざと強調しています。
コピースタンプツールを選択
ハロを除去したい画像を開き、メニューバーから【コピースタンプツール】を選択します。
ブレンドモードを比較(暗)にして、不透明度を60~80%前後に設定します。
元画像を直接レタッチしたくない場合は、レイヤーをコピーして作業をします。
ブラシサイズをハロの大きさに合わせて調整
ブラシのサイズは、ハロや空のグラデーションの大きさに合わせて調整します。ブラシが小さ過ぎたり大き過ぎたりると、空との色が馴染まず補正した跡が目立つ場合があります。
グラデーションが小さめの場合は、小さめのブラシで比較的簡単に除去できますが、大きめのハロはブラシを大きめにしてグラデーションを覆えるようにします。また、不透明度を微調整することで補正した跡が目立たなくすることもできるので、何度か試してベストな加減を見つけてみてください。
※コピーしたレイヤーで作業する場合は、レイヤーの不透明度を変更して最終的に微調整することも可能です。
コピースタンプツールで境目をなぞるだけ
適当なブラシサイズにしたら、似た色の場所の色をコピー元にして、境目を大雑把になぞるだけでOKです。
※景色部分に明るい箇所があると、空の色の影響を受ける場合があります。
まとめ
LihgtroomやPhotoshopでレタッチすると地味だった写真が見違えるほど鮮やかに蘇ったりもしますが、レタッチのし過ぎでハロが出まくっていると、リアル感が損なわれ写真のクオリティがガタ落ちになってしまいます。最後の一手間でハロ除去をしてみてはいかがでしょうか?
まずは、過度のレタッチは出来るだけ避け、ハロの除去作業もできるだけ最小限に抑えて、自然な仕上がりになるように心掛けるのが大事かもしれません。