絞り優先モードでF値の違いを理解すると一眼カメラが飛躍的に上達する

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絞り優先モードでF値の違いを理解 カメラ基礎知識

せっかくの一眼カメラなのにカメラ任せのオートモードで撮っている初心者の方におすすめなのが絞り優先モードです。絞りのF値を自分でコントロールして写真の仕上がりを簡単に変えられるのでプロや上級者も頻繁に使う設定の一つです。絞り優先モードをマスターすることが一眼カメラ上達の秘訣になります。

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絞り優先モード(Aモード)とは?

絞り優先モードとは、自分の好きな絞り値にすれば、面倒なシャッタースピードの設定はカメラが自動的に行い適切な露出にしてくれる非常に便利な撮影モードです。明るすぎたり暗すぎたりなどの難しい露出を気にせず、絞り以外は基本的にカメラが自動で調整してくれるので初心者でも簡単に使いこなせます。

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絞りとシャッタースピードの関係

絞り優先モードに慣れると、絞りとシャッタースピードの関係が自然と理解できるようになります。

一般に絞り開放と言われるF値を小さくすると、絞りの羽根が開いた状態になり光を多く取り込めるようになるので、シャッタースピードは速くなります。逆にF値の数値を大きくすると羽根が絞られるので光の量が少なくなり、シャッタースピードは遅くなります。

レンズの絞り羽根の変化

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絞り優先モードの設定方法

カメラの設定を絞り優先モードにするには、ニコンやソニーの場合はダイヤルを【A】、キャノンの場合は【Av】に合わせます。これだけです!

ニコンの絞り優先モード

ニコンの絞り優先(A)モード

ISOは固定でもいいですし、オートにしておいても問題ありません。高画質を保ちたいのであればISOは固定をおすすめします。

好きなF値にして撮影するだけ

自分の好きなF値に変更すれば、適正露出に応じてシャッタースピードをカメラ側で自動的に決定してくれます。

以下の例だと、絞りf2.8の時にシャッタースピードが1/50秒、絞りをf5にするとシャッタースピードが1/15秒に自動的に変化するのが確認できます。

シーン別で見る絞り優先モードの使用例

一眼カメラでもオートモードで撮影していると意図的に写真を上手くコントロールできないのですが、絞り優先モードでF値を変更することで表現方法に幅が広がります。撮影したい被写体や表現の仕方によって絞り値を上手く使い分けれるようになると一眼カメラの魅力を引き出せます。

背景をぼかしたい時

一眼カメラ特有のボケを活かした写真を撮りたいなら、まずは絞り優先モードで絞り開放で絞り値を小さくすればするほどピントが合ったところ以外はボケやすくなります。絞り優先モードだと、このボケ具合の程度を自分で絞り値を変える事で調節できるようになります。

絞り開放で背景をぼかす

絞り優先モードで絞り値をf2.8にして撮影

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パンフォーカスしたい時

ぼかすのとは反対に、近い所から遠いと所まで全体にピントが合ったシャープにパンフォーカスにしたい場合は、絞り値をf8~f14程度に絞ります。ただし、焦点距離が長くなると絞ってもパンフォーカスするのが難しくなるので注意が必要です。

パンフォーカス

絞り優先モードで絞りをf11にしてパンフォーカスで撮影

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水の流れを糸状にしたい時

滝や波などの水の流れを糸のような線状に表現したい時、シャッタースピードを遅くすることで表現できるのですが、NDフィルターを持っていない場合、絞り優先モードで絞り値を上げる事である程度対応することができます。

ただし、明るすぎる場所では思ったようにシャッタースピードが遅くならなかったり、絞り過ぎによる回折現象を起こし画質低下の原因になるので、出来るだけNDフィルターの使用をおすすめします。

滝を糸状に

NIKON D750 (24mm, f/18, 1/15 sec, ISO100)
絞り優先モードでシャッタースピードを遅くする為f18まで絞って撮影

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光条・光芒を出したい時

逆光の太陽光など強い光をキラッとした光条にして表現したい時は、絞り値を大きくして絞りこみます。絞り優先モードなら光条の出方をみながら絞りを微調整することができます。

絞り優先で絞って光条を意図的に出す

光条が出るように絞り優先モードでf16まで上げて撮影

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絞り優先モードで手ブレする時の対処法

絞り優先モードで自分の意のままに絞りをコントロールしても、シャッタースピードが遅いとブレやすくなってしまいます。そんな時は三脚を使えば問題ないのですが、手持ちによるブレ防止の対処法をご紹介します。

ISO感度を上げる

絞り優先モードでもISO感度の設定が固定になっている場合、絞り値を上げていくとシャッタースピードは遅くなります。特に光の少ない薄暗い場所で絞るとシャッタースピードが遅くなり手ブレし易くなってしまうので、そんな場合は、ISO感度を上げる事でシャッタースピードが速くなります。

手ブレしないシャッタースピードは、1/焦点距離mm秒が目安とされています。ISOを少しずつ上げていき、目安のシャッタースピードになるまで微調整してみてください。

手持ちで手ブレしないシャッタースピードの限界と焦点距離の関係
手持ち撮影しようと思ったら明るさが足りずシャッタースピードが遅くなり手ブレしてしまう事はありませんか?絞り値を小さくしたり、ISO感度を上げたりすれば、シャッタースピードが速くなり手ブレの発生率が下がりますが、一体どれ位のシャッタースピードに設定すれば良いのでしょうか?今回は、手持ち撮影でも手ブレしない目安となるシャッタースピードとレンズの焦点距離の関係を詳しく解説します。

ISO感度をオートにする

ISOを自動制御(オート)にするとカメラが自動的にブレにくいシャッタースピードにしてくれます。ただし、ISO数値を上げすぎるとノイズ量が増え、画質が悪くなってしまうので、ISOの数値の上限をある程度低く設定しておくと良いでしょう。

設定方法(ニコン機)は、まずMENUの静止画撮影メニューから「ISO感度設定」を選択。

ISO感度設定

次に「感度自動制御」をONにすると、ISOが自動的に変化します。

ISOの上限設定する場合:「制御上限感度」で任意の数値を選びます。
シャッタースピードの上限設定する場合:「低速限界設定」で任意の数値を選びます。

ISO感度自動制御

絞り開放で値を低くする

絞りを開放しF値を低くすることで光を多く取り込めるため、シャッタースピードを速くすることができ、手ブレを軽減できます。特に明るいレンズを使用している場合は可能ですが、キットレンズやズームレンズ、望遠レンズなどはF値がそれ程下げれず、シャッタースピードも速くならない場合もあります。

ただし、絞り開放にすると被写界深度が変わったり、解像感が落ちたりする為、パンフォーカスでキリっとした風景写真を撮りたい状況では、良い対策方法とは言えません。手ブレする場合は出来る限り三脚を使うのがベストの解決方法です。

まとめ

絞り優先モードで撮影しているうちに一眼カメラへの理解が深まり、徐々に色々な撮影方法が身に付いて写真の表現の幅が広がってくると思います。絞り優先モードは色々な場面で有効なので是非マスターしておきましょう!