写真の無断盗用の対策として著作権の透かしを入れる方法がありますが、写真編集ソフトを使ってウォーターマークを毎回微調整して書き出すのは面倒な作業です。しかし、Lightroomの透かしエディターを使えば、文字だけでなくロゴなどの画像をウォーターマークとして簡単に写真に挿入することが可能です。
今回は、Lightroomを使った著作権の透かしを入れる方法をご紹介します。
ウォーターマークとは?
ウォーターマークとは、英語で直訳すると『紙の透かし模様』と言う意味ですが、近年では写真や動画に著作権表示として入れる文字やロゴの事を指す場合が多くなっています。
写真にウォーターマークで著作権表示をしても、無断盗用を完全に防ぐことはできませんが、徐々にですが著作権侵害に対する認識が高まりつつあるので、ある程度の抑止効果は期待できるかと思います。
仮に著作権の透かしをトリミングしたり、何らかの加工を施して除去して、無断盗用すれば、意図的に著作権を侵害していることになり、故意過失を判断する上での十分な証拠として有効な手段になります。
Lightroomでテキストの透かしを入れる方法
Lightroomでウォーターマークを入れるには、文字だけのテキストと画像の2種類が可能です。
まずはLightroomの透かしエディターを使って、テキストのウォーターマークから解説します。
上部メニュー > 編集 > 透かしを編集
透かしエディターでテキストを選択
透かしエディターが開いたら、【テキスト】を選択し、ウォーターマークとして表示する文字を入力します。
テキストオプションの設定
次に【テキストオプション】でウォーターマークの文字の見た目を設定します。
フォント
フォントで好きな書体を選択します。自分のPC内にインストールされている書体から選ぶことができます。
スタイル
スタイルは、標準、太字、斜体、太字斜体から選択できますが、書体によっては斜体や太字斜体が非対応の場合もあります。
行揃え
行揃えは、左端、中央、右端から選択できますが、一行だけのウォーターマークの場合は、どれでも大丈夫です。複数行のウォーターマークの場合は、どこに配置するかによって、設定する必要があります。
色
ウォーターマークの文字の色を設定します。写真の雰囲気を壊さない、白か黒が良いかと思います。
シャドウ
ウォーターマークの文字のドロップシャドウの設定です。ウォーターマークが主張しすぎないように、薄っすらとシャドウが出る位の設定がおすすめです。個人的にはシャドウ無しでも良いかと思います。
- 不透明度
シャドウの濃さの設定 - オフセット
文字とシャドウまでの距離の設定 - 半径
シャドウのエッジの硬さまたは柔らかさの設定 - 角度
シャドウの方向の設定
透かしの効果の設定
次に文字の不透明度と表示位置を【透かしの効果】で設定します。
不透明度
不透明度でウォーターマークの透かし具合を設定します。
サイズ
ウォーターマークの文字サイズを設定します。通常は【プロポーショナル】を選択した状態で、全体のバランスを確認しながら大きさを調整します。
挿入位置
挿入位置は、上下左右のマージンを設定します。水平方向のスライダーで左右、垂直方向のスライダーで上下のマージンを調整できます。
基準位置
基準位置は写真のどこにウォーターマークの文字を配置するのかを設定します。
プリセットとして保存
今回は白文字で作ったのですが、写真によっては白文字だと視認性が悪かったりするので、白以外の黒文字などのウォーターマークが必要な場合は複数のウォーターマークをプリセットとして登録しておくと便利です。
透かしエディターの左上のカスタムの矢印をクリックし、【現在の設定を新規プリセットとして保存】を選択します。【プリセット名】に任意の名前を付けて保存します。
複数のウェブサイトを運営している場合などでもプリセット登録して使い分けるのがおすすめです。
Lightroomで画像の透かしを入れる方法
ウォーターマーク用の画像の準備
Lightroomのウォーターマークとして使用可能な画像形式はPNGもしくはJPEGですが、透過が使えるPNGがおすすめです。まずは、PhotoshopやIllustrator、その他の画像エディタなどを使ってPNG形式のロゴ画像を作成しておきます。
ロゴのサイズは、カメラの画素数に合わせて、少し余裕をもって大きめに作っておいて、縮小して使うのが便利です。サイズが小さすぎて拡大して使った場合、ロゴの輪郭がギザギザになるジャギーが発生してしまう原因になります。
色は白と黒の2種類用意して、どんな写真にも対応できるように2種類のウォーターマークを登録しておくと良いでしょう。
透かしエディターで画像を選択
上部メニュー > 編集 > 透かしを編集
透かしエディターが開いたら、【透かしのスタイル】から【グラフィック】を選択し、あらかじめ用意していたウォーターマーク用の画像を自分のPCから選択します。
透かしの効果の設定
テキストと同じように、画像の場合も同様に設定します。
不透明度
不透明度でウォーターマークの透かし具合を設定します。
サイズ
ウォーターマークの文字サイズを設定します。通常は【プロポーショナル】を選択した状態で、全体のバランスを確認しながら大きさを調整します。
挿入位置
挿入位置で、上下左右のマージンを設定します。
基準位置
基準位置は写真のどこにウォーターマークの文字を配置するのかを設定します。
プリセットとして保存
設定が終わったら、プリセットとして保存しておきます。
写真の書き出し時に透かしを選択
Lightroomで写真を書き出す際に、【透かし】の項目にチェックを入れ、プリセットとして登録しておいた透かしを選択するだけで、自動的にウォーターマークが入った写真が出来上がります。Lightroomのプリセットを使えば、毎回透かしの設定をしなくて済むので簡単です。
まとめ
Lightroomでウォーターマークをプリセットを登録しておけば、面倒な著作権の透かしを入れる作業が簡素化され、また、複数のプリセットを用意しておけば写真に応じて柔軟に対応できて便利です。
写真にウォーターマークで著作権表示しなくても著作権保護されているのですが、透かしがあった方が著作権を主張する時に明確で簡単です。著作権の透かしが入っている写真を無断で使用した場合、知らなかった等の言い逃れは通用しなくなります。