空を入れ替えて合成するにはPhotoshopを使うのが定番ですが、マスク処理や色調を整えて違和感なく仕上げるには結構手間のかかる作業になってしまいます。しかしLuminar 4という画像編集ソフトの人工知能のAI機能を使えば、誰でも簡単に空の入れ替え追加する作業を瞬時に行うことが可能です。
Luminar 4のAIスカイリプレースメント機能は、今までの空の入れ替え合成作業の常識を覆す簡単さで、しかも綺麗な仕上がりで、合成しているのが全く分からない程の完成度です。
今回は、実際に自分で用意した画像を使いLuminar 4のAIスカイリプレースメント機能の使い方を作例と共にご紹介します。
Luminar 4のAIスカイリプレースメントとは?
Luminar 4のAIスカイリプレースメントとは、写真の空を入れ替える合成作業を人工知能のAIが簡単に行ってくれる画期的な機能です。全てAIにお任せではなく、面倒な作業をAIが行い、最終的な微調整は自分で行えるというのがポイントです。
複雑なマスクもAIが瞬時に処理
空を入れ替えて合成する際に一番面倒なのがマスク処理です。シンプルな景色の場合は比較的簡単な場合もありますが、木の枝などが複雑になっている写真の場合は、綺麗にマスク処理するには、非常に手間がかかり、ある程度の知識と技術が必要になってきます。
しかし、Luminar 4のAIスカイリプレースメントは、複雑なマスク処理も瞬時に行い、空と景色部分の境目に違和感がある場合は、自然になるように自分で微調整することも可能です。
景色部分の色調補正で違和感なし
明るさや色調が違う空と景色を合成しても、Luminar 4のAIスカイリプレースメントは、合成したのがわからないように自然な仕上がりにしてくれます。しかも、自分で微調整することも可能です。
空の種類が多い
デフォルトで用意されている空は、全部26種類で青空から夕陽までいろいろな空に入れ替え可能です。
また、自分のオリジナルの空の写真を追加し、空を入れ替えることもできるので、Luminarっぽい空になるという心配はありません。
Luminar 4で空を入れ替える方法
Luminar 4のAIスカイ・リプレースメントで空を入れ替えるには、プルダウンから空の画像を選択するだけで、面倒な作業は全てAIが自動的に行ってくれます。
今回はあえてLuminar 4のAIスカイ・リプレースメントの実力を試す為、木の枝が細かく入り組んだ写真を使って実験してみました。
プルダウンから好きな空を選択
空を入れ替えたい元画像をLuminarで開き、画面右側の中央のパレットアイコン(クリエイティブ)をクリックし、AIスカイ・リプレースメントを選択します。
AIスカイ・リプレースメントの設定パネルから、プルダウンで空を選択します。数秒~十数秒で空が入れ替わるので、いろいろ試してみて好みの空を選びます。空の画像がサムネイルでプレビューできると便利なのですが…。
もし自分で用意したオリジナルの空の写真を使用する場合は、プルダウンの一番下の『カスタムの空画像をロード…』を選択し、画像を読み込みます。
空の位置など大まかに調整
空と地上の写真が違和感なく合成されるように、位置や明るさなどを調整します。
ホライズンブレンディング
元画像の空と入れ替え用の空との境目のぼかし具合を調整します。スライダーを右に動かすとぼかし具合が大きくなり、緩やかなグラデーションで自然に馴染んだ感じになるので、状況に合わせて設定します。
景色で境目が隠れる場合は、デフォルトの設定のままで、ほぼ問題ないかと思います。
デフォルトの数値は『20』になっているので、状況に合わせて調整します。数値が大きいほどグラデーションが緩やかになります。
地平線の位置
空の位置を上もしくは下に調整します。スライダーを右(+)に動かすと空が上に移動し、スライダーを左(-)に動かすと空が下へ移動します。
リライトシーン
入れ替えた空と違和感なく風景部分が合成されるように全体の光や色味を調整します。
例えば、夕陽の空を選択した場合は、リライトシーンのスライダーを右に動かすことで適用度が大きくなり、風景部分もよりオレンジがかった色調に補正され合成されるようになります。
スカイグローバル
空と景色の境目のマスクの細かさを調整します。数値を大きくすると、境目が滑らかになるのですが、景色部分に空が透けて見える場合もあるので注意が必要です。
違和感のないように細部を微調整
ほとんどの場合、大まかな設定だけで違和感なく空が入れ替わるのですが、写真によっては上手く合成されない時があるので、そういった場合は更に『詳細設定』で微調整します。
ギャップを閉じる
合成した風景部分と空との細かな境目を綺麗に埋めるための機能です。木の枝など複雑な形状で元の空が残っている場合は、スライダーを右に動かすことで、合成部分の境目がより滑らかになります。しかし、複雑すぎる場合は、上手く機能しない場合もあるようです。結構微妙な変化なので拡大して微調整します。
スカイローカル
空と景色部分との境目の合成加減を調整します。スカイグローバルよりも景色部分に影響がでるようで、数値を大きくしすぎると景色部分に空が透けて見えたりする場合もあるようなので、全体を見ながら調整する必要があります。
※現時点ではスカイグローバルとスカイローカルとの違いがイマイチわからないので、後日確認します。
スカイデフォーカス
背景がぼやけた写真で空を入れ替える時に、空をぼかすための設定です。パンフォーカスで撮ることの多い風景写真の場合は、あまり使わない機能だと思います。
フリップスカイ
空を左右に反転させる設定です。
AIが自動で空と風景の色調を合わせてくれるとは言っても、光の当たる方向が違うと不自然になってしまうので、風景部分の光の当たる方向と空の太陽の方向を合わせることで、より自然な仕上がりになります。
空の温度、露出
空の温度(ホワイトバランス)や露出(明るさ)を調整する機能で、風景部分も同時に色味や明るさが自動で変化します。
空の入れ替えがあっという間に完成!
細かい複雑な枝の隙間なども綺麗に空を入れ替え合成してくれました。正直、言わなければ空を合成したことは全然わからないレベルのほぼ完璧に近い違和感のない仕上がりに驚きです。
AIスカイ・リプレースメントで空を入れ替えた後に、他のフィルター効果で調整すれば、一層見栄えが良くなります。
試しに天の川と合成してみましたが、空の暗さに合わせて景色の露出も違和感ない仕上がりです。
天の川の合成も簡単!
Luminar 4のAIスカイ・リプレースメントのデフォルトで用意されている空でも十分ですが、自分で用意したオリジナルの空を使うこともできます。アイデア次第では、リアルに合成された空に気付かず、非現実的なシチュエーションなのに信じてしまうかもしれません。
天の川をあり得ない場所と合成するのも簡単!
SNSではたまに天の川を合成したフェイク画像が多くのいいねを獲得しているのを見かけますが、Luminar 4のAIスカイ・リプレースメントなら、そんな合成もあっという間にできてしまいます。
清水寺と天の川
厳島神社の鳥居と天の川
まとめ
今まで、空を入れ替える作業はPhotoshopを駆使して、細かなマスク処理を施し結構な時間を費やしていたのが、Luminar 4のAIスカイリプレースメントの登場で、そのワークフローが大きく変わることは間違いありません。
RAWファイル対応の画像編集ソフトLuminar 4は、1万円以下で購入でき非常にリーズナブルなのですが、AI機能の優秀さには驚かされます。
今後は、SNSで空を入れ替えた星景写真のフェイク画像が蔓延るかもしれません。