NDフィルター(減光フィルター)は、シャッタースピードを遅くして通常よりも露出時間を長くしたい時に使うフィルターです。簡単に言うと、サングラスの様ような感じで光の量を減らす為のフィルターです。
NDフィルターの番号が大きければ大きいほど色が濃くなり、カメラのシャッタースピードを遅くすることができます。実際、NDフィルターを装着した時にどれくらいのシャッタースピードに設定すれば良いかご存知ですか?
どうしてNDフィルターが必要なのか
例えば、昼間に滝や小川の流れを白糸のように表現したい時、明る過ぎてシャッタースピードを遅く出来ない場合、NDフィルターを使う事で実現可能になります。
絞りでシャッタースピードを変えるのは駄目なの?
確かに絞り値を上げることでシャッタースピードを遅くすることはできますが、F値を上げすぎると小絞りボケ(回折現象)が発生したりするので、適切な絞り値で撮影したいのなら絞り値でコントロールするのではなくNDフィルターを使うのがベストです。
NDフィルターの数字の意味
NDフィルターには、ND2、ND4、ND8、ND16…など番号が付いていますが、その数字はシャッタースピードを何倍遅くするかと言う意味です。NDフィルター装着前よりも、ND2なら2倍、ND4なら4倍、ND8なら8倍、シャッタースピードが遅くなります。(絞り値は一定)
NDフィルター装着時のシャッタースピード計算方法
NDフィルターを装着した時のシャッタースピードの計算方法は以下になります。
例:フィルター装着前(フィルターなし)のシャッタースピードが1/1000秒で、ND2のフィルターを装着する場合。1/1000 × 2 = 1/500 と言う計算で、結果、シャッタースピードは2倍遅くなり1/500秒になります。
NDフィルターを装着してもシャッタースピードが30秒以内に収まるようであれば、絞り優先にしておけばカメラ側が自動的に計算してくれるのであまり気にしなくても良いかと思います。
マニュアル設定でシャッタースピードをコントロールしたいような場面では、この計算方法を知っているとどのNDフィルターを使えばよいのか直ぐに判断できるようになります。特に濃い目のNDフィルターを使用して長秒露光でバルブ撮影したい場合は、この計算方法が役立ちます。
NDフィルターを重ね付けする場合の計算方法
NDフィルターを重ね付けする場合の計算方法は、それぞれの番号を掛ければOKです。例えば、ND4とND16を重ねた場合は、4×16なのでND64と同じことになります。
おすすめのNDフィルター
購入する時に何番のNDフィルターにするか悩むと思いますが、自分の撮影したいものによって使い分けるのが一番良いかと思います。
ND8かND16が無難
朝夕の時間帯やあまり陽の当たらない様な滝や清流などではND8辺りが無難な選択かと思います。ND16を選択して、シャッタースピードが遅すぎる場合は、ISOの感度を上げてシャッタースピードを速くするという方法もアリかと思います。ND2、ND4だと減光効果が弱いので、ND8かND16を選ぶのが無難かと思います。
アイデア次第で楽しめるND400~1000
かなり濃い目のND400~1000位のフィルターの用途としては、日中の明るい時間帯の海岸、小川や滝などの風景写真、交差点で行き交う車や人をブラしたり、少し薄暗くなってきた街中の人を消したり、アイデア次第で面白い長時間露光の撮影で使うことができます。
値を変更できる可変式NDフィルター
可変式NDフィルターは、少し高価になりますが、CPLフィルターのように回転させることで、1枚のNDフィルターで値を変更でき非常に便利です。シャッタースピードが一定の動画撮影では可変式NDフィルターがあると重宝します。ただし、可変範囲の大きい製品は、有名メーカーであっても色ムラが発生しやすいので注意が必要です。
安価な中国製の可変NDフィルターも多く出回っていますが、ムラが多かったり、NDの実際の値とは違ったりする場合もあるので見極めが難しいです。お金をかけたくない方や気軽にNDフィルターの撮影をしたい場合は、安価なものでも良いのではないでしょうか?