Lightroomがバージョンアップし、今まであったスプリットトーニング機能に代わって、大幅に進化して新しく追加されたのがカラーグレーディング機能です。
今回は、LightroomとPhotoshopのCamera Rawに新規追加されたカラーグレーディング機能の特徴や使い方を風景写真を使った実例と共に詳しく解説します。新機能で使い方が良くわからないけどカラーグレーディングを使いこなしたい人は必読です!
カラーグレーディングとスプリットトーニングの違い
カラーグレーディングとスプリットトーニングの一番の大きな違いは、シャドウとハイライトの他に中間調が加わったことです。基本的な使い方は一緒ですが、その他の新機能として、輝度や合成、グローバルなどが加わり、カラーグレーディングの方がより細かな調整ができ、今まで以上の柔軟な色調コントロールが可能になりました。
カラーグレーディングの特徴と使い方
カラーグレーディングは、ある程度現像作業が終わって、最終仕上げで全体の色のバランス調整を行う際に使うのが基本となります。写真全体の色の調整は、ホワイトバランスやHSL/カラーだけだと微調整が難しいのですが、カラーグレーディングを使うと簡単です。
直感的に色が選べるカラーホイール
カラーホイールは直感的に色が選べ、シャドウ、中間調、ハイライトのそれぞれ独立して調整ができます。カラーホイール(円)上にカーソルを合わせ、好きな色や濃さに調整します。
シャドウ、中間調、ハイライトを全部まとめた3ウェイ表示だとカラーホイールが小さすぎて調整しにくいので、それぞれ個別に表示させると使いやすいかと思ます。
個別に表示させる場合は、上部にある丸いアイコン(左から3ウェイ、シャドウ、中間調、ハイライト、全体)をクリックすると、表示が切り替わります。
また、三角形のアイコンをクリックすると、隠れていた色相と彩度のスライダーが表示されます。カラーホイールよりスライダーの方が数値での入力もできるので微調整がしやすくなります。以前あったスプリットトーニングと同様の操作で調整できます。
写真から色を選択したい場合は、カラーホイールの左下にある■をクリックすると、カスタムカラーパネルが表示されるので、スポイトツールを写真上にドラッグします。
目のアイコンを長押しクリックしている間は、カラーグレーディングが無効になり、写真が適用前の状態に切り替わり、効果の確認が簡単に行えます。
全体(グローバル)
上部にある丸いアイコンの一番右の『全体(グローバル)』は、画像全体の色を変更する時に使います。シャドウ、中間色、ハイライトは、それぞれ個別で調整していたのに対して、グローバルは全体の色相と彩度、輝度の調整が可能です。
全体的に青っぽく、オレンジっぽく等の作業は、全体(グローバル)を使うと簡単に行えます。
合成(ブレンド)
合成は、シャドウ、中間色、ハイライトの3つの色調の混ざり具合を調整する機能です。数値が少ないほど、それぞれの色が独立した状態になり、数値が高いと色が混ざり合う状態になります。
実際の写真は複雑な色なので、実際の混ざり具合が分かりにくいので、白黒のグラデーションで実験してみました。シャドウは赤(色相 0)、中間調は緑(色相 120)、ハイライトは青(色相 240)で彩度は全部100に設定してあります。
バランス
バランスは、数値がマイナスになるとシャドウ側、数値がプラスになるとハイライト側の色の影響が大きくなります。合成とバランスの違いが少し分かりにくいですが、バランスは単純に色の比率の調整といった感じです。
合成と同様に、シャドウは赤(色相 0)、中間調は緑(色相 120)、ハイライトは青(色相 240)で彩度は全部100に設定して、実験してみました。
風景写真にカラーグレーディングを使った実例
今回使用したサンプルは夕方撮影した風景写真です。カラーグレーディングなしで現像した状態だと平凡な印象の写真です。
次にカラーグレーディングを使用して、シャドウと中間調にオレンジ色、ハイライトにピンク色を加え、バランスを-59にして、シャドウ寄りのオレンジっぽさを強調してみました。
次に先ほどのシャドウ、中間調、ハイライトの数値は同じで、バランスを+52にして、ハイライト寄りのピンク色を強調してみました。バランスだけで雰囲気が大きく変化するのがわかります。
カラーグレーディングはシャドウ、中間調、ハイライトの調整は出来ますが、必ずしも全部使う必要はなく、写真によってはシャドウだけとか、ハイライトだけとかでもOKです。色々な組み合わせを試して自分の理想の色調にしていくと良いかと思います。
動画で見る
カラーグレーディングの使い方を動画にしてYouTubeにアップしました。
まとめ
カラーグレーディングは、写真レタッチの初心者の方には少し難しそうに見えるかもしれませんが、慣れれば意外と簡単で、写真全体の色調を自由自在に操ることができます。
スプリットトーニングよりも更に微調整が可能になったカラーグレーディングを身に着け、一歩上の写真レタッチにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?