メインの被写体にピントを合わせた状態で構図を変えたい場合、便利なのがフォーカスロック撮影です。カメラ任せのオートフォーカスで撮影すると意図しない場所にピントがあってピンボケ写真になる場合があります。
今回は、被写体にピントを合わせたまま自由に構図を変えられるフォーカスロックの撮影方法を解説します。せっかく高性能な一眼カメラなのに日の丸構図になりがちなカメラ初心者の方におすすめの撮影テクニックです。
フォーカスロックとは?
フォーカスロックとは、ピントを固定すると言う意味で、自分の意図した所でピントを固定したままカメラを動かし構図を変更するのがフォーカスロック撮影というテクニックです。
フォーカスロック撮影に適した被写体
基本的に動きのない風景やスナップ、動きの少ないポートレート撮影がフォーカスロックに適しています。逆に動きのある被写体でフォーカスロック撮影をしてしまうとピンボケする確率が高くなるので注意が必要です。
フォーカスロック撮影方法
カメラ設定【AF-S+シングルポイントAF】
フォーカスロック撮影を行うときのカメラ設定は、オートフォーカスをAF-Sモードにし、AFエリアは意図した所にピントが合わせられるシングルポイントAFにします。
被写体の動きがほとんどない場合はシングルポイントAFが基本になります。
被写体にピントを合わせる
ピントを合わせたい被写体を一時的に中央に配置してフォーカスポイントを重ね、シャッターボタンを半押ししてピントを合わせます。この時シャッターボタンを押し切らないように注意してください。
フォーカスロックする
AF-Sに設定していれば、シャッターボタンを半押しし続けている間はピントが固定になりフォーカスロックの状態になります。
また、シャッターボタンを半押してピントが合った状態で、AE/AFロックボタンを押し続ければ、シャッターボタンから指を離しても、フォーカスロックの状態になります。
シャッターボタンの半押しが一般的な方法ですが、実はもっと簡単な親指AFという方法を使うと格段に撮影が楽になります。
カメラを動かし構図を変える
フォーカスロックの状態になったら、構図を決定する為に、カメラの方向を上下左右に少し動かし中央にある被写体を移動させます。
フォーカスロックした状態で構図を変える時、被写体との距離が変わってしまうとピンボケになる場合があるので、できるだけ被写体との距離が変わらないように構図を変えるのがポイントです。
特に被写体との距離が近く、F値が少ない絞り開放になっている場合は、ピントが外れやすくなるので注意が必要です。
まとめ
ピント位置を固定して構図を自由に変えられるフォーカスロックは非常に使用頻度の高い撮影テクニックです。一眼カメラは日々進化して、オートフォーカスの精度も上がってはいますが、フォーカスロック撮影ではあくまで撮影者がピント位置を決定するという所がポイントです。
一眼カメラの性能を十分に引き出すには、カメラ任せの設定ではなく、最終的には自分でコントロールすることが重要になってくるかと思います。