手持ち撮影しようと思ったら明るさが足りずシャッタースピードが遅くなり手ブレしてしまう事はありませんか? 絞り値を小さくしたり、ISO感度を上げたりすれば、シャッタースピードが速くなり手ブレの発生率が下がりますが、一体どれ位のシャッタースピードに設定すれば良いのでしょうか?
今回は、手持ち撮影でも手ブレしない目安となるシャッタースピードとレンズの焦点距離の関係を詳しく解説します。
手ブレしないシャッタースピードの限界と焦点距離
手ブレしない限界シャッタースピード
手持ち撮影で写真がブレないとされる限界シャッタースピードは、『1/焦点距離』秒よりも早いシャッタースピードと言われていいます。ただし、撮影環境、カメラの機種、撮影者による差もあるので、ブレないと言う保証はないので、あくまで目安として覚えておくと便利です。
上記の式に当てはめる場合、焦点距離を35mm換算する必要があるので、APS-C機なら1.5倍(キャノンは1.6倍)、マイクロフォーサーズなら2倍にして計算します。
35mm換算位関しては、下記の記事で詳しく解説しています。
例えば、フルサイズ機で焦点距離が50mmであれば、『1/50秒』が手ブレしない限界のシャッタースピードとなり、それよりも速ければ手ブレする確率が少なるなると言う事です。APS-C機で50mmのレンズを装着している場合は1.5倍するので『1/75秒』が目安のシャッタースピードとなります。
焦点距離が短い広角レンズはブレにくい?
計算式からも分かるように、焦点距離が長い望遠レンズであればあるほどシャッタースピードを速める必要があるので、広角レンズの方が目安となるシャッタースピードに余裕があります。広角14mmのレンズなら1/14秒、一方望遠300mmのレンズなら1/300秒とかなりの差があります。
しかし、実際に14mmの広角レンズでシャッタースピードを1/15秒に設定して手持ちで撮影するとブレてないようでも、若干解像感が足りなかったりすることがあります。そういった場合の殆どは、パソコンの画面で拡大して見ると微妙に手ブレしています。
広角レンズがブレにくいと言うよりは、ブレが目立たないだけなので、広角レンズで手持ち撮影する場合は、目安のシャッタースピードよりも、結構速めの設定にしておくと安心です。
手持ち撮影の手ブレ対策
ISO感度を上げてシャッタースピードを速くする
まずは、ISO感度を上げてシャッタースピードを速くすることが最善策と言えるでしょう。ただしISO値を上げ過ぎると画質が劣化するので注意が必要です。
絞り開放でF値を小さくする方法はあまり良い解決策とは言えません。F値を小さくすれば光を多く取り込めるようになりシャッタースピードを速くすることはできますが、被写界深度が変わり撮影する被写体によっては写りが大きく変化します。
特に風景写真のような全体をシャープに表現したい場合は、絞り開放にすると解像感が損なわれるので、ISO感度でシャッタースピードを速くするようにすることがポイントです。
ブレにくいカメラの構え方を心掛ける
目安のシャッタースピードでも手ブレしてしまうと言う人は、カメラの構え方をもう一度見直してみるのも良いかと思います。基本に戻り、脇を閉めてしっかりと安定したカメラの構え方を心掛けることで、写真はブレにくくなります。
また、身体を支えられる壁や柵などがあれば、寄りかかったり、肘を乗せたりすることで手ブレを軽減できるので是非活用しましょう。
まとめ
薄暗い時間帯や室内での手持ち撮影は、明るさが足りずに手ブレしやすくなりますが、手ブレしない目安のシャッタースピード『1/焦点距離』秒を把握しておくことで失敗を最小限に食い止めることができます。三脚を使いたくても、使えないようなシチュエーションでは大いに役に立つと思います。
ただし、三脚が使える場合は、面倒くさがらずに積極的に三脚を使うように習慣づけると写真のクオリティがアップします。