風景が綺麗に鏡面反射したリフレクション写真は、ダイナミックで幻想的に仕上りSNSなどでも映える不動の人気を誇る撮影方法の一つです。風が無い等の条件が揃えば、カメラ初心者でも比較的簡単にリフレクションした写真を撮影することができます。
今回は、綺麗に水面に風景が鏡面反射したリフレクション写真の撮り方やカメラ設定、失敗しないコツをご紹介します。
リフレクションの撮影がしやすい条件や場所
風のない事が絶対条件
当然の事ですが、風が強いと水面が波立って綺麗にリフレクションしなくなるので、天気予報などを見て、できるだけ風の無い穏やかな日を狙うのがコツです。時間帯によって風があったり無かったりするので、根気強くシャッターチャンスを待つのが成功のカギとなります。
また、場所によっては、風を遮るものがあれば、多少の風があってもリフレクションする場合もあるので、風向きも参考にすると良いかもしれません。
湖や池、水溜まり
リフレクション撮影に適している場所は、基本的に水の流れがない小さい湖や池、田んぼ、水溜りなどが鏡面反射しやすくなります。水面が風の影響を受けにくいというのも重要な要素で、周りが背の高い草木に囲まれていたりするような小規模な池はリフレクションしやすくなります。
雨上がりは水溜りが多いのでリフレクション写真を撮影する絶好のチャンスです。
日ごろからリフレクションする場所を意識的に探して、いざと言う時に撮影すると良いかもしれません。
カメラと水面との距離が遠ければ、多少水面がブレてもそれほど気にならないので、穏やかな海や川でも問題ない場合もあります。
リフレクション撮影のカメラ設定とコツ
リフレクションを綺麗に撮影する際のカメラ設定は、通常の風景写真を撮る時の設定とほぼ同じでOKです。
絞り
リフレクションを綺麗に撮影する際の絞り設定は、全体にピントがあったパンフォーカスにしたいので、f8~f14位にします。リフレクションしている部分がカメラから近い場合は、手前がボケやすくなるのでやや絞り気味にするのがコツです。
シャッタースピード
鏡面のようなリフレクションを撮る場合は、シャッタースピードは速いほうが風の影響を受けずに綺麗に撮れます。大きめの池や湖などは風の影響を受けやすくなり、逆に浅い水溜まりなどは風の影響を受けにくくなるので、状況に合わせてシャッタースピードを調整するといいと思います。
夜景+リフレクションの場合は、薄暗い状況でシャッタースピードが長めになってしまうので、画質に大きく影響が出ない程度にISO感度を上げて、水面がブレないようにできるだけシャッタースピードを確保するのがコツです。
レンズの焦点距離
レンズの焦点距離は絞りとも関係してくるのですが、パンフォーカスしやすい超広角や広角レンズの方がリフレクションの写真が撮りやすいと思います。
焦点距離が長い標準や望遠レンズを使った場合、水面との距離が近くなるとリフレクションしている前景部分がボケやすくなってしまうので、パンフォーカスするには過焦点距離を把握し、水面との距離を計算する必要があります。
ピント位置
作品によっては、意図的にリフレクション側にピントを合わせる場合もありますが、基本的には風景側にピントが合った状態にするのがおすすめです。
水面とカメラが遠い場合は、通常の風景写真を撮るのと同じ要領で、写真全体にピンとが合ったパンフォーカスになるように撮影すればOKです。
水面とカメラが近い場合は、パンフォーカスするのが難しく、ピント位置が手前すぎると遠景がボケやすくなるので、風景にピントが合うように撮影するのが無難で失敗が少なくなります。個人的には手前のリフレクションが多少ボケてても、一眼カメラの味として問題ないかと思います。
どうしても、パンフォーカスさせたい場合は、ピンと位置をずらしながら撮影(フォーカスシフト)して被写界深度合成するなどの工夫が必要になります。
カメラアングル&ポジション
自分の目線の高さを変えてみると風景がガラッと変わる場合が良くあるのですが、特にリフレクションの場合は、できるだけ低い位置で水面に近づくカメラアングル&ポジションにするのがコツです。低い位置にカメラを置くことで、リフレクションに写る風景の範囲が広くなり撮影しやすくなります。
構図
リフレクション写真と相性が良い構図は、上下対称となる2分割構図です。地平線から上下に2分割するだけなので、構図に悩む必要もなく簡単です。
メインとなる被写体がある場合は、中心に配置する日の丸構図と合わると安定感のある写真になります。縦割りで三分割構図と組み合わせて左右のどちらか1/3の位置に被写体を置くのも良いと思います。
まとめ
水面が鏡面反射したリフレクションの風景写真は、多少のコツを知っていればそんなに難しくない撮影の一種だと思います。できるだけ風の無い日を選べば良いのですが、相手は自然なので行ってみないと分からない場合がほとんどで、良いリフレクションの写真が撮れるかどうかは、結局運次第かもしれません。