マジックアワーとは? 風景写真やポートレートが綺麗に撮れる魔法の時間帯

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マジックアワーとは?風景写真が綺麗に撮れる時間帯 カメラ基礎知識

カメラ用語で使われるマジックアワーをご存知ですか? 太陽の光が強い真昼間に写真を撮ってもいつも同じような平凡な写真になりがちです。しかし、光が柔らかくドラマチックに空の色が変化するマジックアワーに撮影すれば、ワンランク上の写真へと変化します。

今回はマジックアワーに撮影した作例と共に、ゴールデンアワーやブルーアワーなど詳しく解説します。

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マジックアワーとは?

マジックアワーとは、日の出や日の入りの前後に太陽が傾き、空の色が変化する時間帯の総称で、その中にゴールデンアワーとブルーアワーと呼ばれる時間帯が存在します。

マジックアワーは太陽の位置が+6度から-6度の角度にある時間帯と言われていて、時間にすると日の出や日の入りの前後40分位ずつの間になり、おおよその目安としてゴールデンアワー40分、ブルーアワー40分位と把握しておけば良いと思います。

マジックアワーとは?

マジックアワー:太陽の位置が6度~-6度でゴールデンアワーとブルーアワーが含まれる

マジックアワーは、一日の中でも最もドラマチックに空の色が変化する時間帯で、日によって雲の量や形に違いがあり、空の染まり方もオレンジ、赤、ピンクなど様々なので、風景やポートレート写真を撮るには最適と言えます。

雲一つない快晴の時よりは、多少雲があった方が変化が生まれ、二つとして同じになることは無いのでオリジナリティ溢れる写真に仕上げることが可能なのです。

マジックアワーに空が真っ赤に染まるかどうかは、行ってみないと分からない場合が殆どで、真っ赤に染まっている時間帯が長い日もあれば、僅かにピンク色に染まったと思ったら一瞬で終わったりと、気まぐれで正直運次第です。

ですので、運が良ければ一発で綺麗な写真が撮れたりもしますが、逆に運が悪ければ何度も通い詰めてようやく満足のいく写真が撮れるといった場合もあります。

ゴールデンアワー

ゴールデンアワーとは、太陽が+6度から0度の低い位置にあり全体的にオレンジ色に染まっている時間帯の事を言います。日の出の大体40分後位まで、夕日なら日没前の40分位がゴールデンアワーになり、太陽が地平線に近い時間帯ほど色が濃く赤に近くなります。

特にゴールデンアワーの時間帯は、光が柔らかくなり、影にも色々な表情が生まれ、風景写真やポートレート写真で表現できる幅が広がります。

ブルーアワー

ブルーアワーとは、太陽が地平線よりも低い0度~-6度の位置にある状態で、夜明け前や日没後の40分位の空が紫~青っぽい綺麗なグラデーションになる時間帯の事を言います。実際には太陽が沈んだ状態でも地平線近くの空は赤やピンクだったりするので、厳密な区切りはないので、おおよその時間帯として覚えておけば問題ありません。

ちなみにブルーアワーよりも太陽が沈んでいるー6度~-12度までの時間帯は、航海薄明(Nautical Twilight)と言われ、夜空に近い色になります。

ブルーアワーは光が弱い時間帯なので雲が少ない方が綺麗な空になる場合が多いようです。

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マジックアワー時の撮影のコツ

マジックアワーの時間帯は目まぐるしく光が変化するので、その速さに対応できるように撮影準備をしっかりとしておくことが重要です。

計画を立てる

現場へ行く前に、撮影場所をしっかりと調べて計画を立てると良いでしょう。出来ればロケハンしておくとスムーズに撮影ができます。

撮影する被写体の場所や太陽の角度などを予め把握して、自分の撮りたい写真をイメージしておくと失敗が少なくなります。Googleの画像検索やインスタグラムなどを活用して、撮りたい写真を探すのも有効な手段です。

また、撮影当日はマジックアワーの開始時刻や天気予報で雲の量などを忘れずにチェックして、少し早めに現地に到着してロケハンする事をおすすめします。

カメラの設定と撮影方法

マジックアワーにクオリティの高い風景写真を撮影する場合は、三脚とレリーズは必須です。

ゴールデンアワー

ゴールデンアワーの明るい時間帯なら、絞り優先モードでISO100にしてもシャッタースピードが極端に遅くなるという心配は殆どありません。手ブレさせたくない場合は、ISO感度を若干上げた方が失敗が無くなります。

