太陽フレアが大規模に発生した影響で2024年5月11日に日本でもオーロラが撮影できたという報告がSNSなどに多数投稿されました。太陽活動が活発な周期の極大期(ピーク)が今年と予測されていて、今後も太陽活動によるオーロラ発生が期待できます。
今回は、日本でオーロラ撮影できる場所や条件、便利なアプリなどの情報をまとめてみました。
今後も日本でオーロラ観測のチャンスはある?
2024年5月11日の日本でのオーロラ撮影のチャンスを逃してしまった人も、結論から言うと、まだチャンスはあるかもしれません!
太陽活動のピークは2024年1月から10月
黒点の数が多くなるほど太陽活動が活発になりオーロラ観測のチャンスが広がるのですが、米海洋大気局の宇宙天気予報センター(SWPC)によると、約11年周期に起こる太陽サイクルは現在が第25周期にあたり、太陽活動のピークが2024年1月から10月になると予測しています。
それまでは太陽活動の第25周期の極大年が2023~26年で2025年6月頃がピークと予想していたので、今後また予測が変わる可能性がありますが、2024年がピークであることは間違いなさそうなので、もうしばらくは日本でもオーロラ観測チャンスは十分にありそうです。この太陽活動が長くなることを期待したいところです。
日本でオーロラが見られる場所や条件
日本でオーロラを見るには、様々な条件が重ならないと見る事が難しい奇跡に近い気象現象です。
Kp指数9以上
Kp指数とは、オーロラの強さを0~9までの10段階で表した指数で、数値が大きいほどオーロラが濃く見られます。日本でオーロラが見られるにはKp指数9以上(最大)が目安となります。ちなみに2024年5月11日のkp指数は9でした。このKp指数は、オーロラ予報のウェブサイトやスマホアプリで表示されているので要チェックです。
方角は北の空
オーロラが発生するのは北半球では北極圏付近なので、日本でも北の方角にカメラを向けて撮影する必要があります。それ以外の方角で写るのはただの光害の可能性が高いので注意が必要です。また、低緯度のオーロラは低い位置で観測されている場合が多いので、周りに高い山などが無い、北方向に見渡しが良い海岸付近が良いと思います。
できるだけ高緯度のエリア
オーロラを撮影するには緯度の高いエリアが有利になるので、できるだけ北に位置する北海道や東北などが良いかと思います。石川県の能登半島や新潟県の海岸付近でもオーロラが撮影されているようですが、北の方角に光害がほとんど無いと言うのが影響しているのかもしれません。
光害が少ない場所
星空撮影と同様にオーロラ撮影でも、できるだけ光害が少ない暗い空が重要になってきます。肉眼では見えない位の微弱なオーロラの光であれば、真っ暗な条件のほうが撮影しやすくなるのは想像できるかと思います。
新月期がベター
オーロラも月明かりの影響により空が明るいと見えにくくなるので、できるだけ新月期や月の出てない時間帯であることが条件となります。
雲の無い晴天
もちろんのことですが、オーロラを遮る雲が無い事も重要なので雲の少ない晴れの日が撮影に適していますが、こればっかりは運次第になってしまいます。
オーロラ撮影時のカメラ設定
肉眼でもハッキリと見えるようなオーロラは、星景撮影の時よりはシャッタースピードを若干早めにする必要がありそうですが、肉眼で見えるかどうかの日本でのオーロラ撮影では、カメラ設定は基本的には星景撮影と同じような設定で大丈夫かと思います。
レンズはf2.8以下の明るさで、できるだけ広い範囲を写せる24mmかそれ以上の広角・超広角が良いかと思います。オーロラ以外の空の部分も画角に入っていれば、オーロラかどうかの判断が付きやすくなります。また、タイムラプスにすると揺らめくオーロラが可視化できる可能性が高くなります。
- 絞り:絞り開放(f値をできるだけ小さく)
- ISO感度:1600~6400
- シャッタースピード:10~20秒
オーロラ予報に便利なウェブサイトやアプリ
ウェブサイト
長期的なオーロラ撮影の計画を立てるにはウェブサイトが便利です。
オーロラ・アラート
オーロラ・アラートは、その名の通りオーロラの出現予報とオーロラ帯の現在の空の映像が確認できるウェブサイト。予測マップ、10分毎や毎時の予報、翌月までの予測カレンダーなど、比較的シンプルな内容で日本語対応なので分かりやすい。
SpaceWeatherLive.com
SpaceWeatherLive.comは英語のウェブサイトですが、視覚的に分かるグラフやマップなどが多数あるのでオーロラに関する情報を集めるのに役立ちます。
特にKp指数(オーロラの強さ)の予測が秀逸で、3時間毎の3日分の棒グラフや1カ月間のkp指数と月齢が分かるグラフが非常に分かりやすいです。
どの地域でオーロラが見れるのかを確認できるページもマップで表示されたり、今現在のオーロラが見れるエリアを北アメリカ、ヨーロッパ&アジア、南半球に分け、それぞれの都市一覧と見える確率がパーセント表示されます。
スマホアプリ
オーロラのタイムリーな情報を確認するにはスマホアプリが便利です。
My Aurora Forecast & Alerts
My Aurora Forecast & Alertsは日本語は非対応ですが、シンプルで直感的にわかりやすいのが特徴のオーロラ予報に特化したスマホアプリです。Kp指数の予報やマップからオーロラが見れるかどうかを確認できます。
Aurora Forecast 3D
Aurora Forecast 3Dは、3Dの地球儀をスクロールしてどこにオーロラが発生しているか確認できるスマホアプリです。地球儀以外にはKp指数の予測も確認できますが、短期予測は最大+6時間、長期予測は最大3日先となっています。
まとめ
日本でオーロラが見られるのは北海道のごく一部だと思っていましたが、本州の東北や新潟や石川でも観測されたのには驚きました。太陽活動のピークはもうしばらく続きそうなので、肉眼では見えなくても、一眼カメラなら何とかオーロラを捉える事ができるチャンスは十分にあります。今後しばらくはKp指数に注視しておいた方がよいかもしれません。次のオーロラ撮影のチャンスに備えてロケハンしておく事をおすすめします。