風景写真をスローシャッターの流し撮りでアートに仕上げる撮影方法

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スローシャッターの流し撮りで風景写真をアートに仕上げる撮影方法 カメラ基礎知識

流し撮りと言えば動く被写体を撮影するのが一般的ですが、風景写真に取り入れるとワンランク上のアートな仕上がりにすることが出来ます。風景写真の流し撮りは、通常よりシャッタースピードを遅くしてスローシャッターで意図的にブレさせるのがポイントとなります。

今回は、風景写真をスローシャッターで流し撮りする際のカメラの設定や撮影方法をご紹介します。

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風景写真の流し撮りを成功させるコツ

適した撮影場所と時間帯

風景写真の流し撮りをする場所は、出来るだけ画角に何も入り込まない殺風景な海岸がおすすめです。画角に岩や消波ブロック、堤防、灯台、島、太陽などが入った状態で流し撮りすると、不自然な仕上がりになってしまいます。

風景の流し撮りの失敗例

風景の流し撮りの失敗例

風景写真の流し撮りする時間帯は、日の出日の入り前後のマジックアワーがおすすめです。海や空の色がカラフルになり複雑なグラデーションを創り出してくれます。また、海面はべた凪よりはある程度白波が立ってた方が海の色も変化が出やすくなります。

カメラ設定

スローシャッターで流し撮りする場合、カメラの設定はシャッタースピード優先かマニュアルモードで撮影にしてシャッタースピードをコントロールすることが重要です。

レンズの焦点距離

レンズの焦点距離は100mm前後かそれ以上の望遠の方がブレの効果を出しやすいです。広角になればなるほど大きい角度でカメラをパンさせる必要があり、ブレの効果を出すのが難しくなります。

シャッタースピード

シャッタースピードは1/30秒から2秒位のスローシャッターにするのがポイントです。撮影状況によってシャッタースピードを変えて色々と試してみると良いと思います。シャッタースピードが速いとパンするスピードも速くする必要があるので、難易度が高くなってしまいます。

明るい時間帯に撮影する場合は、NDフィルターを装着してシャッタースピードをコントロールする必要があります。

絞り、ISO

シャッタースピード優先モードにすると絞りのコントロールが難しくなるのですが、絞りは普通の風景写真と同じくf8前後で大丈夫です。

ISOは100でOKですが、明るさが足りなくシャッタースピードが遅すぎる場合は、少しISOを上げて対応します。

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風景写真の流し撮り方法

三脚を使って平行にパンする

手持ちでもパンさせることは可能ですが、三脚を使った方が水平を一定に保ちやすく安定します。できれば、動画用雲台や3WAY雲台の方がパンさせやすいですが、自由雲台でも360度水平回転可能なパン機能があれば問題ありません。

三脚使用時に重要なのは水平出しをする事です。三脚の水平出しが出来ていないと、平行にパンさせることが出来ずに失敗してしまいます。三脚の水平出しをする場合は別売りのレベラーを使うか、水平出し機能付きの三脚がおすすめです。

一眼カメラの三脚の水平出しが簡単なレベラーMENGS LP-64
一眼レフカメラのパノラマ撮影で正確な三脚の水平出しが簡単にできる三ツネジ方式のレベリングベースMENGS社のLP-64を購入しました。頑丈な作りでフルサイズの一眼カメラでも安定しています。レベリングベースは三脚と雲台の間に取り付けることで雲台を回転させても水平を保ってくれる便利なカメラ機材の一つです。

シャッターを切る前にパンを始める

風景を流し撮りする際は、シャッターを切る前にパンし始めるのがコツです。パンの最中にシャッターボタンを押すと縦ブレの原因になるので、2秒タイマーを使うのがおすすめです。

2秒タイマーに設定したら、シャッターボタンを押し、タイミングを見計らってパンを開始して、シャッターが切れるまでパンし続けます。タイミング良くパンするのは難しいですが、何度も流し撮りしているうちに慣れてくると思います。

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風景写真の流し撮りの作例

以下の作例は日の入り後のマジックアワー時に海岸で流し撮りしたものです。程よい雲があったので、空の色がオレンジから次第にピンク、紫に変化して綺麗なグラデーションの作品になりました。

風景流し撮りの作例:ゴールデンアワー

SONY ILCE-7RM4 (105mm, f/13, 1/3 sec, ISO100)
風景流し撮りの作例:ゴールデンアワーの海景

風景流し撮りの作例:マジックアワー

SONY ILCE-7RM4 (105mm, f/13, 1/3 sec, ISO100)
風景流し撮りの作例:マジックアワーの海景

まとめ

風景写真では御法度のブレをあえて取り入れた流し撮りは、意外と手軽にできアートな仕上がりになります。殺風景な場所を逆手に取り、シンプルでありながらインパクトのあるワンランク上の風景写真に早変わりさせる知っておいて損はない撮影テクニックの一つです。

今回紹介した流し撮りは常にカメラをパンし続けるやり方ですが、途中でパンを止めたり、逆に途中からパンさせたりすると、また違った雰囲気の写真に仕上がるかと思います。

マンネリ化した撮影に飽きたら、普段とは違った撮影方法を取り入れてみるのも良い刺激になるのではないでしょうか?