2024年紫金山・アトラス彗星の見頃の日時と方角や位置、撮影方法

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紫金山・アトラス彗星の見頃の日時と方角や位置、撮影方法 カメラ基礎知識

紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3:Tsuchinshan-ATLAS)が2024年10月中旬頃に見頃を迎え、現時点での予想では3等前後の明るさとなり、高度も比較的低い位置で見られることから景色と絡めた撮影も期待できそうです。今回は、紫金山・アトラス彗星の見頃の時間や方角、撮影方法などをまとめてみました。

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紫金山・アトラス彗星の見える方角と見頃の時期

紫金山・アトラス彗星は2023年1月に中国の紫金山(ツーチンシャン)天文台と南アフリカのアトラス望遠鏡によって発見された彗星でC/2023 A3: Tsuchinshan-ATLASと名付けられました。

紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3; Tsuchinshan-ATLAS)が9月下旬から11月にかけて明るくなると予測されていて見える方角は時期によって異なるので、しっかりと確認しておきましょう。

9月下旬から10月5日頃迄は明け方の東の低空

2024年9月28日頃から10月5日頃まで明け方の東の低空に紫金山・アトラス彗星が姿を現し、徐々に南へ移動しながら上昇していく軌道になる為、夜明けと共に見えなくなります。10月3日が新月になる為、月明かりの影響は少ないと思われます。

9月下旬から10月初旬の見頃は、紫金山・アトラス彗星の高度が約5度前後付近になる日の出前の5時前後の東の空となります。

9月下旬の紫金山・アトラス彗星の見え方

2024年9月29日の紫金山・アトラス彗星の見え方

10月5日頃になると朝の5時過ぎに、ようやく紫金山・アトラス彗星の高度が5度付近になります。明るくなり始める時間帯なので、10月6日以降は観測しにくくなります

10月5日の紫金山・アトラス彗星の見え方

2024年10月5日の紫金山・アトラス彗星の見え方

10月12日頃からは夕方の西の空

再び紫金山・アトラス彗星が観測できるのは、10月12日頃からで夕方の西の低空に見え始め、徐々に西へ移動しながら沈んでいく軌道になります。日を追うごとに見え始めの高度が高くなっていき観測しやすくなりますが、紫金山・アトラス彗星の明るさのピークが12日付近と言われているので、それ以降は彗星が徐々に暗くなっていき尾も薄くなってきます。

10月14日に紫金山・アトラス彗星を撮影した際、月の照度は87%ほどでかなり明るいシチュエーションだったのですが、肉眼でもハッキリと彗星の尾を確認できました!
10月12日の紫金山・アトラス彗星の見え方

2024年10月12日の紫金山・アトラス彗星の見え方

満月が10月17日になる為、若干月明かりの影響を受ける日もありますが、満月以降は月の出の時間が徐々に遅くなり比較的観測しやすくなってきます。

10月15日の紫金山・アトラス彗星の見え方

2024年10月15日の紫金山・アトラス彗星の見え方

10月20日頃から天の川に徐々に近づいてくる為、20日以降は天の川とのコラボレーションを見られるチャンスかもしれません。ただし、彗星の明るさが気になる所です。

10月20日の紫金山・アトラス彗星の見え方

紫金山・アトラス彗星と天の川のコラボレーション

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紫金山・アトラス彗星の正確な位置を確認する方法

紫金山・アトラス彗星の見える正確な方角や高度を確認するには、星空、天の川や月の位置が分かる無料アプリStellariumのデスクトップ版(Windows & Mac対応)が便利です。

Stellarium公式ウェブサイト

Stellariumに紫金山・アトラス彗星を追加する手順

Stellariumのデフォルトでは、紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3; Tsuchinshan-ATLAS)が表示されないので、以下の手順で無料のプラグインを追加する必要があります

① Stellariumを起動させ、画面左側のナビにある【設定画面】をクリック

② 小ウィンドウが開くので、上部アイコンの一番右にある【プラグイン】を選択

③ 左一覧から【太陽系エディター】を選択し、【設定ボタン】をクリック

Stellariumに紫金山・アトラス彗星を追加する手順

④ 小ウィンドウが開くので、真ん中タブの【太陽系天体】を選択し、【 MPCフォーマットで軌道要素を取得…】をクリック

MPCフォーマットで軌道要素を取得

⑤ 小ウィンドウが開くので【オンライン検索】タブを選択し、「C/2023 A3」と入力し【検索】ボタンをクリック

「C/2023 A3」と入力し検索

⑥ C/2023 A3(Tsuchinshan-ATLAS)が表示されるので、チェックを入れ選択状態にしてから、【天体の追加】ボタンをクリック

C/2023 A3(Tsuchinshan-ATLAS)を選択

これで紫金山・アトラス彗星がStellariumに追加されました!

