Adobe Lightroomが大幅アップデートされ、新機能に『テクスチャ』補正が追加されました。以前からある明瞭度と似ていますが違いがあるので使い分けができると更に繊細なレタッチが可能になります。
今回は、LightroomやCamera Rawに追加された『テクスチャ』補正機能の詳細と明瞭度との違いを解説します。
新機能『テクスチャ』とは?
テクスチャ(Texture)とは、英語で質感という意味で、Lightroomに追加されたテクスチャ補正は、まさしく質感の強弱をコントロールすることができる便利な機能です。
Adobeの公式ブログによれば
新しい編集コントロール「テクスチャー」を使うと、肌の肌理(キメ)、樹皮、頭髪のような中精細度のディテールを際立たせたり、平滑化することができます。中精細度のディテールのみを抜き出して処理することで、ノイズの発生やボケへの影響なしに、毛穴のような高精細度のディテールを保ちながら(不自然に見えないように)肌目をスムーズにしたり、樹皮や頭髪のディテールを強調したりできます。
との事で、より細かな画像レタッチを可能にしています。
また、テクスチャ補正を使うことで、質感を強調し際立たせるだけでなく、逆に滑らかにする事も可能にしています。
補正ブラシや段階フィルターなどを使って、部分的にマスク処理を施し、テクスチャ補正をすることも出来るのでレタッチの幅も広がります。
明瞭度とテクスチャの違い
新機能の『テクスチャ』は、以前からある機能の『明瞭度』と似ていますが、大きな違いは、細かな高精細度の部分はそのままで、中精細度のディテールのみをコントロールするという所です。
一方の『明瞭度』は、高精細度や中精細度、低精細度、関係なしに、全体的に補正される為、プラス補正をしすぎると不自然な仕上がりになったり、ノイズが目立ったりする場合もあります。
『テクスチャ』と『明瞭度』の比較例
Lightroomの『テクスチャ』と『明瞭度』の違いが分かりやすいように、それぞれプラス100の補正をした場合の比較です。
まずはLightroomの補正なし。
『テクスチャ』と『明瞭度』の違いは一目瞭然で、『テクスチャ』は自然な仕上がりでやや控えめな感じに対して、『明瞭度』は全体的にコントラストが強まっているのが確認できます。
テクスチャの使用例
テクスチャをプラス補正した場合
テクスチャをプラスに補正すると質感がより強調されます。木目、岩肌、動物の毛や皮膚などを強調したい場合にテクスチャをプラス補正すると効果的です。
テクスチャをマイナス補正した場合
テクスチャをマイナス補正すると質感が滑らかになります。ポートレートなどの女性の肌、ノイズが目立つ星景写真、長時間露光の水面などでテクスチャをマイナス補正すると効果的です。
まとめ
Lightroomの新機能の『テクスチャ』と以前からある『明瞭度』の合わせ技でレタッチに柔軟性が生まれ、写真の表現に幅が広がるので、積極的に使いたい機能だと思います。