Photoshopで被写界深度合成して全部にピントが合った写真に仕上げる方法

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Photoshopで被写界深度合成する方法 カメラ基礎知識

ブツ撮りやマクロ撮影で被写体全体にピントを合わせようと目一杯絞ってもパンフォーカスにならない時はありませんか? 特に奥行きのあるものは必ず一部がボケてしまいます。そんな悩みを解消してくれるテクニック『被写界深度合成』を使えば、被写体全体にピントが合った写真にすることが可能になります。

今回は被写界深度合成の撮影方法とPhotoshopを使ったレタッチの手順を詳しく解説します。

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被写界深度合成とは?

被写界深度合成とは、ピントの位置を少しずつずらして撮影した複数の写真を合成し、被写体全体にピントが合った写真に仕上げるテクニックで、焦点合成などとも言われます。特にマクロ撮影や商品撮影、物撮りなどで使われます。

被写界深度とは?

被写界深度とは写真のピントが合っているように見える範囲のことです。

被写界深度が浅いというのは、ピントが合っているように見える範囲が狭く、ボケのある写真になります。一方の被写界深度が深いとういのは、ピントが合っているように見える範囲が広く、全体がシャープな写真になります。

被写界深度とは? 3つの要素でボケをコントロールする方法
カメラ用語で被写界深度という言葉を耳にする事があると思いますが意味をご存じですか?『絞り』、『焦点距離』、『被写体との距離』の3つの要素と被写界深度の関係性を理解すると、ボケをコントロールできるようになります。今回は、被写界深度の意味を分かりやすく図解し、3つの要素によるボケの違いをサンプル写真と一緒に解説します。

絞り過ぎると回折現象で画質低下

パンフォーカスさせるにはf値を絞って被写界深度を深くすれば良いのでは?と思うかもしれませんが、絞り過ぎることで、回折現象もしくは小絞りボケを起こし、逆にシャープ感がなくなり画質が低下してしまいます。

基本的に商品撮影などのブツ撮りやマクロ撮影では、標準~中望遠レンズを使い被写体との距離が近い為、f22程度に絞っても被写体全体にピントが合う事はほぼありません。

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被写界深度合成する為の撮影方法

ピントを徐々にずらしていく撮影方法をフォーカスブラケットと言います。

絞りをf8~f11位に設定

被写界深度合成では回折現象を回避したいので、絞りを画質が一番良いf8~f11位に設定します。撮影枚数を少なくした方が合成する時の手間も省け、場合によってはf16位まで絞ったほうが効率的なので、目的に応じで絞りを変更してください。

ISOやシャッタースピードは固定

一定の画質や明るさにする為に、ISOやシャッタースピードは固定にします。ライティングも同じ条件で撮影すると合成する時に失敗が少なく綺麗に仕上がります。

前から徐々にピント位置をずらして撮影

カメラの設定が完了したら、あとは被写体へのピント位置を手前から徐々にずらしながら撮影していけばOKです。要所要所のエッジ部分がシャープになるようにピントを合わせていくのがポイントです。

D850ならフォーカスシフト撮影機能が便利

ニコンのD850にはフォーカスシフト撮影という機能が備わっていて、ピント位置を一定量変化させながら、設定した枚数を連続的に撮影できます。このフォーカスシフト撮影は、あくまで被写界深度合成する為の撮影が簡単に出来ると言うもので、カメラ側では合成してくれないので、合成処理は自力でやる必要があります。

その他、オリンパスのOM-D E-M1 Mark II、パナソニック LUMIX DC-GH5やG8などにも同様にフォーカスブラケット撮影ができ、しかもカメラ側で合成してくれて手間いらずの便利な機能があるようです。

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Photoshopで被写界深度合成する方法

撮影した複数枚の画像をPhotoshopで合成していきますが、あらかじめLightroomなどで色調などを整え現像処理を施した状態にしておきます。

ファイルをレイヤーとして読み込む

Photoshopを起動して、合成する複数枚の画像を読み込ませます。

ファイル > スクリプト > ファイルをレイヤーとして読み込み

『参照』からパソコン内にある画像を選択し、『ソース画像を自動的に配置する』にチェックを入れ、OKをクリックします。

ファイルをレイヤーとして読み込み

ファイルをレイヤーとして読み込み

※LightroomからPhotoshopを起動させる場合もほぼ同じ手順です。

レイヤーを自動合成

画像をレイヤーとして読み込んだら、全てのレイヤーを選択し、上部メニューから、編集 > レイヤーを自動合成をクリックします。

全てのレイヤーを選択

画像をレイヤーとして読み込んだら全てのレイヤーを選択

以下のウィンドウが表示されますので、合成方法は「画像をスタック」を選び、「シームレスなトーンとカラー」と「コンテンツに応じた塗りつぶしを透明な領域に適用」の両方にチェックを入れて「OK」をクリックします。

レイヤーを自動合成

Photoshopの『レイヤーを自動合成』の画面

Photoshopが自動的にピントの合った部分だけを抽出して、不要な部分をマスクした状態にし、全てを結合したレイヤーも一緒に作成してくれます。

レイヤーの自動合成後の画面

レイヤーの自動合成すると、マスクされたレイヤーと一緒に合成された’レイヤーが出来る

場合によっては微調整が必要

不自然な箇所やピントの合っていないボケている部分が無いかチェックして、必要に応じて手動でマスクを修正して仕上げます。修正する場合は、一番上のレイヤー(結合レイヤー)は不要なので、非表示にして作業してください。

完成&比較

下の比較は、絞りf22の被写界深度合成なしと絞りf11で6枚を被写界深度合成した写真です。90mmのレンズで箱入りの石鹸を撮影したのですが、f22まで絞っても隅々まではピントが合わずエッジや文字がボケているのが確認できます。

まとめ

Photoshopは被写界深度合成のような面倒だった作業を自動で、しかも高精度にこなしてくれるので、積極的に活用したいものです。

被写界深度合成は基本的には被写界深度の浅く、パンフォーカスが難しいマクロ撮影やブツ撮りに良く使われる手法ですが、風景写真や星景写真にも応用できるテクニックなので覚えておくと役に立つと思います。