明暗差の激しい夕日や朝日を入れた風景写真や夜景写真などは、白飛びや黒潰れを回避する為にカメラのオートブラケット撮影機能を使って露出の違う複数枚の写真を撮影して、現像時に合成するといった方法をとることがあります。
今回は露出ブラケット撮影のコツとLightroomを使ったHDR合成方法をご紹介します。
ブラケット撮影する時のカメラの設定
基本的にはHDRで合成するときは被写界深度を固定するので、カメラの設定は絞り優先モードでISOを固定にしてオートブラケットで撮影します。この設定にすれば画質は同じになり、あとはカメラが自動的にシャッタースピードを変化させて露出(明るさ)の違う写真が撮れるようになります。
オートブラケットの設定は、2段違いで3枚(-2EV、0、+2EV)、もしくは1段違いで5枚(+2EV、+1EV、0、-1EV、-2EV)にします。大抵の一眼カメラの露出補正幅は1/3段刻みで設定できますが、1段分くらいなら現像時にLightroomなどで補正出来てしまうので、明暗差の激しい写真をHDR合成するなら補正幅は1段以上に設定して、明暗部分を隈なく撮影します。
+2EV~-2EVの露出で撮影しておけばほとんどの明暗差はカバーできるのですが、逆光で太陽の光が強い場合は+4EV~-4EV位の補正幅(+4、+2、0、-2、-4)にすると良いでしょう。また、撮影時にヒストグラムで白飛び、黒潰れをカバーできているかチェックして、補正幅を微調整することが大切です。
少し多めに撮っておくことで失敗回避もでき、合成も色々と試してみるのも良いと思います。
おすすめのカメラ設定
- 絞り優先モード:絞り固定
- ISO:固定(高画質にするなら基準感度100などの低い値にする)
- オートブラケット:2段違いの3枚、もしくは1段違いの5枚
ブラケット撮影方法の詳細は以下の記事を参照してください。

Lightroomを使ったHDR合成の方法
HDR合成する場合は、3枚あれば明暗差を十分にカバーできます。5枚撮影した場合は、ヒストグラムを見て必要な3枚だけをチョイスするという方法で良いと思います。もちろん5枚を合成しても問題はありません。
3枚の露出違いの写真を選択
まずはLightroomを起動して、ブラケット撮影した露出の違う写真を3枚を用意します。
今回は1段違いで5枚撮影した中から、一番暗い、中間、一番明るいの3枚を選んだので、露出幅は-2EV、0EV、+2EVとなります。

露出ブラケット撮影した-2EV、±0、+2EVの3枚の写真
露出違いのHDR合成する時のポイントとしては、露出アンダーの暗い写真は白飛びしていない事、露出オーバーの明るい写真は黒潰れしていない事が重要です。
中間の写真(白飛び・黒潰れしていてもOK)
中間の明るさの写真のヒストグラムを見ると、逆光になった太陽の部分が白飛びして、木の部分が黒潰れしているのが確認できます。
【ISO100、f13、シャッタースピード1/160】

中間の写真(白飛び・黒潰れしていてもOK)
露出アンダーの暗い写真(白飛びしていない)
露出アンダーで暗く撮影した写真のヒストグラムを見ると、木のシャドー部分が黒潰れしていますが、空の明るい部分は白飛びしていないので明るい部分の十分な階調が保持できていることになります。
【ISO100、f13、シャッタースピード1/640】

露出アンダーの暗い写真:明るい部分をカバーしたいので白飛びしていない事が条件
露出オーバーの明るい写真(黒潰れしていない)
露出オーバーで明るく撮影した写真のヒストグラムを見ると、逆光になった太陽の部分が白飛びしていますが、影になっている部分は黒潰れしていないので、暗い部分の階調が保持できている事になります。
※実際は木の枝の細かな部分が微妙に黒潰れしていますが、ほぼ影響ない位の量です。もう少し明るくても良かったかもしれません…
【ISO100、f13、シャッタースピード1/40】

露出オーバーの明るい写真(黒潰れしていない)
LightroomのHDR設定
HDR合成する露出違いの写真を決めたら、Ctrlを押しながら合成する写真を選択します。
右クリック →【写真を結合】→【HDR】で、以下の設定画面が表示されます。

LightroomのHDR合成設定画面
自動整列
手持ちで撮影して構図がズレている場合に、写真の位置を自動で調整してくれます。合成する枚数が多いと処理に時間がかかる場合があります。
基本的に三脚を使用して撮影した場合はチェックを外したままで大丈夫です。
自動階調
自動で明るさやコントラストなどを調整してくれます。仕上がりの雰囲気を確かめたい場合はチェックを入れておくと良い出でしょう。
ただし、HDR合成後でも通常の写真と同じように自由に調整することも可能なので、チェックを入れても入れなくてもOKです。
ゴースト除去量
ゴースト除去とは、HDR合成する際に、動いている被写体が半透明になってしまうのを防ぐための機能で、必要に応じて【なし、弱、中、強】を選択します。
主に風などで揺れる草木、人、車など、一定の場所に写っていない被写体が半透明のゴーストとなってしまいます。
以上の設定をして、『結合』をクリックしたら完成です!
HDR合成が出来たらあとは自由にレタッチ
LightroomのHDR合成は、あくまで露出違いの写真を自然な感じに合成してくれる機能なので、HDR合成後は通常の写真のように自由にレタッチして仕上げます。HDRっぽさを出さずに自然な仕上がりにしたい場合には非常に有効なツールになります。

LightroomのHDR合成して仕上げた風景写真
いかにもHDR的に仕上げるプラグイン
いかにもHDRな感じで芸術的な雰囲気に仕上げたい場合は、有料ソフトのPhotomatixを使うと良いと思います。また、LightroomやPhotoshopのプラグインのNik CollectionのHDR Efex Proは色々なプリセットが用意されているので、簡単に雰囲気の違うHDR写真に変化させることが可能です。
試しにNik CollectionのHDR Efex ProでHDR合成してみました。

Nik Collection HDR Efex Pro 2:ソフト

Nik Collection HDR Efex Pro 2:ディテール2

Nik Collection HDR Efex Pro 2:明るい
また、合成した1枚の写真をNik CollectionのColor Efex Proを使用し、いかにもHDRな雰囲気に仕上げる事もできます。

Nik CollectionのColor Efex Proを使用してもいかにもHDRな写真にすることも可能
まとめ
露出の違う写真をHDR合成する場合、撮影やレタッチに手間は掛かりますが、白飛びや黒潰れを回避でき、無理なレタッチによるノイズが増えると言った心配もないので、クオリティの高い写真に仕上げるには必須のテクニックになります。
写真のレタッチや合成は世界の一流写真家達も当たり前のようにやっているデジタルカメラの特性を十分に生かした手法の一つです。写真は撮る時も重要ですが、ポストプロセスと言われる写真撮影後のレタッチの技術力の高さも写真の仕上がりを大きく左右する要素になります。今まで写真の合成に抵抗を感じていた方も、是非取り入れてみてはいかがでしょうか?