広角レンズで撮影した際にパースによる歪みで建物などが垂直にならない事があります。パースが強調された写真はそれはそれでOKな場合もありますが、建物を垂直に補正することで安定感のある写真に仕上げることができます。
今回は、Photoshopを使ってパースによって歪んだ建物を垂直に修正する基本的な方法をご紹介します。Lightroomでもほぼ同様の手順で修正できますが出力時に若干の違いがあります。
Photoshopで建物を垂直に補正する手順
垂直補正する写真をPhotoshopで開きます。
今回は15mmの超広角レンズで撮影した写真をサンプルとして使います。橋の間近で撮影したのでパースによる歪みが目立ち、橋が捻じれたように見えます。
フィルターの『レンズ補正』を起動させる
Photoshop上部メニューの【フィルター】>【レンズ補正】を起動させます。
【カスタム】タブをクリックし、【プレビュー】と【グリッドを表示】にチェックを入れます。グリッドを表示させることで歪みを補正しやすくなります。グリッドの大きさを変えたい場合は、チェックの横にある【サイズ】で調整します。
垂直の歪みを補正する
パネル右にある【変形】の【垂直方向の遠近補正】のスライダーを動かし、プレビューを見ながら調整します。
【拡大・縮小】が100%に設定されてると、Photoshopが自動的に余分な部分を切り取ってくれます。自分で写真をトリミングする場合は、【拡大・縮小】の倍率を100%より小さく調整します。
ただし、余白を含んだ状態でレンズ補正を適用すると、画像のピクセルサイズそのままなので、トリミングすると画像全体が小さくなるので注意が必要です。
微調整したら完成
微調整し【OK】ボタンをクリックして、完成です!
Photoshopの【レンズ補正】では、画像のピクセルサイズはそのままで、引き伸ばされるので、小さいピクセルサイズの画像を補正すると画質が著しく劣化する場合があるので注意が必要です。
Lightroomでも同様に『変形』で修正可能
LightroomでもPhotoshopと同様の手順で垂直補正が可能です。
【変形】の【垂直方向】でスライダーを動かし調整します。グリッドが表示されるのでグリッドに合わせて垂直に合わればOKです。【切り抜きを制限】にチェックを入れれば、自動的に余白がトリミングされ、チェックを外すと余白も一緒に出力されます。
Lightroomの垂直補正の場合、修正しても画像の劣化はほとんどありませんが、その代わり、ピクセルサイズは元画像より小さく出力されます。
まとめ
LightroomやPhotoshopのレンズプロファイルでレンズの歪みはある程度は補正されますが、広角レンズの大きなパースの歪みは補正できないので、手動でレタッチする必要があります。
ただし、過度に補正すると違和感がでたり、トリミングされ窮屈な写真になったり、遠近感の出せる広角レンズで撮影した意味がなくなってしまいますので、気を付けてください。