紫金山・アトラス彗星の表示確認方法

① 先ほどの追加作業で開いた小ウィンドウを閉じ、画面左の【検索画面】から紫金山・アトラス彗星を表示させます。

② 天体タブまま、入力窓に「C/2023 A3」と入力すると、候補が表示される

C/2023 A3(Tsuchinshan-ATLAS)を選択

C/2023 A3(Tsuchinshan-ATLAS)を検索する

そうすると紫金山・アトラス彗星がどの位置で見れるのかが簡単に確認することができます。紫金山・アトラス彗星が地表面の下に隠れている表示されない場合は、【日付/時刻】の設定で、日付や時間を変える事で、見えるようになります。

C/2023 A3(Tsuchinshan-ATLAS)の検索結果

以上の手順を動画にしてYouTubeにアップロードしました。

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紫金山・アトラス彗星の撮影方法

紫金山・アトラス彗星の撮影方法は、基本的に夕景や星景写真の場合と一緒で大丈夫です。

カメラ機材

  • 一眼カメラ
  • 三脚
  • レンズ:f2.8以下の明るい標準から望遠レンズ
  • レリーズ・リモコン
  • 赤道儀(望遠レンズを使用するなら)

レンズ

超広角だと紫金山・アトラス彗星は小さく写ってしまうので、できれば広角24mm程度から、標準レンズ、中望遠レンズがおすすめです。標準から中望遠の焦点距離で紫金山・アトラス彗星を撮影するとなるとシャッタースピードはかなり短くなるので、f2.8以下の明るいレンズがあった方が撮影はしやすくなります。

風景と紫金山・アトラス彗星を一緒に撮るなら焦点距離は24mm、35mm、50mm、85mm程度の中望遠レンズなど、彗星だけを大きく写すのであれば200mm程度の望遠が良さそうです。

カメラ設定

紫金山・アトラス彗星を固定撮影する際のカメラの設定は、撮影時の明るさやレンズの焦点距離によって設定が変わってくるので、ヒストグラムで露出(明るさ)を確認して、微調整するのが良いかと思います。

薄明の時間帯であれば、夕景や朝景を撮るような設定で問題ありませんが、彗星以外の星がみえるような暗さの場合は、星景撮影と同じ設定で撮る必要があります。

  • シャッタースピード:2~10秒前後
  • ISO: 3200~12800位
  • 絞り: 開放(低い値)
  • マニュアルフォーカス

焦点距離が長い望遠レンズは、シャッタースピードをかなり短くしないと彗星以外の星が線状になってしまうので、赤道儀を使用して追尾撮影する必要があります。ただし、彗星は恒星と違う速さで動くので彗星がブレないように、赤道儀を使う場合でもシャッタースピードは、短めにするのが良さそうです。

星景撮影のプランを立てる際に便利なアプリ『PhotoPills』が便利

風景&星景撮影に便利なカメラマン向け神アプリ『PhotoPills』
風景や星景写真を撮影する際に便利な機能が満載のアプリ『PhotoPills』は、日時を指定すれば、太陽や月、天の川の位置を把握することができ、AR機能で実際にどのように写真が撮れるか簡単にシュミレーションすることが可能です。今回は、日本ではあまり知られていない風景・星景撮影におすすめアプリ『PhotoPills』をご紹介します。

まとめ

なかなか見る事の出来ない貴重な彗星ですが、去年の2023年のZTF彗星に続いて、今年は紫金山・アトラス彗星が見れるかもしれません。紫金山・アトラス彗星が見える時間帯が早朝もしくは夕方で、比較的撮影しやすい時間帯なので、是非彗星の撮影にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

今年は日本でオーロラも観測されているので、もしかしたら世界のどこかでオーロラ×彗星×天の川みたいな奇跡的な瞬間が撮影されるかもしれません。