絞りの設定は、撮りたい被写体によって変化させます。ポートレートのようにボケを生かしたい場合は開放気味でf値を小さくし、風景で全体をシャープにしたい場合はf8~f11程度に絞ります。太陽の光条を出したい場合はf16前後まで絞ります。

ホワイトバランスの設定は、ゴールデンアワーの限られた時間はできるだけ撮影に集中したいので『オート』でraw保存にして現像時に調整するのがおすすめです。もし、jpgだけで撮影する場合は、ホワイトバランスは『曇天』にすることで赤みが強調されます。

撮影方法は、逆光や逆光ぎみで太陽の光が入るような構図にすると、ゴールデンアワーのキラキラとした柔らかなオレンジの光を活かした写真に仕上がります。意図的にフレアやゴーストを発生させるのも作品としては全然ありです。

風景写真の場合は、太陽を入れた逆光で撮影すると明暗差が激しくなり白飛びや黒潰れしやすくなるので、ハーフNDフィルターを使ったり、ブラケット撮影で後からHDR合成すると綺麗に仕上がります。

オートブラケット撮影方法を解説!白とび黒潰れを回避してHDR合成もできる
明暗差のある撮影をする時は露出オートブラケット機能を使うと露出違いの写真を瞬時に複数枚撮影することが可能になります。また、ブラケット撮影した露出違いの複数枚の写真をHDR合成することで白とびや黒潰れのない綺麗な写真に仕上げることができます。オートブラケット撮影なら貴重なシャッターチャンスを逃すような失敗も少なくなるというメリットもあります

また、ゴールデンアワーで水の流れや雲の流れを表現したい場合は、NDフィルターを使用して、意図的にシャッタースピードを遅くするテクニックを使います。絞るだけではシャッタースピードが十分に遅くならない場合が多いので、自分の意図した絞り値でNDフィルターを使用することをおすすめします。

ブルーアワー

日が沈んでからのブルーアワーの時間帯は、光が弱くなるためシャッタースピードが遅くなり、手持ち撮影の場合は手ブレしやすくなるので、クオリティの高い写真に仕上げたいのなら三脚は必須です。

基本的にはブルーアワーの時は絞り優先モードでISO100での撮影で大丈夫ですが、シャッタースピードが遅すぎる場合にはISO感度を上げる必要があります。手持ちで撮影する場合は、絞り優先モードでISO感度をオートにして画質を犠牲にすることで手ブレを最小限に抑えることができます。

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マジックアワーに撮影した作例

ゴールデンアワー

ゴールデンアワーで黄金色に輝く草

NIKON D750 (120mm, f/4, 1/3200 sec, ISO250)
ゴールデンアワーの時だと草が黄金色に輝いて非常に綺麗に写せる

ゴールデンアワーで沈みかける太陽

NIKON D750 (24mm, f/9, 1/400 sec, ISO160)
ゴールデンアワー時に沈みかける太陽と青空

ゴールデンアワーの夕日と絶景

NIKON D7100 (10mm, f/13, 1/100 sec, ISO100)
ゴールデンアワーの夕日と絶景

ゴールデンアワーのビーチのリフレクション

NIKON D7100 (17mm, f/13, 1/60 sec, ISO100)
ゴールデンアワーのビーチの美しいリフレクション

遠近感を出す

NIKON D7100 (10mm, f/16, 1/30 sec, ISO100)
風景写真で近くの物を一緒に入れると遠近感が出る

Sunset at Whatipu Beach

NIKON D7100 (17mm, f/8, 1/20 sec, ISO100)
日没に真っ赤に染まる空は狙い目

ブルーアワー

夜明け前のブルーアワー時のテカポの羊飼いの教会

NIKON D750 (14mm, f/2.8, 2 sec, ISO100)
ブルーアワーに撮影したテカポの羊飼いの教会

太陽が沈んで間もないブルーアワー

NIKON D7100 (17mm, f/8, 1/4 sec, ISO100)
太陽が沈んで間もないブルーアワーは地平線付近がオレンジがかっている

太陽が沈み切った夜に近いブルーアワー

NIKON D7100 (10mm, f/4.5, 20 sec, ISO100)
太陽が沈み切った夜に近いブルーアワー

早朝のブルーアワー

NIKON D750 (24mm, f/2.8, 20 sec, ISO1600)
地平線がわずかにオレンジ色に染まる太陽が昇る前のブルーアワー

マジックアワーが分かる便利アプリ

余り必要性を感じませんが、念のためマジックアワーが簡単にわかるスマホ用のアプリをご紹介します。

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