車のライトの光跡の撮影方法!長時間露光で仕上げる夜景写真テクニック

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美しい光跡の撮影方法 カメラ基礎知識

車のヘッドライトやテールランプが線状になった光跡の綺麗な夜景写真を撮影するには長時間露光でシャッタースピードを遅くする必要があります。通常の夜景撮影方法だと光跡が途切れてしまうのですが、NDフィルターを使うことで長い途切れのない車の光跡を撮影することが出来るようになります。

今回は、途切れのない車のライトの光跡の撮影方法をご紹介します。

夜景撮影でシャッタースピードを変化させる長時間露光のテクニックを取り入れると色々な撮影が可能になってきます。蛍、星の軌道、ライトペインティング、花火なども長時間露光を応用した光跡の撮影テクニックです。

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車の光跡撮影に必要なカメラ機材

三脚

車の光跡を撮影するには長時間露光でシャッタースピードを遅くする為、ブレ防止で三脚は必須です。カメラの大きさ・重さに耐えられるしっかりとした三脚を選ぶと良いでしょう。

レリーズやリモコン

2秒タイマーでも対応可能ですが、ブレずにタイミングよくシャッターを押す必要があるのでレリーズやリモコンが必須です。

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NDフィルター

絞ってF値を高くしてシャッタースピードを遅くする事もできますが回折現象による画質低下を避けるために、長時間露光で撮影するにはNDフィルターを使用します。

場所によって明るさが違ってくるのですが、夜景の光跡ならND4、ND8、ND16位があれば十分カバーできると思います。明るめの場所ならND8かND16が効果的に撮影ができます。

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光跡を撮影する時のカメラ設定

車の光跡を撮影するには基本的にマニュアルモードに設定するのですが、撮影場所や状況によって明るさが違ってくるので、シャッタースピードはその場で微調整します。

撮影モード:マニュアル
絞り:f8~f14位
ISO:100
シャッタースピード:20秒以上
ピント合わせ:MF

車の光跡が途切れないシャッタースピード設定

車の光跡が途切れないように撮影するには、車が通りすぎるまでシャッターを開けておく必要があります

交通量や車の速度、画角などで車が完全に通り過ぎるまでの秒数が違ってくるので、実際に最低限必要な秒数を大まかで構わないので計ってから、シャッタースピードを決めると失敗が少なくなります。

マニュアルモードでシャッタースピードを決める方法

いきなりマニュアルモードで設定するのは難しいので、最初は『絞り優先モード』にして絞りをf8~f14位で試し撮りをして、基準となるシャッタースピードを決めます。

ヒストグラムをチェックして問題なければ、そのシャッタースピードを基準にして、マニュアルモードに切り替えます。
露出(明るさ)を変えたい場合は、マニュアルモードに切り替えて、シャッタースピードを微調整します。

NDフィルター装着前のシャッタースピードが決まったら、今度はNDフィルターを付けた時に適正露出になるようにシャッタースピードを設定します。

装着前のシャッタースピード × NDの番号 = 装着時のシャッタースピード
例えば、NDフィルター装着前のシャッタースピードが5秒の場合、ND8のフィルターを付けるとシャッタースピードは8倍の40秒で適正露出になります。
NDフィルターの番号から適正なシャッタースピードを計算する方法
NDフィルターは、光の量を減らしシャッタースピードを遅くして通常よりも露出時間を長くしたい時に使うフィルターです。NDフィルターの番号が大きいほど、シャッタースピードを遅くすることができます。実際、NDフィルター使用時にどれくらいのシャッタースピードに設定すれば良いかご存知ですか?

実際の撮影例

まずはNDフィルターなしで試し撮りした写真です。シャッタースピードが10秒とちょっと短いために車のライトが途切れているのが確認できます。

車の光跡撮影でシャッタースピードが短すぎる場合

NIKON D750 (24mm, f/9, 10 sec, ISO100)
車の光跡撮影でシャッタースピードが短すぎるとライトが途切れる

次にND16のフィルターを装着してシャッタースピードを遅くして撮影したのが下の写真です。車のライトが途切れずに綺麗な線状の光跡が撮影できました。

車の光跡撮影でシャッタースピードを長くした例

NIKON D750 (24mm, f/9, 150 sec, ISO100)
NDフィルター装着で車の光跡が途切れずに撮影できる

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ワンランク上の光跡を撮影するためのコツ

光跡が途切れないようにする

出来るだけ車のライトが途切れないように十分に長いシャッタースピードにして、タイミングよくシャッターを押すことが光跡を撮影する上で一番重要になってきます。

シャッタースピードが短すぎたり、タイミングが悪いと車のライトが途中で途切れて、不完全な光跡写真になってしまいます。

場所や時間帯

ある程度車の通りが多くスムーズに流れている道路のほうが光跡は撮影はしやすくなりますが、車の交通量の少ない場所だと待ち時間が多くなりがちでシャッターチャンスが少なくなってしまいます。

また、交通量が多すぎて渋滞して車が止まってしまうような場合は、光跡が途切れる原因になってしまうので、交通量が多くても時間帯を選ぶ必要があります。

ポジションやアングルを工夫する

高架上から見下ろすようなアングルからではなく、逆に低めの位置からローポジション&ローアングルで光跡を撮影すると違った雰囲気の写真に仕上がります。また、トラック、バス、電車などのライトは、乗用車よりも高い位置にライトがあるので、面白い効果も期待できます。

街灯の光条を出すなら絞り気味に

街灯の光条や光芒を出したい場合は、絞りをf14位まで絞ると比較的綺麗に出すことができます。光の強さやレンズによって光条や光芒が出にくい場合もあるので、絞り値の違う設定で数枚撮り比べると良いと思います。

まとめ

車の光跡の撮影方法はマニュアル設定の部分が多いので慣れないと若干難しいかもしれませんが、一眼カメラならではの撮影方法で綺麗に撮れると一層カメラが楽しくなるはずです。車だけでなく電車や船なども同様の方法で光跡撮影ができますので、是非チャレンジしてみてはいかがでしょうか?

今回はNDフィルターを使って途切れのない車の光跡の撮影方法をご紹介しましたが、NDフィルターなしの場合は複数枚の写真をPhotoshopを使って比較明合成するといった方法もあります。