Luminar 4の新機能に『AI 空の拡張』が追加されました。AI 空の拡張ツールを使うと空にオーロラや鳥、花火、月、飛行機、虹、山などを瞬時に追加し合成することが可能になります。難しいマスク処理や調整は不要で、Luminarの特徴であるAIが自動で行ってくれます。
今回は、Luminar 4に新しく追加された『AI 空の拡張』の使い方を実例と共に解説します。
Luminar 4のAI 空の拡張とは?
Luminar 4には、空全体を入れ替えることが出来るAIスカイ・リプレースメントという機能がありますが、今回新たに追加されたAI 空の拡張は、空の一部にオブジェクトを追加する機能です。
複雑な木の枝などを含んだ景色などの写真の場合、マスク処理が非常に面倒で違和感なく馴染ませるにはそれなりの技術が必要になるのですが、Luminar 4のAI 空の拡張ツールなら、人工知能のAIが自動で処理してくれます。
追加できるオブジェクトは以下になります。
- Aurora(オーロラ)
- Balloon(気球)
- Birds(鳥)
- Clouds(雲)
- Eagle(鷲)
- Fireworks(花火)
- Giraffe(キリン)
- Lightning(雷)
- Moon(月)
- Mountains(山)
- Plane(飛行機)
- Planet(惑星)
- Rainbow(虹)
上記以外にも、オリジナルの画像を追加することも可能です。
AI 空の拡張の使い方
Luminar 4のAI 空の拡張で空にオブジェクトを追加するには、プルダウンから画像を選択するだけで、面倒なマスク処理などは全てAIが自動的に行ってくれます。
今回サンプルで使う写真は、厳島神社の鳥居です。雲が多めで、鳥居や風景部分のマスク処理が必要な、少しトリッキーな画像でAIの精度を試したいと思います。
プルダウンからオブジェクトを選択
まずは加工したい元画像をLuminarで開き、画面右側の中央のパレットアイコン(クリエイティブ)をクリックし【AI 空の拡張】を選択します。
【オブジェクト選択】をクリックし、プルダウンからオブジェクトを選択します。
AI 空の拡張の設定項目
オブジェクトを選択したら、より綺麗な仕上がりになるように微調整します。
サンプルでは『Mountain 4』を選びました。
量
【量】は、AI 空の拡張の適用量を設定します。数値が大きいほど、オブジェクトがはっきりとしますが、オブジェクトによっては、数値を下げて少し薄っすらとさせると違和感のない仕上がりになります。
温かみ
【温かみ】は、ホワイトバランスの設定になります。スライダーを左へ動かすと青くなり、右へ動かすと赤くなります。元画像に合わせて、ホワイトバランスを調整します。
リライト
【リライト】はオブジェクトの光の当たり方の強弱を調整します。スライダーを左へ動かすと光が弱くなりシャドウが濃くなり、右へ動かすと光が強くなり白っぽくなります。元画像に馴染むように調整します。
オブジェクトを配置
【オブジェクトを配置】は、オブジェクトの位置や大きさ、角度を自由に調整できます。位置を動かす場合はドラッグし、大きさを変える場合は四隅の角をドラッグします。角度を調整する場合は、四隅の少し外側にカーソルを合わせ回転アイコンが表示されるので、調整したい方向へ動かします。
詳細設定
【マスクの改良】は、デフォルトでマスク処理が上手くいかない場合、スライダーを動かして微調整します。
【ピンぼけ】は、オブジェクトをぼかす場合に使います。大抵は、そのままでも良いと思います。
上級テクニック:複数のAI 空の拡張を使う
AI 空の拡張で複数のオブジェクトを重ねたい場合は、Luminarのレイヤーを機能を使います。
手順はレイヤーを複製し、表示させる部分にマスク処理を施すだけです。
リフレクションには対応できない
AI 空の拡張は空に対してのツールなので、残念ながらリフレクションの部分は、人工知能が空としては認識しないためオブジェクトを表示させることができないようです。上下に同様のオブジェクトを反転して追加するというのが出来ないのがちょっと不便かもしれません。
AI 空の拡張が完成!
大抵の場合、温かみのホワイトバランスを調整とオブジェクトの位置や大きさを変えるだけで、綺麗に違和感のない仕上がりになります。
AI 空の拡張を使った作例
AI 空の拡張で挿入するオブジェクトによっては、雲があると上手く馴染まない場合もあるようです。
オーロラ
オーロラは雲が無い方が自然な仕上がりになります。
鳥
鳥は3種類用意されていて、雲があっても比較的馴染みやすく自然な仕上がりになります。
花火
鳥は3種類用意されていて、雲があると自動的にマスク処理され、一部が欠けてしまう場合が多いようなので、雲のない空のほうが良いかと思います。
雷
雷は2種類用意されていて、どんなそれでも合成可能ですが、やはり雲があった方が、違和感のない自然な仕上がりになります。
月
月は2種類用意されていて、雲や景色があっても重なる部分は自動的にマスク処理してくれますが、雲が多すぎると上手く合成できない場合があります。月に類似したPlanet(惑星)も同様です。
虹
虹は2種類用意されていて、雲があっても無くても合成できますが、空によっては雲と虹が綺麗に馴染まない場合もあるようです。
下の例では、虹が一部が若干欠けた感じになっているのがちょっと残念。レフレクションにも虹が追加できれば更に使い勝手が増すのですが、今のところは出来ないようです。
山
山は4種類用意されているのですが、AI 空の拡張ツールで一番驚いたのは、山(Mountain)です。LuminarのAI機能が十分に活かされていて、空と風景との位置関係をAIが自動的に判断して、山を綺麗にマスク処理して、違和感なく馴染ませることがきます。
曇り空でも山を合成できます。手前の景色や雲も自然なマスク処理を瞬時に行い、違和感のない仕上がりです。曇っている空の場合は、効果の強さを弱めに設定すると、馴染みやすくなります。
まとめ
Luminar 4の特徴である人工知能を使ったAI 空の拡張ツールは、中々精度が高く、パッと見ただけではフェイクかどうか判断できないレベルの仕上がりです。写真を合成するには高度なマスク処理でPhotoshopを使いこなさないと出来なかったのですが、誰でも簡単にプロ級の仕上がりになるのは、Luminarの凄さだと実感しました。