写真の構図は、人が無意識のうちに感じとる写真全体のバランスや安定感が関係していて非常に重要な要素となります。誰が見ても美しいと感じる良い写真は、しっかりと計算された構図によるものが多いのは事実です。
今まで何となく撮っていた写真を、構図を意識した撮り方や考え方に変えるだけでクオリティが確実にアップします。
今回は、カメラ初心者の方でも実践すれば確実に写真が上達する5つの基本構図を作例と共にご紹介します。
5つの基本構図
写真の構図には様々な種類がありますが、まずは基本的な構図を身に着けておくだけでも、確実に写真は上達します。応用した構図は、基本構図の組み合わせが多いので、無理に全部覚える必要はなく、撮影に慣れていくうちに自然と身に付いきて、感覚的に美しい構図の写真が撮れるようになります。
三分割構図
写真を始めたら一番最初に覚えるべき構図が三分割構図(三分割法)です。この三分割構図は、写真の基本構図となり、風景、マクロ、ポートレート等、どんな写真でも相性が良く、安定感がグッと増します。
三分割構図は、写真を上下左右に三分割して、交わる点や線に被写体を配置する構図です。きっちりと線や点上に配置する必要はなく、目安程度に配置するだけで十分です。
カメラを始めたばかりの初心者の時は、二分割構図や日の丸構図で被写体は真ん中、水平線も真ん中になりがちですが、三分割構図で被写体を上下左右のどちらかに移動させるだけで、写真が変わります。
風景写真であれば、空と地上の境目を三分割した線上に配置すると安定感のある仕上がりになります。
対角線構図
対角線構図とは、被写体を対角線上の斜めに配置する構図で、奥行感や導線などを表現し写真に動きを出しやすくなります。対角線構図は、風景写真だけでなく、物撮りや料理写真などでも良く使われる構図の一つです。
シンメトリー構図
シンメトリー構図とは、左右、上下対称に被写体を配置するバランスの良い安定感がある構図です。水面のリフレクションや奥行きのある道路や橋、高さのあるランドマークなどの建築物を撮影する時によく使われる定番の構図です。
額縁構図
額縁構図とは、メインとなる被写体を縁の中に収める構図です。人の視線は枠に囲まれた部分へ自然と誘導されるので、被写体をより強調させる効果があります。
類似した構図にトンネル構図というものもあり、額縁構図と考え方は同じです。被写体の周囲の露出を暗くして、その先にある明るい被写体を際立たせる効果があります。
放射線構図
放射線構図とは、消失点から放射状に線が伸びた遠近感や奥行き感を出す構図です。パースを活かした超広角や広角レンズで撮影すると効果的な構図で、直線的な長い道、建物内部などの被写体が適しています。視線を誘導する線のリーディングライン(Leading Lines)を取り入れやすい構図でもあります。
消失点は中央に配置する必要はなく、三分割構図など他の構図と組み合わせて使う事もできます。
構図を身に着ける方法
構図を意識して写真を撮りまくる
構図を意識して写真を撮ることが一番重要で、数をこなすことで自然と構図の取り方が身についてきます。慣れないうちは、頭の中では理解していても、実際の現場では思ったような構図をとることができない事が多いので、とにかく、色々な状況や場面で、構図を考えながら写真を撮るようにすると次第に慣れてきます。
他の人の写真や映像の構図を研究する
他の人の良いと思った写真をじっくりと分析してどういった構図で撮影しているのかなど研究することも大事です。
また、写真だけでなく映像にも同様の構図を当てはめることができ、テレビや映画などを意識して見ていると意外と構図の勉強になったりします。
写真をトリミングしてみる
過去に自分で撮影した写真を画像編集ソフトでトリミングして、構図を変えることで、どのように見た目や印象が変化するのか実験してみるのも良い方法です。
まとめ
写真の構図にはいろいろな種類がありますが、最初のうちは基本的な構図に絞って練習するのが上達の近道かと思います。慣れてきたら、基本構図を組み合わせてみたり、上級の構図を取り入れてみたりすると自然と写真の表現の幅が広がってくるのではないでしょうか?