幻想的な雪の玉ボケの撮影方法!ストロボを使った冬の撮影テクニック

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幻想的な雪の玉ボケの撮影方法!ストロボを使った冬の撮影テクニック カメラ基礎知識

冬の写真撮影時に雪が降っていると厄介ですが、逆に雪をいかして玉ボケさせた写真はより一層冬らしさを強調し幻想的な雰囲気に仕上げてくれます。一眼カメラ初心者でも適切なカメラ設定をしていれば、雪の玉ボケを作るのは意外と簡単です。

今回は、幻想的な雪の玉ボケが際立つ写真に仕上げるストロボを使った撮影方法を作例と共に解説します。

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雪の玉ボケを撮影するカメラ設定

雪の玉ボケの撮影方法は、ピントが合っている被写体よりも手前がボケるように設定し、ストロボの光で雪を白くした前ボケを作るテクニックです。被写界深度の仕組みやボケを活かした写真の撮り方が理解できていれば、カメラの設定も悩まずに比較的簡単にできると思います。

被写界深度とは? 3つの要素でボケをコントロールする方法
カメラ用語で被写界深度という言葉を耳にする事があると思いますが意味をご存じですか?『絞り』、『焦点距離』、『被写体との距離』の3つの要素と被写界深度の関係性を理解すると、ボケをコントロールできるようになります。今回は、被写界深度の意味を分かりやすく図解し、3つの要素によるボケの違いをサンプル写真と一緒に解説します。

露出モード

露出モードは、絞り値を自由にコントロールできる【絞り優先モード】もしくは【マニュアルモード】にします。

絞り

絞りはレンズの焦点距離にもよりますが、f2.8~4前後に設定します。

絞り値を小さくすると雪の玉ボケが大きくなり、逆に絞り値を大きくすると雪の玉ボケが小さくなるので、実際に撮影して好みボケの大きさになるように調整して下さい。

シャッタースピード

薄暗い状況で撮影する場合は、シャッタースピードは特に気にしなくてもOKです。ストロボが一瞬発光する事で雪の玉ボケが写るので、シャッタースピードの違いで雪の玉ボケの写りが変わることはほとんど無いと思います。

注意が必要なのは日中の明るい状況です。ハイスピードシンクロに対応していないストロボの同調速度で最も早いシャッタースピードが1/250程度なので、明るい環境で絞り開放気味にすると白飛びしてしまうので注意が必要です。どうしても明るい状況で玉ボケを撮影したい場合はNDフィルターで減光して、露出を調整する必要が出てくるので難易度が上がります。

焦点距離

雪の玉ボケを撮影する際のレンズの焦点距離は、35mm程度の広角から100mm程度の中望遠がおすすめなので、標準ズームレンズでOKです。雪の玉ボケを写す場合、焦点距離が短い広角ほどボケは小さくなり、逆に望遠になる程大きくなる特性があるので、超広角や超望遠レンズは不向きになります。

玉ボケの大きさは絞りでも変わってくるので、撮影しながらレンズの焦点距離に合わせて微調整すると良いと思います。

ストロボ(フラッシュ)

一眼カメラの内蔵フラッシュでも雪の玉ボケの撮影は可能ですが、光量が足りない場合もあるので、より強い光で発光できる外付けストロボの方がおすすめです。ただし、高性能で高価なストロボである必要はなく、格安のストロボでも問題ありません。

ストロボの照射角度は正面にセットします。普段は真正面にストロボの光を当てる事はありませんが、雪の玉ボケの撮影では真正面が基本となります。

雪の玉ボケが多く写りすぎてうるさい場合は光量を下げたり、逆に玉ボケが少ない場合は光量を上げたり微調整すると良いと思います。TTLだと自動的に光量が調整されるので簡単ですが自分で光量調整できないので、ストロボはマニュアルモードに設定するのがおすすめです。

