マニュアルレンズには色々な数字や目盛りが表記されていますが、それらの見方を理解していれば絞りや被写界深度がコントロールでき、確実なピント合わせでマニュアルレンズを使いこなせるようになります。
今回はマニュアルレンズに表記されている目盛りや数字の見方を詳しく解説します。
マニュアルレンズの表記の種類と見方
絞りリングの値
マニュアルレンズは基本的にレンズ側で絞りを調整する為、絞りリングを回して手動で変更します。一般的に絞りリングには最小から最大まで一段ごとに絞り値が表記されていて、中央の線に合わせた数値が絞り値となります。

マニュアルレンズの絞り値を絞りリングで合わせる
マニュアルレンズの絞り調整は1/2段もしくは1/3段ごとで、最大と最小値付近のみ1段ごとだったりと、微調整が出来ないレンズもあります。
マニュアルレンズの多くは電子接点がなく、カメラ側に絞りの数値が表示さない為、撮影する時は必ず絞りリングで絞り値を確認する必要があります。また、EXIFデータにも記録さない為、撮影後に絞り値を確認することができないので、必要があればメモすると言った対応が必要になってきます。
ピントの距離
マニュアルレンズにはピントの距離が表記されていて、m(メートル)とft(フィート)の両方で表記されている場合がほとんどで、最短撮影距離から無限遠まであり、ピントリングの動きと連動しています。
ピントの距離は、厳密に言うとカメラ本体にある距離基準マークからの距離になりまが、最短撮影距離で撮影しない限りは、数センチの違いなので大まかな距離として把握しておけば問題ないかと思います。
被写界深度目盛り
マニュアルレンズの被写界深度目盛りは、ピントの合っている範囲を大まかに把握する為のものです。
太い線を中心に左右対称に表記されている数字が絞り値で、細い線の目盛りがピントの合っている範囲、いわゆる被写界深度の範囲を表します。
例えば、絞りがf8、ピントの距離が0.5mに合わせた場合、被写界深度目盛りを見ると約0.45~0.6mの間が被写界深度の範囲というのが判断できます。かなりザックリとしか判断する事ができません。
被写界深度目盛りは、被写体までの距離が比較的近くてパンフォーカスさせたい場合のおおよその目安としては便利で有効かと思います。
正確な被写界深度の範囲を知りたい場合は、スマホアプリを活用するのが良いと思います。おすすめはPhotopillsというカメラマン向けの総合スマホアプリが高機能で便利です。


まとめ
高性能なオートフォーカスレンズが主流になっている現在、マニュアルレンズを使う機会は少ないかもしれませんが、表記されている数値の意味を知っていれば被写界深度に関しての知識が身に付くかと思います。少し古めのAFレンズでも被写界深度目盛りが付いている場合もあるので、チェックしてみてはいかがでしょうか?