星景写真は長時間露光で撮影する為、ホットピクセルと言うカラフルなドットの長秒ノイズが発生してしまい、一般的にホットピクセルを除去するにはダーク減算という処理を施すのですが、ダークフレームを撮影して更に専用のソフトを使う必要があり結構面倒です。
今回は、星景写真の長秒ノイズをPhotoshopを使ってダークフレーム無しで簡単に除去する方法を解説します。
ホットピクセル(長秒ノイズ)とは?
ホットピクセルとは、シャッタースピードを遅くして長時間露光で撮影した際に発生する、赤、青、黄、緑、白などのカラフルな小さな斑点状の長秒ノイズの事です。
ホットピクセルの原因は、シャッターを開けている間にセンサー温度が上昇し電気信号に不具合が発生しそれがノイズとなり、シャッタースピードの長さと気温の高さと比例してホットピクセルが発生しやすくなります。気温の高い夏に星空撮影すると長秒ノイズが発生しやすいのはその為です。
また、星景写真ではISO感度を上げた際に発生する高感度ノイズがありますが、別の対処法が必要になります。
Photoshopを使ったホットピクセル除去方法
このPhotoshopを使った長秒ノイズの除去方法は、星景写真の風景部分だけに適用します。星空部分にも適用してしまうと小さい星が消えたり、ぼんやりとした眠い写真になってしまうので注意してください。
風景部分を選択
Photoshopの『クイック選択ツール』でホットピクセルを除去したい風景部分を選択します。
フィルター:ダスト&スクラッチ
メニューからフィルター > ノイズ > ダスト&スクラッチ を選択します。
ダスト&スクラッチの設定は、半径2~4ピクセル、しきい値40~60レベル位の範囲でプレビューのチェックで元画像と比較しながら微調整します。
半径の数値を大きくするとぼんやりした感じになり、しきい値の数値が大きいほどシャープになります。
除去結果の比較と注意点
Photoshopのダスト&スクラッチを使った方法だと、ダーク減算しないのでわざわざダークフレームを撮影する手間も省けて非常に簡単です。
実際にダスト&スクラッチ処理前と後を比較をすると、ホットピクセルが除去できているのが分かると思います。以下の画像は等倍で一部を切り出したものです。
ディテールが潰れる場合もあり
ただし、ホットピクセルが除去できるのですが、同時にディテールを失ってしまう場合があるので、必ず仕上がり具合を確認することが重要です。もし、ディテールが潰れてしまう場合は、その部分を選択から排除して、フィルターがかからないように対策することが必要です。
まとめ
星景撮影でどうしても発生してしまうホットピクセルですが、ダークフレームをわざわざ撮影しなくてもPhotoshopのダスト&スクラッチであっと言う間に除去できて非常に便利です。ただし完璧な対処法ではないので、ディテールを確認しながら必要な箇所だけフィルターをかけ、あとは地道に手作業でスタンプツールを使って除去するのが一番確実な方法かもしれません。
動画で見る
YoutubeにPhotoshopを使用した長秒ノイズの除去方法の動画をアップしました。