日の出撮影では太陽の昇る方角や位置を把握しておく必要があり、薄暗いうちに準備をしなくてはならないので夕日に比べると少しハードルが高いイメージがあります。
今回は初心者の方でも日の出や朝日を綺麗に撮影する方法やコツ、カメラの設定などを詳しく解説します。
日の出撮影の成功の鍵は事前の準備
日の出を撮影するには、太陽の昇る方角や位置を把握してあらかじめ構図を決めておくことが重要です。夕日なら太陽が見えているので沈んでいく位置が簡単に予測できるのですが、日の出の場合はそうは行きません。
太陽の昇る位置の把握と撮影場所の選定
現地に行き当たりばったりで日の出を撮影しようとしても、太陽の昇る位置を把握していないと失敗する可能性が高くなってしまいます。
まずは、事前にGoogleマップやアプリを使って日の出の位置を確認しながら、撮影場所を選定することが重要です。
太陽の位置がマップ上で把握できる便利アプリ The Photographer’s Ephemeris(TPE)
余裕があれば、事前にロケハンして大まかな撮影ポイントに目星をつけておくと、当日はスムーズに撮影ができます。
日の出の1時間半前には現地に到着
日の出の1時間半前位から空が徐々に明るくなりはじめるので、最低でも1時間半前には現地に到着して、しっかりと準備を整え時間に余裕を持つことが重要です。特に初めて行く場所なら、ロケハンする時間を考慮するともっと早い方が良いと思います。
この構図でしか撮れない!というような場合は、現地で正確な太陽の位置を把握する為にアプリを利用すると良いでしょう。
また、少し早めに到着すれば、日の出だけでなく、太陽が昇り始める前の幻想的なマジックアワーを撮影することもでき一石二鳥です。
日の出撮影に必要なカメラ機材
日の出撮影には基本的なカメラ機材があれば大丈夫です。
三脚
太陽が昇り始める時間帯は十分な明るさがあるのですが、ブレのない綺麗な日の出を撮影するには三脚があった方が良いです。日の出前に三脚にカメラをセットして完璧な構図を決めておけば、あとはシャッターを切るだけでOKです。構図がズレることもありません。
レリーズ
三脚を使う場合はレリーズやワイヤレスリモコンがあると非常に便利です。自分の好きなタイミングでシャッターが切れブレる心配がありません。
レンズ
どういった構図で日の出を撮影するかにもよりますが、広角から望遠まで撮れるズームレンズが便利です。日の出の前後はある程度明るいので、特に明るいレンズが必要と言う訳ではなく、f3.5位のレンズキットでも問題ありません。
広角側で絶景と一緒に日の出を入れたり、望遠側で日の出を大きくしつつもアクセントとなるランドマークを一緒に入れたりと、ズームレンズがあると色々な構図での撮影が楽しめます。
日の出撮影時のカメラの設定
日の出は逆光になり明暗差が激しいので白飛びや黒潰れしやすくなります。太陽が昇るスピードは思った以上に速いのでシャッターチャンスを逃さないようにしましょう。
撮影モード:絞り優先
日の出が近づくと共に太陽が徐々に昇り始めると明るさもどんどん変化してくるので、絞り優先モードにしておくのが簡単でおすすめです。
絞り:f8~f14
風景写真でパンフォーカスで日の出を撮影する場合は、太陽の光が強いので絞りの設定はf10前後のやや絞り気味でいいかと思います。
光芒を出したい場合は、f16位まで絞って太陽光にワンクッション入れて光を少し弱めると良いでしょう。
もちろん、人物をメインにして日の出や背景をぼかしたい場合は、絞り開放にして撮影するので、メインとなる被写体に合わせて絞りをコントロールしてください。
ISO感度:100
日の出の頃になると十分な明るさがあるので綺麗な画質にする為にISO感度は出来るだけ低く設定しておけば問題ありません。もし、三脚を使わずに手持ちで撮影する場合は、手ブレしないシャッタースピードになるまで少し感度を上げて対策をしておいた方が良いです。
ホワイトバランス
ホワイトバランスの設定は雲天などの暖色系にしておくと、朝日のオレンジがより強調されドラマチックな雰囲気になります。
もちろん、RAWファイルで撮影している場合は、撮影後でも自由に変更できるので、ホワイトバランスはオートにして撮影に集中しましょう!
露出は少しアンダー気味
日の出撮影は逆光になるので、測光モードが多分割測光になっていると明る過ぎて太陽部分が白飛びする場合が多いので、スポット測光にして太陽近くに合わせると露出アンダー気味で撮ることができます。
ゴーストの原因、レンズ汚れに注意!
強い光の日の出撮影の場合、レンズやフィルターに汚れが付着しているとゴーストが発生しやすくなるので、出来るだけ綺麗に拭き取っておくことが重要です。
レンズの保護フィルターによっては、ゴーストの原因になっている場合もあるので、ゴーストが消えない場合はフィルターを外してみるのも一つの手段です。
脱初心者な日の出撮影テクニック
日の出だけを写さずに景色を入れた構図
その場所でしか撮影できない特徴的なランドマークや景色と一緒に日の出を入れた構図だと、その場の雰囲気が伝わりストーリー性が生まれ、より感動的な写真に仕上がります。
例えば、富士山の見える場所で、日の出だけを撮影した写真と比べたら、富士山と一緒にいれた構図の方が断然良い写真になりますよね?
基本的には風景写真に『日の出を加える』という構図を心掛ければ簡単です。あとは、朝日の昇ってくる位置を予測して構図に当てはめて、カメラを構えたら準備OKです。
白飛びさせない撮影方法
日の出や朝日の撮影で良くある失敗は白飛びだと思います。日の出を撮影する際、風景部分の明るさに露出を合わせると太陽の部分が大抵の場合は白飛びしてしまいます。
ブラケット撮影
日の出を撮影する時に白飛びを回避するにはブラケット撮影がおすすめです。同じ構図で露出の違う写真をブラケット撮影しておけば、白飛びや黒潰れの失敗を極力回避でき、現像時にHDR合成する事も出来ます。
まとめ
気軽に撮影できる夕日と比べると、日の出を撮影するには早起きしなければいけなくライバルが少ないので、自分だけの絶景スポットを独り占めできるチャンスです。
日の出撮影は太陽の出てくる位置を予測して構図を決める難しさはありますが、基本的には夕日の撮影と同じなので、日の出撮影にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?