マクロレンズは肉眼では見えない小さい被写体の一味違った世界を写すことができ、しかもポートレートや風景撮影にも使える、持っていて損のないおすすめのレンズです。そんなマクロレンズを選ぶ時のポイントを分かり易く解説します。
マクロレンズとは?
マクロレンズとは被写体に近づき大きく撮影できるレンズのことで、Nikonの場合はマイクロレンズとも言います。マクロレンズは、普通のレンズに比べて、被写体に接近して撮影ができ、撮影倍率も等倍のレンズが多いのが特徴です。
マクロレンズと言うと近くの被写体しか撮影できない専用レンズだと思っている方もいるかと思いますが、ポートレートや風景など普通のレンズと同様に綺麗に撮影できます。
参考:銘玉タムキューことTAMRON SP 90mm F/2.8 マクロレンズで夜景撮影
マクロレンズを選ぶ時の2つのポイント
マクロレンズを選ぶ時は、被写体をどれだけ大きく写せ、どれだけ寄って写せるかの2つが重要なポイントとなります。
撮影倍率
撮影倍率は、倍率が大きいほど被写体を大きく写すことができ、単焦点マクロレンズの多くは等倍(1倍)で1:1と表記されます。
撮影倍率が1:2と表記されていれば0.5倍となりハーフマクロ、1:4と表記されていれば0.25倍となりクォーターマクロと呼ばれ、マクロ機能のあるズームレンズの多くは、撮影倍率がハーフマクロからクォーターマクロ程度になります。
被写体が大きく写る 1>0.5>0.25 被写体が小さく写る
私が買った初めてのマクロレンズは、シグマの17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSMでD7100の本体と一緒に買った標準ズームレンズです。本格的なマクロレンズではなく、撮影倍率が1:2.7のマクロ機能付きのズームレンズです。
どの位の大きさで撮影できるの?
撮影倍率が等倍(1倍)のマクロレンズでどれ位の大きさで撮影できるかと言うと、センサーサイズの大きさをそのまま撮影できます。
どういう事かと言うと、フルサイズ機であれば、センサーサイズが24mm×36mmなので、36mmの被写体を横幅ぴったりに写すことができます。同じようにセンサーサイズが15.7mm×23.5mmのAPS-C機であれば、23.5mmの被写体を横幅ぴったりに写すことができます。
定規を撮影すると分かり易いです。
撮影倍率が等倍マクロレンズの場合、フルサイズ機なら36mm、APS-C機(機種によりますが)なら23.5mmのメモリまで寄って撮影できるという事で、それ以上寄って撮影することはできません。
定規がなかったので、鉄製のメジャーを等倍マクロレンズでフルサイズ機とAPS-C機と2種類撮影してみました。若干歪んでますが、等倍の場合の撮影倍率がご理解いただけるかと思います。
同じマクロレンズでフルサイズ機とAPS-C機で一円玉を撮影し比較すると以下のような違いがでます(左:フルサイズ機、右:APS-C機)。圧倒的にAPS-C機の方がアップで撮影することができます。
撮影可能な大きさの計算方法
センサーサイズの大きさmm × 倍率 = 撮影可能な大きさmm
例えば、撮影倍率が1:2.7の場合は、フルサイズ機で36mm×2.7=97.2mm
ハーフマクロ(1:2)の場合はフルサイズ機で36mm×2=72mm
クォーターマクロ(1:4)の場合はフルサイズ機で36mm×4=144mm
最短撮影距離
最短撮影距離とは被写体にピントを合わせることができる最短距離のことです。簡単に言うと被写体にどれくらい近づいて撮影できるかという事です。
カメラ本体についている距離基準マークからピントの合う被写体までの距離が最短撮影距離になります。ちなみにレンズから被写体までの距離はワーキングディスタンスと言います。
通常のレンズ本体には最短撮影距離が表示されています。
TAMRON SP 90mm F/2.8 マクロレンズであれば、カメラ本体の距離基準マークから29cmでピントが合う事になります。レンズフードを付けレンズを最大限に伸ばすと、被写体に接触しそうな距離まで寄って撮影できます。
おすすめの単焦点中望遠マクロレンズ
85mmから135mm位の中望遠の単焦点マクロレンズは、マクロ撮影だけでなく、ポートレートや商品・料理撮影、そして風景撮影などオールマイティに使えるのでおすすめです。
APS-C機の場合は、フルサイズ用中望遠マクロレンズを使えば、1.5倍の焦点距離となり、90mmなら135mmとして使えフルサイズ機よりも寄った撮影ができる利点もあります。
一眼レフ用のマクロレンズは多数ありお手頃価格の中古も手に入りやすいのですが、ミラーレス用のマクロレンズは、まだまだ種類が少ないのが現状です。
ソニーのEマウント用マクロレンズ。
NikonのZマウント用マクロレンズ。
キヤノンのRFマウント用マクロレンズ。