逆光で撮影した写真を拡大して見た際に、明るい部分と暗い部分の境界付近の一部が紫色っぽく滲んで写っていることはありませんか?それはパープルフリンジといわれる現象で、原因は様々な要素が関係していて撮影時に完全に除去するのが難しいとされています。
今回は、パープルフリンジが発生してしまった写真をLightroomを使って簡単に補正・除去するレタッチ方法をご紹介します。
パープルフリンジとは?
パープルフリンジとは、デジタルカメラで撮影した写真に発生する特有の現象で、明暗差の激しい箇所の暗部のエッジが紫またはピンクっぽい色の滲みのことを言います。レンズの色収差や偽色などの一種で、場合によってはエッジ部分が緑っぽくなる場合もあります。
パープルフリンジが発生する原因
逆光などの明暗差の激しい状況でデジタルカメラのセンサーが処理する時に起きるとされていて、色収差の少ないレンズを使用するとパープルフリンジが発生しにくい傾向になりますが、完全になくすことはできません。
パープルフリンジの対策
レンズを絞り込むとパープルフリンジを軽減できる場合もありますが、カメラの設定で確実に防止する手段がないので、現像時にソフトウェアを使ってレタッチするのが簡単で確実です。
パープルフリンジのサンプル
以下の写真がパープルフリンジのサンプルになります。普通にパソコンの画面で見るとほとんどわかりませんが、拡大表示してみると、明暗差の激しい空と木の枝部分に特にパープルフリンジが発生しているのが確認できます。
Lightroomを使ったパープルフリンジの除去方法
自動で除去する方法
Lightroomでパープルフリンジを除去する一番簡単な方法が、レンズ補正 > プロファイル > 【色収差を除去】にチェックを入れることです。
【色収差を除去】にチェックを入れることでLightroomが自動的にパープルフリンジを含んだ色収差補正をして、ほとんど目立たなくしてくれます。
補正が効きすぎて不自然になるような事はほぼないので、現像する時は、常に【色収差を除去】にチェックを入れるようにしておけば、パープルフリンジに悩まされることは無くなると思います。
手動(マニュアル)で除去する方法
【色収差を除去】にチェックを入れてもパープルフリンジが除去できない場合は、手動で除去します。
レンズ補正 > 手動を選択し、パネルが開くのでスポイトアイコンをクリックします。
パープルフリンジが発生している紫色の箇所にスポイトを合わせて、クリックするだけで、あっと言う間に除去できます。
※但し、フリンジカラーと同じような色が写真内にある場合、同様に適用されてしまい彩度が失われる場合があるので、全体を見ながら作業する必要があります。
更に微調整したい場合は、【適用量】と【紫色相】のスライダーを動かします。
動画で見る
パープルフリンジの除去方法を動画にしてYoutubeにもアップしています。動画では、上記のパープルフリンジの他に、星景や天体写真で発生する青ハロの除去をPhotoshopのCamera Rawを使って解説していますので、ぜひチェックしてみてください。
まとめ
写真を拡大しないとあまり気付かないパープルフリンジですが、細部まで拘った完成度の高い写真に仕上げるなら必須のレタッチ作業の一つなので覚えておいて損はないと思います。少し大きめに印刷する場合は、パソコン画面では目立たなかった粗が意外と目立ってしまうので、パープルフリンジ除去することをおすすめします。