ふわっと柔らかいのに輪郭はハッキリとしている幻想的な雰囲気の風景写真を見たことがあると思います。デジタルカメラでは特別な撮影テクニックを使わなくても、1枚の写真からPhotoshopのレタッチでオートン効果と言われる幻想的な写真に仕上げることができます。
今回は、Photoshopを使ったオートン効果(Orton Effect)と呼ばれるレタッチ方法を解説します。
オートン効果(Orton Effect)とは?
オートン効果(Orton Effect)とは、1980年代にカナダの風景写真家マイケル・オートン氏によって考案された現像テクニックで、水彩画の様なふわっとした柔らかでありながら輪郭はハッキリしている幻想的な雰囲気の写真に仕上がるのが特徴です。
オートン効果を作り上げるには、ピントの合った写真とピントを外したボケた写真を露出違いで撮影して合成するという手法なのですが、当時はフィルムだったので非常に手間のかかる現像作業でした。
しかし、現在のデジタルカメラなら、Photoshopを使ったデジタル処理で1枚の写真からオートン効果と同じような表現をいとも簡単に再現できるテクニックが存在します。
参照:マイケル・オートン氏のウェブサイトの「Orton Effect」
Photoshopを使ったオートン効果のレタッチ方法
まずは、オートン効果を施したい画像をPhotoshopで開きます。あらかじめ色調や露出などの基本的なレタッチをした綺麗な画像を使うのがポイントです。
レイヤーに新規グループを追加
オートン効果の微調整をしやすくする為、まずはレイヤーに『新規グループ』を追加して、適当な名前を付けます。グループ化することでオートン効果全体の表示・非表示の切り替えだけで効果の確認ができて便利です。
背景レイヤーをコピーし、描画モード『スクリーン』
背景レイヤーをコピーして、先ほど作成したグループ内に移動し、レイヤーの描画モードを『スクリーン』にします。写真が明るくなりますが、そのままにしておきます。
もう一度コピーし、描画モード『乗算』
先ほどの背景のコピーを更にコピーして、『背景のコピー2』を作り、レイヤーの描画モードを『乗算』にします。写真がコントラストが上がり、シャドウが暗くなります。
一番上のレイヤーをぼかす(ガウス)
一番上にある『背景のコピー2』のレイヤーに、フィルターのぼかし(ガウス)を適用し画像をぼかします。
フィルター > ぼかし(ガウス)
ぼかし具合は、プレビューを見ながら半径の数値を変更します。今回サンプルで使用した画像は6000×4000のピクセル寸法だったので、【半径20ピクセル】で設定しました。画像のピクセル寸法が小さい場合は、数値を小さくしてぼかし具合も小さめにします。
ぼかし具合でオートン効果の雰囲気も変わるので色々試して自分の好みで調整してみて下さい。
ぼかしたレイヤーの透明度を変更
ぼかしたレイヤーの透明度が100%のままだとオートン効果が利きすぎたり、シャドウ部分が暗過ぎたりするので、そういった場合は、レイヤーの透明度を変更し調整します。
仕上げに全体を微調整して完成!
オートン効果をかけると全体のコントラストが強くなり、シャドウが暗くなる場合があるので、シャドウを明るくしたり、コントラストを弱めたり、調整レイヤーを使って自分好みで全体のバランスを微調整すると良いと思います。
また、マスクを使うことでオートン効果を部分的に適用させ、より自然にさり気なくふんわりとした雰囲気に仕上げるテクニックもあります。


オートン効果を使った作例
滝や水の流れ、朝靄、霧などはオートン効果と相性抜群で幻想的、神秘的な雰囲気に仕上げることが出来ます。




天の川を含む星景写真にオートン効果を取り入れるとソフトで幻想的な雰囲気が増し非現実的な印象に仕上がります。


HDRに加工した写真にオートン効果を組み合わせるとHDR加工ソフトのPhotomatixの様な仕上がりにすることも出来ます。


Photoshopのオートン効果アクションを無料配布!
今回のPhotoshopを使ったオートン効果の一連の作業をアクション化したものを無料配布しますのでご自由にダウンロードしてお使いください。
アクションを読み込んでおけば、ボタン一つで簡単にオートン効果を適用することが可能です。
画像のピクセル寸法に合わせて、L、M、Sサイズの3種類を用意しました。それぞれ、ぼかし(ガウス)の数値が、20ピクセル(Lサイズ)、10ピクセル(Mサイズ)、5ピクセル(Sサイズ)で設定してあります。
『レベル補正』と『トーンカーブ』の調整レイヤーも同時に作成されますので、微調整用にお使いください。