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雪の玉ボケを撮影する時のコツ

粉雪よりも、湿ったぼた雪

サラサラで粒の小さい粉雪よりも、湿った粒の大きいぼた雪の方が玉ボケが大きくなり、雪を強調しやすくなります。また、降っている雪の量も重要で、粉雪がチラチラ降っている程度よりも、ガッツリ降っているような状況の方が雪の玉ボケは撮影しやすいかと思います。

被写体に近づきすぎない

被写体との距離が近すぎるとボケが小さくなったり、ストロボの光が被写体に届いてしまい不自然で素人っぽい仕上がりになるので、被写体との距離をある程度取ることが重要です。被写体とカメラの間にある雪を前ボケさせるイメージで撮影すると上手くいくと思います。

背景は白色を避ける

雪の玉ボケは白いので、白っぽい背景はできるだけ避けて、背景を濃い色にする事で玉ボケを際立たせることができます。また、マジックアワーの時間帯、夜景やイルミネーションなどの薄暗い環境だと、ストロボの光が当たった雪が白く写り、より強調されるので効果的です。

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雪の玉ボケの作例

SONY a7R IVと標準ズームレンズFE 24-105mm F4 G OSS SEL24105Gで撮影した雪の玉ボケの作例です。全て日中に撮影した写真ですが、結構雪が降っていたので明るすぎるという事は無く、雪の玉ボケも上手く撮ることができました。

まずは、焦点距離36mm、絞りf4で撮影した作例です。雪の玉ボケは若干小さめですが、十分なサイズ感かと思います。

雪の玉ボケの作例:焦点距離35mm

SONY ILCE-7RM4 (36mm, f/4, 1/80 sec, ISO100)
焦点距離36mm、絞りf4でも雪の玉ボケは撮影可能

次に焦点距離81mm、絞りf4で撮影した作例です。様々なサイズの雪の玉ボケが良い感じに、雪が降ってる感を表現できてるかと思います。

雪の玉ボケの作例

SONY ILCE-7RM4 (81mm, f/4, 1/200 sec, ISO250)
背景の色が赤なので雪の玉ボケが映える

最後に焦点距離103mm、絞りf4で撮影した作例です。雪の粒がやや小さめだったの、焦点距離が100mm程度でもあまりゴチャゴチャしすぎず、丁度良い感じになりました。場合よっては、もう少し絞っても大丈夫かもしれません。

雪の玉ボケの作例

SONY ILCE-7RM4 (103mm, f/4, 1/250 sec, ISO640)
日中でも黒っぽい背景なので雪の玉ボケが際立つ

雪の撮影では水濡れに注意!

降雪時の撮影で一番心配なのがカメラやレンズが水に濡れてしまうことです。防滴仕様のカメラやレンズであれば、多少の雪なら問題ありませんが、湿った雪の場合は水濡れして故障の原因になるので、カメラ用のレインカバーを使用したり、タオルなどを被せたりするなどの対策が必要です。

三脚を使わずに手持ちで撮影する場合は、撮影に夢中になっているとあっという間にカメラが濡れてしまうので注意が必要です。こまめにタオルで水分を拭き取るようにする事をおすすめします。

JJCのカメラ用レインカバーは、透明のビニール製で、しかもストロボを付けた状態でも使えるサイズなので雪の雪の玉ボケ撮影にあると安心です。

まとめ

雪の玉ボケの撮影は、難しく考えずに絞り値を小さくしてフラッシュを光らせればそれっぽい写真になるので、一眼カメラ初心者の方でも気軽に楽しめる撮影テクニックの一つかと思います。

寒い冬に雪が降っていると写真を撮りに行くのも躊躇してしまいますが、逆に撮影のチャンスです!普通の雪景色の撮影に飽きたと言う人は、雪の玉ボケを活かした幻想的な写真にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

雪の玉ボケを撮影する時のカメラの設定をまとめると

  • F値:f2.8~4前後
  • シャッタースピード:何でもOK
  • 焦点距離:35mm~100mm位
  • ストロボを使う